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リトアニアを新天地に選んだ本田圭佑。現地での反応は?「なぜ来てくれたのかわからない」

ミランや日本代表で活躍した本田圭佑のスードゥヴァ・マリヤンポレ加入は、現地・リトアニア でも驚きを持って伝えられているようだ。

本田は9月14日、リトアニア1部のスードゥヴァに移籍することを発表した。これまでに名古屋グランパスやCSKAモスクワ、ミランなどを渡り歩いてきた本田にとって、リトアニアは9カ国目の挑戦となる。

本田の加入について、リトアニアではどのように報じられているのだろうか。コメンテーターを務めるパウリウス・ジャケリス氏が『Goal』の取材に応じた。

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「正直にいうと、彼がなぜここに来てくれたのかわからない。近年では(元リヴァプールの)ダビド・ヌゴグや(ナイジェリア代表の)オジェニ・オナジが、リトアニアでプレーした。けれど彼の加入は、今まで以上に多くの人を驚かせた」

「過去にはバルセロナでプレーしたパウリーニョもいた。しかし彼の場合は、無名な頃にここでプレーしており、今回とは状況が違う。ホンダはすでにサッカー界で有名な選手で、スーパースターであり、日本でも大きな影響力がある」

日本代表としての本田は、ワールドカップに3回出場し、史上6人目の3大会連続ゴール&アシストを達成。98試合37ゴールの輝かしい成績を残している。そんな彼が、なぜリトアニアを新天地に選んだのだろうか。

入団会見で本田は「お金のためにここに来たわけではないです。もうすぐシーズンが終わる段階だが、タイトルを目指して戦うことができる。そういう経験を新しい国でできることに興味を持ちました」と、移籍の理由を明かしている。

本田が所属するスードゥヴァは、Aリーグで首位。2試合消化が少ない2位のシャルギリスに、6ポイント差をつけている。

さらに9月26日に行われたデビュー戦で、早速ゴールを奪うなどすでにピッチ上で存在感を発揮。しかしジャケリス氏は、本田の加入がタイトルレースのターニングポイントとみなすことは間違っていると主張する。

「彼が契約したとき、リトアニアのメディアはこぞって報道した。彼のネームバリュー、ソーシャルメディアのフォロワー数を考えると、とても大きな契約だと思う。しかし、ピッチ上でのクオリティでいえば、それほど重要ではない」

「彼はもう若くないし、ベストではない。ビッグネームであることに間違いはないが、チームの中で重要な選手かといえば、そう思わない。彼はシーズン途中に加入したが、加入前からスードゥヴァは悪いチームではなかった」

一方で、本田の加入がピッチ外により大きな影響を与えるという意見もある。

バスケットボール大国であるリトアニアだが、本田の加入によりサッカーへの関心が高まる。それでもジャケリス氏は、本田が永続的なレガシー(遺産)を残すとは考えていない。

「全体的に見て、彼の加入はリトアニアサッカー界にとって、ポジティブなことだ。今のリーグはあまり人気がなく、観客数も少ない」

「しかしラメロ・ボールとリアンジェロ・ボールがリトアニアのバスケットボールチームに加入したときのように、本田の加入が何かを劇的に変えるとは思っていない」

「スードゥヴァにとっては、SNSのフォロワー数を伸ばすチャンスだ。本田にとっては、人生における経験を積むことができる。リトアニアは日本とは全く違う。素敵な人々やお洒落な街、素敵な建築物がある」

「世界のアスリートのなかで、リトアニアで生活することに問題があるのは、おそらくクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシだけだろう」

「本田は、ここで落ち着いた生活を送ることができる。彼は自由にリトアニアの都市を歩き回れるし、99%の人は彼を認識していない。勇気を出してサインや写真を求めてくるファンは、わずかだよ。日本や欧州では自由がなかったはずだ。でもここなら楽しむことができる」

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