岡山には重戦車がもう一両いた。その名はブラジル出身FWレオ・ガウショ。豪快なプレースタイルから元祖・重戦車として親しまれているFWルカオに代わって先発出場した背番号9は、身長187センチ・体重81キロの巨漢を生かして、パワフルな今季初得点を叩き込んだ。
「私の特徴は背後に抜けたりとか、精度の高いシュートを持っているところです。だけど、きょうのゴールシーンだけは、私もちょっとだけ重戦車だったと思っています」
今年4月にオペラリオ・フェロヴィアリオEC(ブラジル)から岡山に加入したレオ・ガウショは、明治安田J1百年構想リーグで4得点を決めていたが、今季はここまでベンチスタートとなっていた。それでも、これまで岡山がリーグ戦で一度も勝てていないフクアリでの千葉戦に先発すると、すぐさま結果を残してみせた。
31分に敵陣で待機していたストライカーは、味方選手から浮き球のパスを受けると、強じんな肉体を生かしてマイボールにした。身長184センチで、体重80キロの千葉DFダニエル・ホールに体をつかまれるも、力強い前進でその手を振りほどき、ゴール前へ一直線。相手をなぎ倒しながら進んで行くその様は、重戦車そのものだった。最後は右足一閃で、鋭いシュートを突き刺し、今季初得点に喜びを爆発させた。
「得点を取ったので、完璧なシュートだったと思います。競り勝ったときに相手がもう来ないようにしながら、できるだけボールを運んで早めにシュートを打ちました」
その後同点に追いつかれて、1-1で迎えた64分にルカオと交代したが、「(まだまだ)行ける、行ける。全然行けたと思います」と鼻息を荒くしていた。
岡山は試合終了間際にカウンターからルカオが運んで、ラストパスを受けたMF神谷優太がGKとの1対1を冷静に制して、劇的な勝利を収めた。
試合後には、サポートとともに恒例のスクワットチャントで歓喜した背番号9は、「遠いところにも関わらず、サポーターがここまで足を運んでくれて感謝しかない。サポーターの前でチャントを歌ってもらって、心からうれしかった」と白い歯をみせた。
取材・文=浅野凜太郎



