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ここが分かれ道。2位に泣いたFC東京、痺れるようなシーズンの後に

 優勝のためには4点差の勝ちが必要だった。奇跡と言われようとも迷いなく選手たちは日産スタジアムのピッチに立ち、サポーターは声を枯らした。明治安田生命J1リーグ第34節でFC東京は横浜F・マリノスとリーグ最終節を戦い、0-3で完敗。悲願の初優勝は果たせなかった。シーズンを通して優勝争いに絡んだ今季の経験。それは選手、そしてクラブに何をもたらすか。【取材・文=飯尾篤史】

■三度、打ちのめされながらも

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 今季、驚くべき成長を遂げた渡辺剛が振り切られ、3点目を決められた77分、FC東京の優勝の可能性は、事実上なくなった。

 だが、それでも三田啓貴は横浜F・マリノスの守備陣に向かって何度も仕掛け、田川亨介はパスを求め続けた。高萩洋次郎は最後まで相手の隙をうかがい、ユ・インスは足を止めなかった。優勝の可能性はほとんどなくなっていたにもかかわらず。

 来季につながる戦いとは、こういうことを言う。

 もちろん選手たちは、来季につなげるため、などとは少しも思っていなかったはずだ。ただただタイムアップの笛が鳴るまでゴールを目指した。三度も打ちのめされながら、そのたびに立ち上がってゴールを目指した。

 そのリバウンドメンタリティ、その飽くなき執念は、優勝争いを続け、痺れるようなシーズンに掴んだ財産のひとつと言っていい。

 試合後、心に傷を負った選手たちを迎えたのは、「You'll Never Walk Alone(ユルネバ)」の大合唱だった。

 試合前だけでなく、今季から勝利ゲームのあとの凱歌としても歌われ、ファン・サポーターとチームの一体感を高め、絆を深めてきた。だが、“ユルネバ”の歌詞本来が持つ意味を考えれば、このときほど歌が染み入る瞬間もない。

「勝って歌いたかったですけどね。でも、負けたあとの“ユルネバ”も美しいというか」

 キャプテンの東慶悟が噛みしめるように言えば、橋本拳人は感謝の言葉を口にした。

「ありがとうございました、という気持ちで、“ユルネバ”を聞いていました。サポーターの皆さんにはアウェイ8連戦だったり、厳しい日程の中、常に支えてもらったと感じていたので」

■補強した横浜と戦力を落としていった東京

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 ラグビー・ワールドカップ期間中のアウェイ8連戦が、チームに重くのしかかったのは確かだろう。結果だけを見れば、4勝2分2敗と及第点以上の成績を残したが、久しぶりのホームゲームに気負った32節の湘南ベルマーレ戦での引き分けが大きく響いた。

 とはいえ、シーズンを通してみれば、横浜は試合を重ねるごとに精度と迫力を高め、11ゴールのエジガル・ジュニオが負傷離脱するとすぐにエリキを獲得。さらにマテウスまで加えて戦力を高めた。。

 一方、東京は開幕当初からチームとしての完成度が高かったものの、久保建英が移籍し、満身創痍だったエースのディエゴ・オリヴェイラが最後に負傷離脱するなど、少しずつ戦力を落としていった。

 長谷川健太監督は来季の課題として「得点力のアップ」を挙げたが、ACL参戦を見据えると、問題は選手層の薄さ。これは、チームではなく、フロントに突きつけられた課題だ。

 これまで4位が最高成績だった東京にとって、初めて最終節まで優勝争いを繰り広げた今季が最も充実したシーズンだったのは間違いない。

 それで満足するのか、これでは絶対に満足できないのか――。

 どちらの感情に支配されるかが、クラブの未来の分かれ道になってくる。

 かつて常勝軍団・鹿島アントラーズの小笠原満男は、こんなふうに語っていた。

「一度タイトルを獲ると、また獲りたいっていう欲が生まれて、競争も激しくなる。そうやって次も、次も、ってタイトルに飢えるようになっていくんです」

 2連覇を成し遂げた川崎フロンターレの中村憲剛も、こんなことを言っていた。

「一度あの景色を見ちゃうと、また見たいっていう想いが強まるんですよ」

 だとすれば、その逆も大きなパワーになるはずなのだ。俺たちもあの景色が見たい、あんな悔しい想いは二度としたくない――。その気持ちをどれだけ強く保てるか。

「自分が東京を優勝させたい」という想いで3年半ぶりに復帰した三田は試合後、「アカデミー出身者がもっと中心になって、強くしたい」と熱っぽく語った。

「尊敬する先輩たちが達成できなかったリーグ優勝という夢を自分が成し遂げる」という想いを抱いていた森重真人は「例年以上の結果を残せたけど、宿題も生まれた。それが来季のモチベーションになる。まずはしっかり休んでいろいろ考えて、来年、良い顔でみんなとやりたいなと思います」と来季のリベンジを誓った。

 今季、東京は間違いなく変わった。だが、変われる余地は、まだまだ残されている。さらに変われるかどうか、もっともっと強くなれるかどうかは、自分たち次第だ。

 悔しさが原動力となって悲願を成し遂げられたとき、2位に泣いた今季の価値は、さらに高まる。

文=飯尾篤史

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