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Man City Liverpool 1:1Getty/GOAL

「プレミア史上最大の悪役」マン・Cを待つ“熱烈な歓迎”:アンフィールドの怒りは「過酷な一日」の最初に過ぎない

Mark Doyle
翻訳者:
  • リヴァプールの地元出身で、このクラブでチャンピオンズリーグ制覇やプレミアリーグ2度優勝を経験したトレント・アレクサンダー=アーノルドは以前、リヴァプールでのタイトルは「マンチェスター・シティが積み上げたものより価値がある」と示唆した。これに対し、当然、シティの選手たちは反応。アーリング・ハーランドは『スカイスポーツ』でこう語った。

    「彼ら(リヴァプール)は好きなだけ話せばいいよ。彼(アレクサンダー=アーノルド)も好きなだけ話せばいい……。自分は気にしないけど、なぜあんなことをするのか分からないね」

    だが、今となっては、アレクサンダー=アーノルドの主張を理解する人は多いだろう。プレミアリーグの財務規則に関して100件を超える容疑が有罪認定された後、シティのタイトルは意味を失った。たとえそれが違反に該当する期間を過ぎた後でも、もう世間の見方は変わらない。一方で、そうした“不正”を行っていたクラブと対等に渡り合ってきたリヴァプールは、よりその価値が高まっている。

    そんな両チームは、プレミアリーグ第6節で直接対決を迎える。リヴァプール本拠地アンフィールドがどう反応するのか、想像に難くない。マンチェスター・ユナイテッドOBギャリー・ネヴィル氏は先週、『The Overlap』で「イングランドのフットボール界がこの事件にどれほど怒っているのかは、アンフィールドが教えてくれる。信じられないような光景を見るかもしれない。バナーは出るし、チャントも発生する。残酷な一日になるだろう」と予想した。それは当然だ。有罪認定後最初の試合で、シティは容赦なく思い知らされるだろう。

  • 「メダルはゴミ箱行き」

    England v Czechia - UEFA Nations League 2026/27 Group A3 MD4
    Getty Images Sport

    独立委員会の有罪認定に対し、シティが上訴しているのは事実だ。2009年から2018年にかけて、複数の商業パートナーといくつもの“偽造契約”を利用し、収益を総額8億3000万ポンド(約1718億円)水増ししていたことについて、シティは未だ潔白を主張している。おそらく、この異議申し立てで自らの潔白を示す「反論の余地のない証拠」を提示するのだろう。それは誰にもわからないが。

    そして、シティに対する制裁もわかっていない。これほど前例のない規模の“不正”であるにもかかわらず、軽い処分に終わる可能性も指摘されている。とりわけ、英国のアンディ・バーナム首相が、シティ・フットボール・グループがクラブオーナーでなくなることを「懸念する」と公に述べた後ではなおさらだ。グレーター・マンチェスターの前市長は、「彼らは現代のマンチェスター建設において非常に大きなパートナーであり、そしてもちろん、マンチェスター・シティを現在のような世界的勢力へと築き上げるうえでもそうだった」と語っているのだ。

    バーナムがいわゆる「スポーツウォッシング」を曲解し、その手法と目的を真に理解しようとしないのは、否定しようもなく憂慮すべきものだ。しかし、UAE(アラブ首長国連邦)が今も英国に投じ続けている莫大な資金が、シティを厳しい制裁から救う可能性は低いだろう。ごまかしの度合いは深すぎ、世論の反発はあまりにも激しい。処罰は、ただただ罪に見合うものでなければならない。

    そして、シティというクラブについた傷は、すでに修復不可能と言っていい。タイトルが剥奪されるかはまだわからないが、もうそのタイトルの意味は失っている。それは2009年から2018年に獲得したものだけではない。その間に成し遂げたことは何であれ、ルールを、しかも繰り返し破ることで築かれた土台なしには不可能だったはずだ。

    ユナイテッドOBロイ・キーン氏は、『ITV Sport』で「元選手たちが、『ピッチ上で勝っち取った』とばかげたことを言っているが、それは不正だ。もし自分が(シティの)選手なら、そのメダルは100%ごみ箱に捨てる」と断言した。これが、今のシティの見られ方なのだ。

  • 「欺瞞の時代」

    Tottenham Hotspur v Chelsea FC - Premier League
    Getty Images Sport


    そもそも、シティが違法な手段によって成功の土台を築いていなければ、2022年にハーランドを獲得できたはずがない。グアルディオラでさえ、シティは「長い歴史と多くのタイトルを持つチームではなかった」と認めていた。彼らの引力は純粋に財政的なものであり、そして元リーズ指揮官ジェシー・マーシュが指摘したように、「誰もが」その金がどこから来ているのか知っていたのだ。

    「(2022年夏の移籍市場で)利益が出たと言っていたのは、我々とマンチェスター・シティだけだった。我々は実際に利益を出した。ラフィーニャを売り、カルヴァン・フィリップスも売った。補強に使った額よりかなり多くが残っていたよ」

