リーグ戦8試合で6得点。川崎の快速ウィンガーFWマルシーニョが好調ぶりを見せつける3試合連続ゴールを決めた。
0-1で迎えた前半終了間際にMF脇坂泰斗がピッチ中央でボールを受けると、マルシーニョはすぐさまスタートを切った。あうんの呼吸で出された背後へのパスを絶妙なタッチでゴール前に運び、最後は右足アウトサイドでゴール右側に蹴りこんでネットを揺らした。
「相手のディフェンスラインが高いことは、自分たちも分かっていました。そこを突く練習をしてきたので、ヤス(脇坂)がボールを持ったときに、練習どおりに相手の背後へ抜ける動きをしました。トラップも上手くいって、ちょっと弾んだボールをうまく浮かしてゴールできました」
早くも昨季リーグ戦の得点数に並んだ。川崎の攻撃をけん引するブラジル人FWは日々のシュート練習の成果が出ていると胸を張った。
一瞬の隙を突いた美しい同点弾だった一方で、マルシーニョが得点できたことに驚いた。というのも、定位置の左ウィングで先発した背番号23は前半の途中で足を痛めていたからだ。ピッチ上に座り込んでしまう場面もあり、『負傷交代か?』と思った矢先のゴールだった。
マルシーニョは「ボールをキープしたときに、股関節のあたりを捻ったような感じでした。そのなかで、しっかりと前半はこのまま気合で乗り切って、ハーフタイムにドクターにチェックしてもらおう感覚でした。しっかりと治療したら大丈夫なものなので、治療に専念して、次に向かっていきたい」と68分までプレーしていたのだから恐れ入る。
そんな背番号23と同様に川崎もタフさを見せた。83分に勝ち越し弾を決められる苦しい展開だったが、試合終了の笛が鳴るまで果敢に攻め続けた。そしてアディショナルタイムの90+7分にDFペドロ・ホマーノがクロスボールをヘディングで沈めて意地の同点弾。試合内容を見れば勝ちたかったが、昨季のJ1王者相手に進化した姿を披露した一戦だった。
「自分たちが準備してきたものをグラウンドで出せたと思います。自分たちがボールを保持して、相手のスペースを突いていくことはできたと思う。難しい試合でしたが、最後までチームとして勝ちに向かってプレーできた。引き分けという結果でしたが、みんな素晴らしいサッカーをしたと思います」
足の痛みもなんのその。止まらないマルシーニョが川崎を引っ張る。
取材・文=浅野凜太郎



