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2020-08-23-psg(C)Getty Images

【CL決勝】PSGを変えた2つの転機。CLでビッグイヤー獲得の“ワンチャンス”を活かせるか

23日、パリ・サンジェルマン(PSG)は、クラブ史上初めてチャンピオンズリーグ決勝の舞台に臨む。フランスのクラブでは7回目の決勝進出。過去6回で勝利を収めたのは1993年のマルセイユのみで、対戦相手はACミランだった。

今回の相手はバイエルン・ミュンヘン。PSGは決勝トーナメントに入ってからラウンド16でボルシア・ドルトムント、準決勝でライプツィヒと対峙し、3度目のドイツ勢との対戦となる。

クラブ創立50周年の節目に、初のチャンピオンズリーグ決勝進出となれば、なんとしてでもトロフィーを手に入れたいところだろう。

■最初の転機となったのはラウンド16

Neymar PSG Dortmund 2019-20Getty Images

ここに至るまでの今シーズンのパリ・サンジェルマンには、ある決定的な転機があった。

ラウンド16のドルトムント戦だ。敵陣での第1節は、1-2と敗れた。

怪童アーリング・ハーランドが、ネイマールやキリアン・ムバッペ、チアゴ・シウバら、ワールドクラスの選手たちをものともせずに2発。爆発的な勢いのある相手にセカンドレグでの逆転は難しいのでは…という空気が漂った。

何しろPSGは3年連続ラウンド16で敗退している。やはりその呪縛からは逃れられないのか――。2戦目は、そんなネガティブな論調の中で迎えることになったが、加えて時はロックダウン直前。パルク・デ・プランスでの試合は無観客、という劣勢に置かれた。

しかしその試合でPSGは2-0で勝利をもぎとり、合計スコア3-2と逆転して次ラウンド進出を決めた。

先制点を挙げたのはネイマール。彼はフアン・ベルナトが決めた2点目の起点にもなった。初戦は、直前に肋骨を負傷して出場すら危ぶまれたが、本調子ではない中で奪った貴重なアウェーゴールも効いた。

パルク・デ・プランスの周りには、ソーシャルディスタンスを無視してサポーターが集結(あとでお咎めを食らったが)。選手たちがスタジアムの通路まで出て、まるで優勝したかと言わんばかりのファンたちの大声援に応えている姿は、チームへの不満や非難が絶えなかったサポーターと選手たちが真に一体になった様を表していた。

敗退説が濃かった中での逆転劇は、チームにとっても大きな自信となった。皆でひとつの苦難を乗り越えたことで、団結力も深まった。

決勝進出後、ナセル・アル・ケライフィ会長もこのドルトムント戦から、ロッカールームの空気が変わったと話していた。

「ボルシア・ドルトムント戦の後から、選手たちがより団結したのを感じた。ともに戦いたい、という意志が見られる。ピッチの上だけでなく外でも絆が築かれた。この結果は、みんなで一緒に戦うんだという意志の表れだ」

■アタランタ戦では劇的逆転勝利

Neymar Mbappé Atalanta PSG Champions League 12082020PSG.fr

ところが、「この勢いで一気に頂点まで!」と士気が最高潮に盛り上がったところで、コロナによるすべてのフットボールが中断するという事態が訪れた。

天までPSGの成功を阻もうとしているかのようなこの展開。フランスリーグはシーズン打ち切りを決定し、6月30日で契約が切れた選手のうち、クラブの歴代最多得点者であるエディンソン・カバーニや主力DFトーマス・ムニエは、CL終了までの2か月間の短期延長に応じず去って行った。

7月下旬、国内のカップ戦決勝で公式戦が再開されると、PSGはリーグカップとフランス杯両方でトロフィーをものにはしたが、延長戦になったリヨンとのリーグカップ決勝では120分を戦って0得点(PK戦の末に勝利)。サンテティエンヌとのフランス杯決勝でも1得点のみの辛勝だった。

ネイマールやマウロ・イカルディ、アンヘル・ディ・マリアら、フランス国内では圧倒的な攻撃陣を擁しながら2試合で1点しかあげられない状況に、「これは由々しき事態では?」という質問が記者から飛ぶと、「見ればわかるだろう!心配に決まっている!」と珍しく語気を荒げるほど、トーマス・トゥへル監督も苛立ちを露わにしていた。

おまけにムバッペは7月24日のフランス杯決勝で足首を負傷して準々決勝のアタランタ戦出場は微妙に。ディ・マリアは出場停止、マルコ・ヴェラッティは負傷と、PSGはいざクライマックスに挑もう、という重要な瞬間に、キープレイヤー不在という状況に置かれていた。

そんな中で戦ったアタランタ戦での勝利が、ドルトムント戦に次ぐ2つ目の転機だ。

26分にマリオ・パシャリッチに先制され、1ゴールを追う展開は、ラストまで続いた。しかし、終盤に投入された控えFWエリック・マキシム・チュポ=モティングのパスが起点となり、90分にネイマールのアシストからマルキーニョスが同点弾。そしてその数分後、チュポ=モティングが自らムバッペのパスをゴールに突き刺した。

残り時間があと1分あるかないかという究極の崖っぷち。

ここで全身の血が煮えたぎるような大逆転劇を実現したことは、チームにとってさらに大きな自信とエネルギーとなり、この勢いのまま挑んだライプツィヒとの準決勝は、3-0で完勝した。

■ワンチャンスを活かせるか

2020-08-20-psg-bayern(C)Getty Images

ライプツィヒ戦のような試合ができるなら、バイエルンを破る力は十分にあるだろう。

ふくらはぎを負傷していたヴェラッティも、ライプツィヒ戦の終盤86分から投入され、決勝戦での復帰は間違いない。アタランタ戦でハムストリングを負傷した正GKケイロール・ナバスについてはまだ微妙だが、ライプツィヒ戦では痛めた足首をガチガチにテーピングした状態で86分まで奮闘したムバッペも、さらに調子を上げてくるはずだ。

ネイマール、ムバッペ、アンヘル・ディ・マリアの破壊力、「バックライン4人+マルキーニョス」の高い機能性、そしてプレーメイカー、マルコ・ヴェラッティ。この要素だけをとっても、PSGには、ビッグイヤーを掲げるだけの力はある。また、アタランタ戦とライプツィヒ戦では、マンチェスター・ユナイテッド時代の2016-17シーズンにヨーロッパリーグを制覇するなどビッグマッチ慣れしているMFアンデル・エレーラのタフな仕事もチームを底支えしていた。

「これだけのメンバーがいてなぜ?」というずっこける試合はこれまで何度もあったから、確信は抱けないチームではある。ただ、ドルトムント戦で築かれた団結力、アタランタ戦で高まった自信、『CL優勝請負人』として迎えられたネイマールの期待通りの活躍。さらには一発勝負という変則ルールや、抽選にも恵まれてここまで到達した。このワンチャンスをPSGは活かせるか。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
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