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帰ってきた理由は“ここで証明するため”――佐藤龍之介、FC東京で示す進化/インタビュー

FC東京のアカデミーで育ち、ファジアーノ岡山への武者修行を経て帰還した佐藤龍之介。J1の舞台で手応えをつかんだ昨季を経て、いま「変わった自分」を証明しようとしている。国立競技場での鮮烈なゴール、対人守備の進化、そしてチームの中心を担う覚悟――。19歳にしてA代表も経験するその現在地と、“東京”への思いに迫った。(聞き手・文=川端暁彦/取材日=3月10日)

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岡山でつかんだ手応えと自信

20260319-fctokyo-ryunosuke-sato©Yuki Nagao

——改めて佐藤龍之介がFC東京に帰って来た理由を教えてください。

はい、やはりアカデミーの選手として育ったクラブで活躍できていないまま離れるわけにはいかないというところがまずありました。昨季は(岡山へ育成型期限付き移籍をして)J1の舞台でシーズンを通して手ごたえを感じていた中で、自分の育った東京という特別なクラブで、ファン・サポーターの皆さんの前でプレーをしたかったんです。それは一人のサッカー選手として持っていた夢でもあり、実現したいという思いで決断しました。

——シーズン開幕当初は先発出場できず、少し難しい時期もあったように外からは見えていました。

(AFC・U23アジアカップに参加していた)U-23日本代表から帰って来たことで、チームへの合流も遅れてしまい、最初は少し壁がありました。ただ、やっぱり自分自身が大きく変わったというのが一番大きくて、僕は心配していませんでした。時間が経てば自分のプレーをしっかり出せるようになるし、試合に出させてもらえれば良いプレーもできるという感覚はあって、心配はしていませんでした。

——国立での横浜FM戦(3月7日第5節・3-0で勝利)ではスーパーゴールも決めましたね。

あのタイミングで決められたのはすごく大きかったです。あのシーンも気持ちが入っていましたし、自分の得意なシチュエーションでもあったので、点を取れたのは非常に大きかったですね。

——昨季ファジアーノ岡山で左のウイングバックをやった経験も生きているのかなと思いました。

(サイドで)DFと1対1になった場面で、ゴールしか見ないで仕掛けるシーンっていうのは昨年も多くありました。だから、そこは何か新しいことではなくて、この前のシーンも体が勝手に動いていました。ああいう形から得点できたのは、昨年の経験のおかげかなと思っています。

——岡山での1年で「俺は変わったぜ」というところをFC東京でも見せつつある。

一番はやはり対人の守備ですね。今までストロングとはまだまだ言えなかった部分が、ストロングと言えるぐらいに成長したという感覚があります。J1の舞台でもそこが穴にならず、奪い切る力といったものは身に付きましたし、「成長したな」と感じています。

——自信もついて堂々とプレーしている印象です。

攻守において相手にまったくビビらないですし、どんな選手が来ても自分の能力と体のキレさえあれば勝負になるし、勝てると思っています。非常に今はいい状態だと思います。

——左サイドで長友佑都選手と組んでいるのも面白いところです。

最初はプレー中の位置取りとかがバラバラだったんですけど、練習を重ねて良くなってきました。年齢は離れていますが(約20歳差)、お互いにコミュニケーションもたくさん取れていて良い関係だと思います。そういった経験のある選手とサイドで組める機会はなかなかありませんし、貴重だと思うので、そこは自分も引き出したいですし、引き出されたいなと思います。

「チームを引っ張っていく部分を求めたい」

20260307-fctokyo-yokohamafm-goal©Hiroto Taniyama

——改めて「佐藤龍之介の一番いいポジション」はどこなんでしょうか。

難しいですけど、ゴール前で自由に左右どこでも顔を出してっていう……そんな贅沢なポジションはないですが、ゴールに関われるポジションがベストだと思っています。トップ下、U23アジアカップでやったポジションも自分としては非常にいいポジションなので、気に入っています。

——同時に、もっと良くしたいと思っている部分はありますか?

まずはもっともっと中心選手で戦っていくという自覚を持つことです。そういったプレーを、東京という舞台で東京のチームとして出したい。「チームを引っ張っていく」という部分を自分に求めたいんです。そのためにはやはり、結果を毎試合出していく感覚でないとダメだと思います。そこは自分に対して強く意識したい部分です。

——良いプレーをするだけではなく、ゴールやアシストといった数字を各試合で残したいということですか?

そこを残していくことで周りからの評価も変わると思いますし、意識しています。

——FC東京というチーム自体もかなり仕上がりつつあるように見えます。

強度が高いという部分一つを取っても良い感触はあります。一人ひとりの強度が高いですし、その上で攻撃でも守備でも個性を発揮できる選手が多いです。スキのない、穴のないチームになってきていると思います。

やはり、チームが強いほうがチャンスも多いですし、そういった面では本当に良いチャンスが毎試合ある感覚もあります。だから自分としては数字をもっと伸ばしたいですね。チームの優勝という目標をぶらさず、個人としてのレベルアップにもフォーカスしてやっていければ、それもチームの力にもつながると思います。

——あと、この明治安田J1百年構想リーグにおいて、PK戦がめちゃくちゃ強いのはアドバンテージですね。

そうですね! 技術のある選手がいてゴールキーパーも素晴らしい選手たちですから。PKに勝てるチームはいいチームだと思っているので、このレギュレーションにおいて強みになると感じています。

——佐藤選手のキックも素晴らしいです。

(PK戦の)5番手を任せていただいています。そこを任せてもらえているのは嬉しいですし、そこで決め切れているのもいいと思います。

——ユース年代からいろんなPK戦を経験してきた蓄積が生きているのではないですか?

日本クラブユース選手権で悔しい思いをしたこともありますし(2023年大会の決勝で佐藤はPK戦のキックを失敗。優勝を逃している)、年代別のアジアカップでも多くのPKを蹴る機会があって、そこでもいろんなプレッシャーを感じながら蹴る経験をできているのは大きかったですね

——チームを勝たせて、明治安田J1百年構想リーグのタイトルを獲って、そしてワールドカップに出られたら最高ですね。

そのビジョンは目標として持っていますし、そのためにやっています。いまのチームは海外から帰ってきた選手も多くいて経験も豊富ですし、その選手たちが優勝という目標へ向かって一つの束になって頑張っています。すごく良い雰囲気だと感じています。

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