「モウリーニョはもう終わった監督だろ? あいつは過去の栄光の前にバスを停めてるんだ」
「エンバペもヴィニシウスもいい加減にしろよ」
「またストレスの溜まる日々の始まりだ。バルサを見ろ、ガキどもが笑いながらパス繋いでるぞ。クソッ……」
レアル・マドリーの試合が終わった後、スペイン首都のバルは不満や自虐の言葉であふれ返っていた。「自分たちこそ世界最高」を自負するマドリディスタにとって、耐えがたい日々は、今季も続いていた。
そうした空気は、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでも同じことだ。13年ぶりにマドリー帰還を果たしたジョゼ・モウリーニョは、歓迎も拒絶もされることなくスタジアムのベンチに再び腰を下ろし、その周囲の予想通りチームに劇的な変化をもたらしていなかった。ゴール裏の応援団席が「ホセ(スペイン語読み)・モウリーニョ!」のチャントを歌っても、ほかのスタンドはなかなか同調せず。3季連続の無冠という悪夢に怯える観客たちは、チームが不安定なプレーを見せるたび、ブーイングの指笛をベルナベウに響かせていた。
だがアトレティコ・デ・マドリーとのダービーに敗戦した後、10月中旬になって風向きが変わり始めた。モウリーニョは今季ここまでの成功と失敗を糧にチームの最適解を見つけていき、クラシコの勝利で評価を反転させてみせたのだった。またも無冠へ突き進んでいると思われたマドリーは、今や希望を感じさせる集団へ変貌を遂げている。



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