今年はU-23代表で10番を背負って臨んだAFC U23アジアカップ優勝から始まった。昨年はA代表デビューも果たしている。佐藤龍之介は世界と対峙することで、自身の基準がより明確になった。「まだまだ足りない」と語りつつも、その目線はつねに先を見る。FC東京での結果、A代表定着という目標、そして――。19歳が描く未来像に迫る。(聞き手・文=川端暁彦/取材日=3月10日)
日常の基準が練習から表れている
————日本代表について聞かせてください。今年はAFC U23アジアカップを戦うところからのスタートでした。
本当に良いシーズンをファジアーノ岡山で過ごした後、少し休んでからの大会だったんですけれど、気持ちもしっかりと切り替えられていました。まず優勝できたのは良かったですし、自分がそこで中心選手でやるというところを、結果とプレーの両面で示せてよかったなと思っています。
——大岩剛監督の戦術、スタイルも上手く消化しているように見えました。
与えられた役割をしっかり果たしながらも、自分の良さをしっかり出す。そういう部分で良いバランスを目指してやれたかな、と。ポジション的にも今まで以上にゴールに関われました。これまでなかなかゴール・アシストという数字も伸びてこなかったので、今回はそこがしっかりと出たことにも手ごたえを感じています。
——各年代でいろいろな国際大会を経験しながら、そのたびに成長してきた選手という印象を持っています。
本当にクラブと同等以上に代表でプレーする経験は大きいです。そこが自分の今を作り上げてくれていると思いますし、世界に行くと「まだまだ足りないな」と思わされますし、アジアではしっかりと自分の積み重ねが発揮できるように感じます。本当にいいサイクルを過ごしてここまで来られたと思います。
——そして、A代表にも食い込んでいくことは大きな目標になりますね。
やっぱり(A代表は)一度入ったことで、常に入っていきたい場所に変わりました。Jリーグでやる以上はそこで圧倒的な力を見せないと、ヨーロッパのチームにいる選手たちを押し退けられないとも思っています。体験したことで改めて自分の基準を A代表に置くことができるようになりましたし、日常から鍛えて追い付いていきたいと思っています。
——A代表の選手たちと一緒にやってみたことで感じた差、あるいは基準の高さはどういったものですか。
A代表の選手たちは週に2試合を世界のトップレベルでやっているわけで、その日常の基準がやっぱり練習から表れていました。練習でも本当に一個一個の質と狙いがありますし、試合ではとても簡単なようにプレーをしています。その余裕は「すごいな」と思わされました。
——一方で、「追いつけないレベルでもないぞ」という感覚もあったのではないですか?
まだまだ差は感じましたけど、自分としてはこのままもっともっと成長の速度を上げていけば食い込んでいける可能性もあると感じました。ただ、もっともっといろいろな面で成長していくことでしか、近づかないとも思っています。
欧州でプレーしたいという思い
Getty Images——A代表の多くの選手がプレーしている欧州へ羽ばたきたい気持ちもあると思います。
同年代の選手たちが(ヨーロッパへ)出ていっていますし、年代別のワールドカップでも世界を肌で感じました。やはり、トップレベルの基準があるヨーロッパでプレーしたいという思いがより強くなっています。ただ、そのためにも、もっともっと日本で圧倒的にやっていかないといけないというのも同時に思っています。
——FC東京で結果を出してA代表に入って、そして旅立っていくのは理想的ですね。
自分は“出方”というのが大事だと思います。この東京で、まずはしっかりとファン・サポーターであったり、スタッフの皆さんを含めて納得してもらえるようなプレーを示したいと思っていますし、そこにフォーカスしたいと思っています。
——FC東京のトップチームで輝くことは佐藤選手の少年時代からの目標だったと思います。一方で、いま“佐藤龍之介”を目標にしている選手も出てきていると思います。先日、北原槙選手に取材したときも、「龍之介くんはすごい!」という話になりましたよ。
アイツはもう、そんなことは思っていないでしょう(笑)。でも、見られ方だったり、目標にされている感覚だったりも今まで以上にちょっと出てきてはいますから、しっかりと「そういった見られ方をする選手である」ことも忘れずにいたいとは思っています。
——最後に、短期的な目標と長期的な目標も聞かせてください。
短期では東京で優勝することと、その後にあるワールドカップのメンバーに入って活躍することが大きな目標ですね。そこを目指して頑張っています。
長期的にはヨーロッパで活躍するということと、ワールドカップで優勝するということです。ラ・リーガ、プレミアリーグといったやっぱりみんなが憧れるそういうリーグでやりたいという気持ちは変わらないです。
——本日は素敵なお話をありがとうございました。
ありがとうございました!



