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jef united(C)Getty Images

試合後の“とんでもない空気”は吉兆?ジェフ千葉、「まだ俺らは死んでいないな」

千葉は長崎に先制するも、終了間際にクロスボールから失点して引き分けた。試合後のロッカールームは「とんでもない空気」になったという。チーム状況は厳しいように思えるが、キャプテンであるDF鈴木大輔の考えは違った。

■鈴木大輔が見た「行ける」雰囲気

今季よりJ1に復帰した千葉だが、思うように勝ち点を積み上げられていない。

5分にMF安井拓也の直接フリーキックで先制するも、後半アディショナルタイムに被弾して引き分けた長崎戦は、現状の写し鏡のようなゲームだった。小林慶行監督は「前半は決めるべきところというシーンを作り出せていたので、それを決め切れないことで最後にそのツケを払ったというゲームでした」と振り返る。

「こんなことでは勝ち点は積み上がっていかないし、“際”の部分での戦いについてはここ数試合ずっjと言っていますが、どちらに転ぶかわからないゲームをずっと落としているところがあって、まさにそれが出てしまったと感じています」

ゴールを決め切れない、守り切れないーー。

第6節のガンバ大阪戦で連敗を「5」でストップし、今季リーグ戦初勝利を挙げた。しかし同試合以降は2分1敗となっており、いずれもクロスボールから失点している。この日は後半にDF鈴木大輔キャプテンを投入して守り切りを図ったが、変わらぬ悪癖で失点を招いた。

試合終了間際には決定機もあったが、ボールは枠の外へ。その瞬間、総立ちで試合を見届けていたベンチメンバーも、思わずその場に倒れこんだ。

一部のサポーターからはブーイングも飛び、試合後のロッカールームは「とんでもない空気」になったという。イレブンはなかなか顔を上げられなかった。

一見すると、チーム状況は最悪だ。しかし鈴木大の考えは違った。

13日に千葉市内のユナイテッドパークで行われた公開練習にてキャプテンは「個人的にはあの雰囲気を見たときに『行けるな』と。まだ俺らは死んでいないなと思いました」と言い切った。

「『マジか…』というショッキングなゲームだったし、みんなも持てる気持ちを出し切って、ホームは何が何でも勝つ気でいたので、結果による喪失感があった」

「だけど、あの試合の後にすぐに切り替えて話しているようでは、僕はダメだと思うというか…そんな余裕もない。自分たちが気持ちを出し切ったからこそ、あの喪失感がある。それでもやらなきゃいけないし、その次がダメでも、まだやらないといけない」

死力を尽くして勝利を目指したからこそ「とんでもない空気」は生まれた。むしろ結果を淡々と受け入れ、簡単に前を向けるチームこそ“危ない”。

「気持ちを使い果たさないといけない。いまの自分たちの立ち位置や実力だと、毎試合心が擦り切れるくらいやらないとダメだと思います」

  • suzuki daisuke(C)Getty Images

    ■長崎戦をターニングポイントに

    とはいえ、どん底まで落ちたのならば、もう一度浮上しなければいけない。小林監督も「リバウンドメンタリティー」を求めるように、否が応でも次の試合に向かう。

    先月16日にJ1ヴィッセル神戸からの期限付き移籍で加入したDFンドカ・ボニフェイスは「シンプルだけど、本当にちょっとのことなんです」と唇をかむ。明治安田J1百年構想リーグのチャンピオンチームから、残留争いを戦う千葉へやって来たからこそ、感じる課題もあるという。

    「神戸では常に練習から厳しい要求がありました。例えば、相手と入れ替わるくらいなら、背後に出させて、走りあったほうがいいとか。最後のクリアの質や押し返し、誰がクロサーに対して出ていくのか、ちょっとでも詰めるとか、そういう細かいところが大事。強度の部分や寄せるスピード、ミスはミスでもやってはいけないものがある」

    千葉の選手たちも各々の最大値を出している。だが、優勝争いをするチームの視点でいえば、さまざまな局面でまだ足りないようだ。

    その上で、厳しい残留争いを勝ち抜くためには「できたこと」にも目を向けるべきだという。ンドカは「まだ29試合あるなかで戦い方をブラしてはいけない」と継続を呼びかけた。

    長崎相手に5連敗していた千葉が確かな積み上げを披露したことも事実。コンパクトな守備からすぐに相手を取り囲んで、マイボールの時間を増やした。

    2023年から2025年まで在籍した横浜FCで2度のJ2降格を経験したンドカが、この試合の価値を強調する。

    「これがJ1の残留争いということ。千葉はJ2から上がってきたなかで、こういうのは当たり前だと思う。ここで落ちるのではなく、戦い方を変えずに長崎戦を最低限の基準としてやっていきたい」

    「本当に勝ち点1を積むことが大事なんです。ここでネガティブにならないことが一番大事だと思います」

    千葉はこの日の引き分けで、最下位を脱出した。もがきながらだが、前へ進んでいる。

    「あの試合(長崎戦)がターニングポイントだったねといえるように、いまからなると思う」(鈴木大)

    取材・文=浅野凜太郎

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