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鹿島アントラーズの若手FWコンビ、大阪ダービーで輝いたG大阪DFらをピックアップ/今週のヤングガン Vol.3

日本サッカーの未来を担うU-23世代を輝かせるべくスタートした『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』。Goalでは彼らの奮闘に注目し、U-23世代の活躍をピックアップしてお届け。明治安田生命J1リーグ第19節、J2リーグ第25節からは、4名のヤングガンを紹介する。

鈴木優磨安部裕葵鹿島アントラーズ

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33分間と14分間――。鹿島アントラーズが誇る2人の若きFWが、与えられた短い時間でキッチリと結果を出してみせた。

第19節ヴァンフォーレ甲府戦、62分に投入された鈴木優磨がペナルティエリアの左に抜け出した金崎夢生からの速いクロスに走り込みながら合わせて鮮やかにゴールネットを揺らせば、71分に金崎と変わる形でピッチへと送り込まれた高卒ルーキーの安部裕葵は90分にレアンドロのスルーパスを抜群のタイミングで引き出し、最後はGKをかわして冷静に流し込んでリーグ戦初ゴールを決めた。

昨シーズン、アカデミー出身の鈴木は明治安田生命Jリーグチャンピオンシップを制したチームで勝負強さを発揮してリーグ戦で8得点をマーク。年末のFIFAクラブワールドカップ準決勝ではチームを決勝に導くゴールを決めるなど、新進気鋭のストライカーとして大きな注目を集めた。しかし今シーズン前半戦は序盤に2ゴールを挙げながら思うような結果を残せず、大岩剛新監督の就任後はなかなか出場機会を得られない状況が続いていた。一方の安部は第8節ジュビロ磐田戦で左MFとして初スタメンに抜擢されながら、巡ってきたチャンスを生かせず前半だけで交代。それ以降はベンチ入りすら叶わない現状に直面していた。

2017-07-31-kashima-abe©J.LEAGUE PHOTOS

二人の若きストライカーにとって大きなの転機となったのが、スペインの強豪セビージャを迎え撃ったJリーグインターナショナルチャレンジだ。ともに62分からピッチに送り込まれると、劣勢を強いられる中で72分に見事な連携から先制ゴールに結び付けた。敵陣中央でボールを受けた安部が4タッチで3人をかわして相手GKを引き付け、その背後から左に回り込んだ鈴木がタイミング良く横パスを受けて無人のゴールに流し込んだのだ。鈴木は終了間際にもCKからヘディングを叩き込んで2得点の大活躍。大岩監督が「セビージャの強さをまざまざと見せつけられた」と振り返る試合でのアピールを今回の活躍につなげた形だ。

首位のセレッソ大阪を視界に捉え、虎視眈々と連覇を狙う前年度王者。くしくも甲府戦前日にリーグ戦で7ゴールをマークしていたペドロ・ジュニオールの負傷離脱が発表された。目標達成には彼らの奮起が不可欠だ。果たして彼らは名門鹿島においてどのような存在となっていくのだろうか。チームの行く末に二人がどう絡んでいくかに注目しておいて損はないはずだ。

三浦弦太(ガンバ大阪)

2017-07-31-gamba-miura©J.LEAGUE PHOTOS

“大阪ダービー”で勝負を決めるゴールを挙げたのは、22歳の若きセンターバックだった。1―1で迎えた65分、井手口陽介のCKに走り込んで頭で合わせ、逆サイドネットに豪快なヘディングシュートをねじ込んだ。この日は守備でも首位セレッソ大阪を相手に奮闘。杉本健勇に先制点を奪われたシーンでは最終ラインでコンビを組むファビオの目測ミスをカバーしきれなかったが、杉本のマークに加えて2列目から飛び出してくる山村和也、さらには相手左サイドから見せる柿谷曜一朗のカットインにも粘り強く対応した。昨シーズンは清水エスパルスのJ1昇格に大きく貢献し、J1屈指の強豪クラブに移籍。ここまでリーグ戦全試合にフル出場し、6月には日本代表に初選出された。残念ながらA代表デビューはならなかったものの、大きな刺激を受けてG大阪の守備を支える。サイドバックもこなすスピードを武器に、タイトなディフェンスだけでなく鋭いオーバーラップで攻撃陣を活性化するシーンもある。試合を重ねるごとに存在感を高める気鋭のセンターバック。蒼黒の“壁”は、チャレンジと結果を糧に日々進化し続けている。

秋野央樹(湘南ベルマーレ)

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ここまでJ2首位を走る湘南ベルマーレを中盤の底で攻守に渡って支えるレフティ。第25節徳島ヴォルティスとの上位対決でも躍動し、1点リードで迎えた66分には見事な飛び出しからペナルティエリア内に侵入し、ジネイのパスを受けて相手GKの股下を破る貴重な追加点を決めた。中盤で攻撃を組み立てながら、守っては鮮やかなコンビネーションを誇る徳島の起点を封じ切って2―0の勝利に大きく貢献。ジュニア時代から過ごしてきた柏レイソルを飛び出し、選手全員にハードワークを求める曺貴裁監督の下で確かな成長を示している秋野。第23節東京ヴェルディ戦では豪快なミドルシュートも叩き込んだ。早くから将来を嘱望されてきたが、ここに来て“早熟のエリート選手”という殻を力強く破ろうとしている。新天地で持ち前の技術に体力と研ぎ澄まされた判断力を加えつつある彼の今後に注目だ。

【今週のヤングガン プロフィール】
鈴木優磨(鹿島アントラーズ)
安部裕葵(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)
秋野央樹(湘南ベルマーレ)

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】
Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。

詳しくは こちら から

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