過去2シーズン、残留争いを強いられていたシュトゥットガルト。昨夏には遠藤航やボルナ・ソサら主力選手を売却しながら、今季はバイエルンを抑えてブンデスリーガ2位に食い込む快進撃を見せた。その主役にいたのは間違いなくセバスティアン・ヘーネス監督だろう。今季は4-2-3-1をベースとしつつ、3バックも用いるなど戦術的に柔軟な姿勢を示し、優勝したレヴァークーゼンとはリーグ戦2試合で2分け、2位バイエルンとも1勝1敗の成績を残し、戦力的に劣るチームながら、上位チームと互角に渡り合った。
もちろん、ピッチ上での選手たちの奮闘も忘れてはならない。エースFWセルー・ギラシは今季リーグ戦29ゴールを挙げ、ハリー・ケインについで得点ランキング2位。まさしく覚醒といって差し支えない働きぶりだった。相棒のFWデニス・ウンダフはブライトンからのレンタル移籍だが、18ゴール・10アシストの活躍を見せ、3月にはドイツ代表デビュー。EURO2024行きも決め、ブレイクスルーとなった。2人以外にも中盤の底で新たな司令塔となったMFアンジェロ・シュティラー、センターバックとサイドバックとしてチームの需要に応えたDF伊藤洋輝ら新たなスター候補生は多い。
来季は14年ぶりにチャンピオンズリーグへと参戦するシュトゥットガルト。今夏は主力の慰留と新戦力の補強で忙しくなるが、ヘーネス監督はすでに契約延長を発表しており、来季のさらなる躍進にも期待が高まる。
※選手は2023-24シーズンのトップチーム登録。原口元気は退団を発表済み