tomiyasu(C)Getty Images

試合直後にCBコンビ復活…冨安健洋が吉田麻也の背番号22受け継ぎW杯へ「トミが日本代表を引っ張っていってくれる」

DF冨安健洋が日本代表のピッチに帰って来た。

日本代表は31日に東京都の国立競技場でキリンチャレンジカップ2026のアイスランド代表戦に臨んだ。今夏に北中米で開催されるFIFAワールドカップのメンバー入りを果たし、2年ぶりの代表復帰となった冨安は先発出場して1-0の無失点勝利に貢献した。

「60分以降はすこし(パフォーマンスが)落ちる感覚があった」と83分にベンチへ下がったが、「フルでやろうと思えばやれた」と確かな実力を披露した。

「ずっと練習もできていたので、そこの積み上げがあった」

2018年に19歳でA代表デビューを果たし、そこからサムライブルーの守備の要に成長。2021年にはプレミアリーグのアーセナルへ加入してビッグクラブの一員となった。

しかし度重なるケガに悩まされて、昨年夏に退団していた。日本代表への復帰についても「正直、そんなに意識していなかったというか、そこまで余裕がなかった」と口にするほどの過酷なリハビリを乗り越え、昨年12月にオランダのアヤックスへフリーで移籍。同クラブでは公式戦9試合に出場し、見事にW杯への切符をつかんだ。

日本代表のユニフォームを着て戦うのは2年ぶりで、サポーターからは盛大な拍手が送られた。ただ、当の本人は冷静だった。

「ケガ明けで15分間プレーしたアヤックスのデビュー戦のときもそうだったんですけど。もっと感情的になって、感傷に浸るものかと思っていましたが、試合なのでそんな暇もなかった。集中していつも通りに試合のことを考えていました」

「日本代表としてプレーする責任がありますし、思い出づくりに来ているわけではない。選手としてピッチに立っている以上はその責任がある。ピッチに立てない選手もいるなかで選んでもらっている」

冨安はスリーバックの右CBで先発出場すると、ヘディングや対人守備では相手FWに完勝し、背後へのボールに対しても持ち前のスピードで難なくカバーリングした。

また、サイドに開きながら攻撃にも参加すると、前半終了間際にはボックス内に侵入していってクロスボールをダイレクトで合わせるシュートを放った。コンパクトな振りから放たれた一撃は惜しくも相手選手にブロックされたが、「W杯で決められたらいい」とすぐさま切り替えた。

「攻撃のところで、(堂安)律やタケ(久保建英)をシンプルに使ったりしても良かった。彼らはクオリティのある選手だし、そういう選手たちをもっと気持ち良くプレーさせることができれば良かった」と課題もあったが、代表での長いブランクを感じさせないプレーをみせて、日本代表復帰戦を1-0の白星で飾った。

■背番号22の継承

「(日本代表の)強さは冨安です!強さは冨安!」

試合直後のミックスゾーンで発せられた声の主は前半14分までセンターバックでともにプレーしていたDF吉田麻也だ。二人は2018年11月16日のベネズエラ代表戦(1-1)で初めてコンビを組み、翌年のAFCアジアカップや2022年W杯のアジア最終予選でも、協力してゴールを守った。

吉田は当時から、冨安の“すごさ”に驚嘆していたという。

「僕はいままでずっと代表でやってきて、若い選手がどんどん入ってくるじゃないですか。そのなかで一回も感じたことはなかったんですけど、トミ(冨安)が19歳で代表に入って来たときに、初めて「あ、抜かれるな」と初めて思いましたし、やっぱり抜かれました」

「これが日本が成長する上で正しい道のりだし、トミがステップアップをしてビッグクラブでプレーしてくれたことは、次の選手たちへの扉が開いたと思うので、まだまだ頑張ってほしい」

先輩からの称賛を隣で聞いていた冨安は照れくさそうな笑みを浮かべる。

「麻也さんは、こういう引退試合をされるべき存在。僕は本当に若いときから、麻也さんにはいろいろと学ばせてもらったので、この場にいられて良かった。僕も2年やっていなくて、麻也さんも4年だけどいい意味で普通に、違和感なくやれた」

取材エリアで、あのころのCBコンビが復活した。

アイスランド代表戦をもって日本代表から離脱し、所属クラブのあるアメリカのロサンゼルスに帰るという吉田だが、その表情に未練はなさそうだった。

37歳の元キャプテンは「頼もしい!この体を見てください!」と冨安の肩をバシバシと叩きながら、同選手への信頼を口にする。その光景は、日本代表のピッチ上で何度も見てきたような懐かしさがある。

「トミがこれから22番を10年くらいつける予定だよな!」(吉田)

今月15日に行われたW杯メンバー発表直後。冨安は吉田に電話をかけ、吉田がこれまでつけてきた背番号である「22番をつけます」と想いを伝えていたという。吉田はその気持ちが何よりもうれしかったと目を細めた。

「トミが日本代表を引っ張っていってくれるでしょう」(吉田)

W杯に向けて、想いは継承された。日本の最終ラインは背番号22が守っていく。

取材・文=浅野凜太郎

広告

この物語を楽しんでいただけましたか?

GOAL.comをGoogleの優先情報源に追加して、より多くのレポートをご覧ください。

GOALをGoogleでフォロー