1点リードして迎えた57分に、浦和FW小森飛絢はキャリア初の古巣戦のピッチに立った。
「本当に楽しみにしていた一戦ですし、自分を育ててくれたクラブなので感謝の気持ちを持ってプレーしました。すごくいろいろな想いがあった試合でした」
2023年に新潟医療福祉大から千葉に加入し、プロキャリアをスタートさせた。同年にJ2リーグベストイレブンに選出されてブレイクすると、翌年は背番号10としてチームをけん引し、23得点を奪ってJ2得点王に輝いた。その後、海外挑戦を経て、昨季より浦和に加入した。
この日、浦和の田中達也監督から「サブじゃなくて、チェンジャーだ」と言葉をもらった小森は、途中出場から挙げたゴールの瞬間に思わず感情を爆発させた。
浦和は64分に敵陣深くでボールを奪い、ボックス前にいた小森へパスが渡った。背番号17はそのまま左足を振り抜き、相手GKが一歩も動けない弾丸シュートをネットに突き刺した。
「前節の(川崎)フロンターレ戦と似たようなシチュエーションだったので、思い切って(足を)振った結果が、ゴールにつながって良かったです」
2試合連続弾を決めたストライカーは電光掲示板へ飛び乗り、両手を大きく広げてみせた。小森は古巣に対してパフォーマンスを行った真意を明かす。
「試合前は決めても喜ばないつもりだったんですけど、決めた瞬間に頭が真っ白になってしまって、体が勝手に動いちゃいました」
2得点目を決めて突き放した浦和は、堅い守りで千葉を寄せ付けず。決定機を作らせない見事な試合運びで勝利し、今季初の2連勝を飾った。
試合後、千葉の元チームメイトたちからは「あんなに喜んじゃダメでしょ」と、ゴールパフォーマンスについて冗談交じりに苦言を呈されたという。また、試合後の挨拶でも千葉のサポーターからブーイングが浴びせられた。
「やっちゃったなと…、申し訳ない気持ちです」
だが、そんな背番号17に対して『気にするな!』と言わんばかり、浦和のサポーターからは大声援の“小森コール”。ストライカーは「びっくりしました。うれしかったです」と白い歯を見せた。
「もっとゴールを取りたいです」
目指すは3戦連発&3連勝。たとえどんな相手でも、小森は浦和を勝たせるためなら足を振り抜く。
取材・文=浅野凜太郎





