元日本代表のアルベルト・ザッケローニ氏が、イタリアのサッカー情報サイト『Numero Diez』のインタビューに応じ、アジアサッカーについて持論を展開した。
今冬、ポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウドがサウジアラビアのアル・ナスルに移籍したほか、イタリアやスペインのスーパーカップも同国で開催。カタール・ワールドカップ(W杯)の熱気をそのままに、中東に注目が集まる。
そんな中、かつてUAE(アラブ首長国連邦)代表監督を務めた経験を持つザッケローニ氏は、中東におけるサッカーの成長の可能性について問われると、自身の見解を示した。
「サッカーはあらゆる場所で成長できる可能性を秘めている。中東では、ピッチも素晴らしいし、サッカーに対する情熱も持っている。ただ、すべてはモチベーション次第かもしれない。私は日本代表監督として4年間、アジアを経験し、アジアのことはそれなりにわかっているが、それぞれの国の文化の違いは大きいと言えるだろう。すべてのアジアのチームが成長を目標にしているわけではなく、現在のポジションに満足している場合もある」
■ザック氏が見たカタールW杯
カタールW杯では、FIFAの技術委員として現地で視察を行っていたザック氏。イタリア人指揮官は、アルゼンチン代表が制した大会の運営を絶賛した。
「W杯では最高の経験ができたよ。1つの街で開催されたため、スタジアム間の移動は20分ほどで1日に2試合観戦できた。移動は楽だし、(スタジアムの)気温も完璧だった。これほど素晴らしい環境は想像していなかったよ」
さらに元日本代表監督は、カタールW杯の分析を続けた。
「技術および戦術においては、“適応のW杯”になった。多くのチームは、相手の出方に適応してプレーし、ディフェンスラインや中盤の位置をかなり下げていた。このためスペースがなく、守備を崩すのは非常に難しかった」
「この結果、サイドを使ったプレーが多くなり、クロスからのシュートが見受けられた。フィジカル型のセンターフォワードの時代に回帰したようだ。好材料を1点挙げると、かつてないほどにチームがコンパクトにプレーしていたことだろう。特にヨーロッパがシーズン中とあり、フィジカルコンディションが素晴らしかった」
「それからカタールW杯は5人交代制の大会でもあった。これを最大限に生かしていたのが、(ルイ)ファン・ハールだ。アルゼンチン戦の試合終了間際の同点弾やセネガル戦のラスト30分でクオリティのある(メンフィス)デパイや(トゥーン)コープマイナースを投入して試合の流れを変えたことを思い出してほしい」