    「あの時、我々は財政的に貯蓄をしないという選択ができる状況ではなかった。オーナーに潤沢な資金力はなかったからね。一方で、マンチェスター・シティが(利益を出したと)言った時、私は文字通り『本気なのか? 何かの冗談なのか?』という感じだった。彼らがアーリング・ハーランドを5200万ポンドで獲得したと発表した時には、『ああ、はいはい、そうですか!』という感じだったね」

    そしてリヴァプールも、長らくシティの収益源に懐疑的だった。さかのぼること2011年7月、シティがエティハド航空との4億ポンドのスポンサー契約を発表した際、リヴァプールを保有するフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)の創設者ジョン・ヘンリーは、『X』で「負けた入札額はいくらだったんだ?」と皮肉っている。

    あの契約の規模は筋が通らなかった。しかし、何ひとつ筋が通っていなかったのだ。いつだって“偽造”だった。すべてが偽物だった。だが、その結果は現実のものであり、あまりにも多くの人々に壊滅的な打撃を与えた。元トッテナム指揮官であり、財務規則違反の時期に彼らと激しく争ったマウリシオ・ポチェッティーノ監督はこう語っている。

    「(財務規則違反は)多大な損害をもたらした。ルールに従ったクラブもあれば、そうでないクラブもあった。だからこそ、非常に大きな悲しみがある。称賛されていたものが実は本物ではなく、良く見えたものが実は良くなかったかもしれず、良く見えなかったものが実は良かったのかもしれないのに……起きたことのせいで良いものにはなれなかった、そんな状況に私たちは入り込んでしまった」

    「サウサンプトンにいた時、そしてトッテナムにいた時のことを思い出す。(トッテナム・ホットスパー・スタジアムを)建設し、18カ月の間は移籍に使える経済的余裕がなかったことを覚えている。我々は、スポーツにおける公平性が存在しないものを経験した……。欺瞞の時代を生きてきたんだ」

  • 「悪役」

    Manchester City v Liverpool FC - Premier League
    Getty Images Sport

    プレミアリーグがこの問題にどう対応するつもりなのかは、まだわからない。“偽造”とそれを否認するあまりに不快な態度を見れば、リーグからの除名も現実的な可能性に映る。しかし、どれほど遡及的な措置を講じたとしても、奪われたものを取り戻すことはできない。少なくとも感情的な観点ではそうである。

    リヴァプール前指揮官ユルゲン・クロップはかつて、もしシティがルール違反を犯していたと認定されたなら、自らビールを用意し、自宅の庭でパレードを開くつもりだと冗談を飛ばしていた。シティに2度にわたって勝ち点1差でタイトルを逃したからこそ、こう語ったのだろう。だが、ドイツ代表監督就任後は「もうそんな気分ではない」と明かしている。

    そしてその理由を最も的確に言い表したのは、おそらくジェイミー・キャラガーだ。リヴァプールのレジェンドは『スカイスポーツ』でこう語る。

    「私は幸運にも、いくつかのメダルを勝ち取ることができた。何年も経ってからメダルを見返すことはない。でも、ある瞬間のことは思い出すし、胃のあたりに感覚がよみがえる。大きな試合で主審が最後の笛を吹いた瞬間を覚えているんだ。だがあの選手たちは、その感覚を決して味わえない。そしてそれは、マンチェスター・シティに奪われたんだ」

    しかも、それはリヴァプールだけの話ではない。マンチェスター・ユナイテッドは2009年から2018年の期間だけでも、シティによって2つのタイトルを逃し、ほかにも複数のクラブがチャンピオンズリーグ出場権を逸した。一方で、もしシティの違反がもっと早く明るみに出ていれば、降格しなかったはずのクラブもあった。“不正”の期間があまりにも長過ぎて、あらゆる「タラレバ」が想像できてしまう。それほど事件は巨大で深刻なものなのだ。

    そうした“不正”が明るみになった後、初の試合がアンフィールドで行われるのは、なんとも示唆的である。アーセナルOBイアン・ライト氏は、『ITV Sport』でこう語る。

    「(シティが4連覇を成し遂げた時代で)彼らを追いかけていたのはリヴァプールだった。クロップがあのチームを相手にどんな経験をしたか、そしてあのシティを倒し、打ち破ろうとして、クロップ自身が何をくぐり抜けたかを見ればいい。そして結局のところ、おそらく彼はそのせいで壊されてしまった。それも不正な、違法なやり方でだ。本当に悲しいことだ」

    世界中のフットボールはシティの行いに落胆し、失望し、同時に猛烈な怒りを覚えている。プレミアリーグという、世界最候峰のリーグ戦を無意味なものにし、冒涜し、そしてそれを未だに認めていないからだ。イングランドサッカー史上最大の「悪役」によって、数え切れないほど多くの、かけがえのない魔法のような瞬間が奪われてきた。その“不正”チームに対してサポーターが感情をぶつける最初の場が、日曜日のアンフィールドになるのだ。

    はっきり言っておこう。シティにとっては本当に過酷な一日になる。そして、それは数多く訪れるうちの最初の一日にすぎない。