FIFAワールドカップ2026決勝の開催地であるニュージャージー州は、決勝会場の芝販売を巡る収益配分について、FIFA側や大会運営側に異議を唱えている。
いよいよクライマックスを迎えたFIFAワールドカップ2026。残すは欧州王者スペインvs前回王者アルゼンチンの決勝戦のみに。運命の大一番は、現地時間19日にニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われる。
しかし、決勝戦が間近に迫る中でニュージャージー州がFIFA側に不満を訴えているようだ。『The Athletic』によると、今回の衝突は、FIFAがウェブサイト上でメットライフ・スタジアムのピッチ(芝)の一部を販売し始めたことで勃発したという。
FIFAは、ワールドカップ決勝が行われるスタジアムの芝の一部を450ドル(約7万3000円)で販売。記念グッズとして19日の決勝戦後に発送されるようだ。このグッズの企画はイギリスの「Keep Stub」社が製造しており、同社のウェブサイト上では900ドル、1200ドル、3000ドルの別バージョンも販売されているとのこと。4つの価格帯を合わせて2026個限定であり、完売すれば1120万ドル(約18億円)以上の収益が見込まれている。
しかし、この芝の販売にニュージャージー州が反発。公的機関であるニュージャージー・スポーツ・アンド・エクスポジション・オーソリティ(NJSEA)は、メットライフ・スタジアムの芝をFIFAの基準に適応させるために1304万ドル(約21億円)を支出している。したがって、ニュージャージー州側は芝の整備費用を州が全額負担したにもかかわらず、今回の販売による利益が州側に十分還元されないことに不満を示したようだ。シェリル州知事の広報担当者は、『The Athletic』に対して「知事が繰り返してきたように、メットライフ・スタジアムのピッチ(競技面)にかかる総額数100万ドルもの費用を負担してきた。そこから生じる利益は、州の納税負担者に還元されるべきだ」と述べたと伝えられている。
さらに、州議会予算委員会のメンバーであるマイク・インガナモート下院議員は、「これはニュージャージー州の納税者の負担によって育てられ、州の持つ施設に設置された芝生だ。その販売にあたっては、州の余剰資産売却を規定するあらゆる法律が遵守されなければならない。利益は納税者に還元されるべきだ。ワールドカップはニュージャージー州の納税者が支えてきたにも関わらず、FIFAは我々を軽視し続けている」と訴えている。
■FIFA側は反論
しかし『The Athletic』の取材によると、FIFAや共同開催都市委員会に近い関係者は、両者の間にピッチの芝生の一部(合計5ヤード)を販売する取り決めがすでにあったと主張。収益の大半は開催都市委員会が受け取り、その資金は同地域における委員会の継続的な投資に充てられるとのこと。FIFAはライセンス料として収益の一部を受け取るが、数%にとどまるという。
さらにFIFAの広報関係者は、同メディアの取材に対して「この芝生販売の取り組みは開催都市主導のものであり、誤って報じられているようなFIFAの収益源ではない。FIFAは知的財産の使用料として一部(数%)を受け取るが、大部分は共同開催都市委員会に帰属する。FIFAが1100万ドルの収益を得るという主張は、全くの事実無根だ」と主張している。



