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Cristiano Ronaldo Portugal retirement GFX 1:1GOAL

クリスティアーノ・ロナウドとポルトガル代表の23年間:欧州史上最高の功績、そして品位を欠いた別れ

Mark Doyle
翻訳者:
  • 2026年11月5日、クリスティアーノ・ロナウドはその偉大なポルトガル代表キャリアに幕を下ろした。

    「2003年8月に始まり、僕の人生を永遠に変えた旅は、終わりを迎えた」

    やはり、その旅が悲しい形で終わることになったのは残念でならない。10月のデンマーク代表戦前、偉大なキャプテンは、ジョルジェ・ジェズス監督と激しく対立して代表チームから離脱。その後のあまりに長い声明でも、指揮官の決断・振る舞いを非難している。そのため、厳密には今もポルトガルサッカー連盟(FPF)による30日間の出場停止処分中にある状況だ。

    それでもポルトガルサッカー連盟(FPF)は、代表歴代最多出場・得点を誇る41歳FWを不名誉な形で送り出すつもりはない。「クリスティアーノ・ロナウドの偉大なキャリアにふさわしい称賛の場を設けるため、企画、計画、参加し、積極的に協力したいと強く願っている。ファンと国民が、私たちに多くのものを与えてくれた選手に、もう一度拍手を送り、たたえられる場にしたい」と発表。引退試合の開催を強く匂わせている。

    C・ロナウドという選手について、人それぞれ抱く感情は違うかもしれない。しかし、彼が母国で盛大に送り出されることは、彼が受けるべき最低限の敬意であるはずだ。これほど代表チームに貢献したサッカー選手は、過去にも類を見ないのだから。

  • ヨーロッパ史上最高の選手

    FBL-EUR2004-POR-NED
    AFP

    ポルトガルはこれまで、エウゼビオからパウロ・フットレなど、世界的な名選手を輩出してきた長く誇らしい歴史がある。彼らが最も成功を収めた「黄金世代」では、ルイ・コスタとルイス・フィーゴという2人のレジェンドも生み出している。

    しかし、この細身で俊足のウインガーの登場は、これまでのレジェンドとは違う何かを持っていた。それは天賦の才というよりも、飽くなき勝利への意欲を原動力に、完璧を追い求め続ける姿勢にあったのだ。C・ロナウドの代表デビューを隣で見届けているルイ・コスタは、かつて『トゥットスポルト』でこう語っている。

    「彼ほど勝利に飢えた選手を見たことがないよ。2004年のEUROでクリスティアーノと一緒にプレーした時、彼はまだ子どもだった。だが、私たちは皆、その時から彼がバロンドールを受賞すると分かっていたよ」

    C・ロナウドの並外れた向上心は、彼自身をサッカー界の頂点へと押し上げただけではない。ポルトガル代表をチームごと高みに引き揚げた。彼が現れるまで、同代表の主要国際大会での最高成績は1966年ワールドカップの3位。しかし代表デビューから数カ月後、C・ロナウドはポルトガルをEURO2004の決勝進出に導き、躍動感あふれるプレーによってわずか19歳で大会ベストイレブンに選ばれた。その2年後には、ドイツで開催されたワールドカップでの準決勝進出の立役者にもなっている。

    確かに、ワールドカップの舞台ではあまり活躍できなかったかもしれない。2014年大会のプレーオフ(スウェーデン戦)、2018年ロシア大会のスペイン戦ではハットトリックを達成し、ワールドカップ6大会で得点した唯一の男子選手でもある。しかし、ノックアウトステージではわずか1得点(それもPK)。彼の輝かしいキャリアからすれば、物足りない結果に終わってしまっている。

    それでも、彼は疑いようもなくヨーロッパ史上最高の選手である。EUROでの活躍を見れば一目瞭然だ。それだけは確かである。

  • 夢の瞬間

    Portugal v France - Final: UEFA Euro 2016
    Getty Images Sport

    最後の出場となったEURO2024は散々な結果に終わったかもしれない。それでも、彼は本大会での最多得点(14)と最多アシスト(7)記録を塗り替えている。そして何よりも、2016年大会は彼のキャリアにおける1つのハイライトだ。

    はっきり言えば、フランスで開催されたこの大会で、ポルトガルが優勝候補に見えたことは一度もない。実際、グループステージは幸運な形で3位になんとか滑り込んでいる。そしてチームをノックアウトステージへ連れて行ったのは、C・ロナウドに他ならない。敗退の可能性もあったグループステージ最終戦、ハンガリー相手に彼が2度に渡って同点に導くゴールを挙げている。最終的に3-3で終えたが、彼無しでこの結果はありえなかった。

    ポルトガルはクロアチア戦、ポーランド戦でも期待されたほどの内容は見せていない。それでも準決勝ウェールズ戦、C・ロナウドのヘッドが決勝へと導いている。だからこそ開催国フランスとの決勝戦、開始25分でC・ロナウドが負傷交代を余儀なくされた後、試合を諦めてしまったファンも多かったはずだ。

    しかし、C・ロナウドはピッチにいなくてもその強烈な勝利への渇望が消えることはない。文字通り監督さながらにサイドラインからチームメイトに指示を出し、熱く鼓舞し、絶対に勝負を諦めなかった。そうした彼の強烈なメンタリティがチームを支え、エデルの劇的な決勝弾を導いている。試合後、感極まった彼の言葉から、どれほどの思いを抱えていたか、どれほど代表チームでのタイトルを望んでいたかは明らかだ。

    「これは僕にとって本当に特別な瞬間なんだ。ずっと待ち望んでいたよ。忘れられない瞬間だ」

  • レガシー

    Portugal v Wales - UEFA Nations League 2026/27 Group A4 MD1
    Getty Images Sport

    クラブキャリアですべてを成し遂げ、欧州最高峰の大会で「ミスター・チャンピオンズリーグ」の異名を取る彼でさえ、ポルトガル代表でタイトルを獲得することこそが究極の偉業だった。だからこそ、酷評されることの多いネーションズリーグでの優勝も、C・ロナウドにとっては大きな意味を持つものだった。

    「クラブでは多くのタイトルを獲得してきたけど、ポルトガルのためにトロフィーを掲げることに勝るものはない。だから涙が出るんだ。務めを果たした、ということだからね」

    もどかしいのは、スペインとのPK戦を制したあの2度目の優勝(2024-25シーズン)の時こそ、C・ロナウドがその偉大な代表キャリアに終止符を打つ絶好の機会だったということだ。2022年のワールドカップ以降、最高峰の舞台ではもはや通用しないことは明らかで、今夏のワールドカップでの失望も痛々しいほど予想できていた。その結果として、去り際は彼のレガシーとは正反対に品位を欠いてしまっている。彼の主張通り、もちろん彼は世界中からリスペクトされるべきだが、チームを指揮するのは監督の仕事である。その決断に選手が反抗して身勝手な振る舞いをしてしまえば、チームが崩壊するのは明らかだ。サッカーにおいて、チームより大きな個人はいない。

    正直に言って、レジェンドの去り際としてはふさわしいものではない。それでも、彼の23年間に渡る功績は揺るがない。母国を世界で最も注目を集める国の1つに変えられる選手など、歴史を見渡してもそういないのだ。C・ロナウドという存在は、確かに消えることのない足跡をサッカー界に残している。

    サッカー史における彼の地位は、今後も揺るがない。その歩みは本人が望んだ形では終わらなかったかもしれない。しかし、スポーツにおいて不可能がないことを23年間にも渡って証明した男の存在は、永遠に忘れられることはないだろう。