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SUPHANAT(C)Getty Images

タイの神童スファナット・ムエアンタが大宮を救う2試合連続ゴール「すべてを捧げる」アジア杯も見据える24歳

微笑みの国のアタッカーが、感情を爆発させた。

今季よりブリーラム・ユナイテッド(タイ)から大宮に完全移籍で加入したタイ代表MFスファナット・ムエアンタは、0-2で迎えた60分に左サイドで出番が到来。リーグ戦では4試合連続途中出場となったなか「チャンスをもらったら、すべてを捧げる」と、一心不乱にゴールを目指した。

直近の公式戦となった天皇杯2回戦のヴァンラーレ八戸戦(2-0)でもゴールを奪っている背番号21は、左サイドで果敢な仕掛けを披露。大宮は74分にPK弾で1点差に迫ると、83分には相手に退場者が出て数的有利に。スファナットは前線で自由に動いて、10人で守る湘南をかき乱しながら、虎視眈々と同点弾を狙っていた。

「ただの試合ではなく、決勝戰のように何かがかかっている試合というイメージだった」

強い気持ちが結果にあらわれた。スファナットは90+1分にDF加藤聖からの横パスをボックス内左で受けると、「体が勝手に反応した」とトラップしてから強烈な左足シュート。相手に当たったボールをGKは弾き切れず、そのままネットに突き刺さった。

「とてもうれしいです。結果を見たときに、負けで終わらなかったことが非常に進歩したと思います」

チャンスをものにしたスファナットは歓喜する仲間たちに囲まれながら雄叫びをあげた。試合はそのまま2-2で終了し、J2首位を走る大宮の無敗はキープされた。

タイ1部リーグで最年少デビュー(15歳8カ月22日)と最年少ゴールを記録し、タイの神童と呼ばれる24歳は「ものすごくインテンシティが高いというのが、Jリーグの印象です。トレーニングから、みんながハードワークする。そのなかで自分の良さを出さないといけないし、もっと順応していかないといけない」と謙虚な姿勢だが、早くも実力を証明し始めている。

16歳10カ月3日でのタイ代表史上最年少A代表デビューといった華々しい経歴を持つ同選手には、今年1月にサウジアラビアで開催されるAFCアジアカップ2027への出場も期待される。実現すればタイ代表とグループFで同組の日本代表にとっても、警戒するべき存在だ。

しかし当の本人は「うーん、難しい質問だね」と、アジアカップの話題には照れ笑いを浮かべながら、自身の現在地を語った。

「もしもチャンスがあって、(代表から)声をかけてもらえれば、プレーしたい気持ちはあります。でも、いまの段階では分からないし、デリケートな話だと思う。それでも、タイ代表の監督やコーチ陣は、僕の良さとか人間性を理解してくれていると思う。自分はサッカー選手としてフィットしていくところや、出場機会を増やすために毎日の努力を、これからもやっていきたいです」

どこまでも謙虚で、逆に末恐ろしい。数カ月後には、この若者が日本のサッカーファンから笑顔を奪う存在になっているかもしれない。

取材・文=浅野凜太郎

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