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ayase ueda 1-1(C)Shoko Kitayama

なぜ上田綺世はゴールを量産できるのか?世界が警戒する“死角の支配者”の凄みをスペイン紙副編集長が分析【現地発】

ハビ・シジェス (Javi Silles)/スペイン紙『as』試合分析担当、江間慎一郎/Shinichiro Ema、Ryo Mika
  • ゴールへの渇望

    上田綺世を突き動かす力は、ゴールへの渇望だ。私が上田を追いかけ始めたのはここ最近のことだが、キャリアを通してずっとそうだったに違いない。だからこそ彼は、今なお成長を続けており、そのプレーはどんどん研ぎ澄まされている。28歳という年齢は関係ない。指数関数的に伸びていく記録が、そのことを物語っている。

    あくまでフットボールのエリート界という枠組みの中での話だが、上田の能力は天性のものではなかったはずだ。だがしかし、彼はたゆまぬ努力によってその得点力を培っていった。「絶えず進化を果たしている」は、まさにこの日本人FWのためにある言葉だ。おそらく、上田に打ち破れない壁などは存在しない。

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  • アーセナル戦のプレー

    ayase ueda
    (C)Taisei Iwamoto

    上田のプレーを分析すると、その成長を確かに感じられ、今後のさらなる活躍が楽しみになる。

    今回の記事の論旨は、アーセナル対リールにおけるプレー分析だった。確かに、上田がその実力を世界中に見せつける絶好の機会ではあったが、結果的には大きな爪痕を残すには至っていない。それでも、前向きに捉えられる点はあった。

    前半の上田は右サイドへの抜け出しや後方に下がる動きによって、ビルドアップの出口となる役割をうまくこなしていた。またオフサイドの判定に泣いたゴールシーンでも、そのシュート技術が光っている。アーセナルはガブリエウ・マガリャンイスが上田をマークし、至近距離で圧力をかけ続けたが、ミケル・アルテタがどれだけ彼を警戒していたかがうかがえた。

    後半はリールにとって難しい展開に。アーセナルの戦術的優位性を前に自陣に押し込まれ、上田も流れを変えることはできなかった。0-3とされた後には、見事なワン・ツーからシュートまで持ち込んだが、そのプレーがケガにつながってしまった(早期復帰を願うが……)。今回、上田が大きな存在感を示せなかったのは、彼自身の問題というより両チームの力量差がそのまま表れたからにほかならない。

  • 真のゴール探究者

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    (C)Getty Images

    アーセナル戦から遡って、日本代表の上田は確かな輝きを放っていた。ウルグアイ戦、ベネズエラ戦、ニュージーランド戦で挙げた計4ゴールは彼の影響力の大きさを示している。日本は、こんなにも信頼の置けるストライカーを久しく欠いていた。

    上田は日本代表で22得点を決めているが、重大な負傷でもない限り、歴代得点ランクのトップ5に入らなくてはいけない。1位に君臨する釜本邦茂(75点)の記録はやや遠いとしても、2位の三浦知良(55点)、3位の岡崎慎司(50点)を超えるのは現実的な目標だろう。

    それというのも、今の上田はまさに覚醒を遂げた選手だからだ。今の彼のプレーを見ていて、欠点や世界との壁を見つけようとするのはもったいない。それよりも、その果てしない伸び代を埋めていく様に夢中になるべきだろう。

    私は2025年10月にも『GOAL JAPAN』に上田の分析記事を寄稿した(そのときは彼のプレーがセルヒオ・アグエロを彷彿とさせると記した)。それから1年を経た彼は……驚くべきことに、さらなる進化を遂げていた。ピッチに立つ上田からは、相手のマークを外すために何をすべきか、いかにして違いを生み出すかを日々研究していることが透けて見える。フットボールファンにとって、こんな選手を発見できるのは、幸運としか言いようがない。

    自分という選手(人間)の完成を認めることなく、さらに大きくなろうとする意志は、まさに知性の証だ。それは多くの選手が疎かにして、多くの評論家が見落としている美徳……上田は確固たる意志を持って、皆の逆を、流れの逆を突き進んでいる。所属クラブ、出場数、ゴール数などがまとめられた表を見て、「選手の格」を決めつける行為は、なんと身勝手で愚かしいことか……。上田はそんなことを教えてくれる、真のゴール探究者だ。

  • 象徴する能力

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    (C)Getty Images

    上田というストライカーを象徴する能力、それは「選択の正しさ」だ。各瞬間に正確な判断を下せる9番は、トップレベルを見渡してもそうはいない。

    ニアポストに走り込むように見せかけて相手DFを欺き、その後ファーへ向かう動きは彼の十八番と言える。またマーカーに捕捉されない位置で好機をうかがい、後方から飛び出す動きも巧みかつ効果的だ。そしてこの後者のプレーが、今の上田の真骨頂と言える。セカンドボールへの反応、センターバック間のスペースを突く動き、センターバックの背後に回り込んでサイドバックのカバーも許さない動き……彼は相手DF陣が最も無防備になる場所を心得ている。言うなれば、“死角の支配者”だ。

    加えて上田は、スペースへの抜け出しやサイドへ流れる動きなど、速攻におけるプレーでも異彩を放つ。足が速いタイプではないが、その後に起こることを先読みしてパスを引き出し、相手陣地で深みを取ることができる。伊東純也は、彼のそういった能力を称賛しているに違いない。

    そして最大の長所は、やはりその決定力だ。リールを率いるダビデ・アンチェロッティと彼のコーチングスタッフは、上田のボールインパクトの素晴らしさ、フィニッシュのバリエーションの多さを称賛してやまない。彼は両足でシュートを打て、182センチという身長ながら空中戦も悪くない。手早くフィニッシュまで持ち込むことにもこだわり、1~2タッチでネットを揺らすことを常に狙っている。ゴール前に位置する上田は不必要に考えず、最善となるプレーをすぐに見出すことができ、プレーを実行する技術も折り紙つきだ。

  • さらなる高みへ

    Ayase Ueda
    Getty Images

    「うお!」「マジかよ……」「すげえな」。リールの練習で、上田が見せるプレーは監督、コーチ陣、チームメートに感嘆の声を上げさせている。このクラブにとって上田はまさに鳴り物入りの補強選手であり、チームの得点数を大きく引き上げる存在と期待を寄せている。それも当然だろう。今や彼はアーセナルなどの強豪含めて、すべての対戦相手から一目置かれ、警戒される存在なのだから。

    そして、将来への投資という観点からすれば決して若くはない年齢ながらも、プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガのクラブは彼を補強リストの上位に置いている。「アヤセ・ウエダ」はすでに、強豪クラブのスポーツディレクターが頻繁に口にする名前になっているのだ。

    上田が手にした名声は、偶然や奇跡の産物ではない。それは彼自身が努力と実力で勝ち取った正当な評価だ。

    もう一つ言えば、日本人選手の中には大舞台や強豪リーグで萎縮してしまう選手もいるが、上田はむしろ困難な状況下でこそ本来の力を発揮している。日本代表でも、彼は重責を担っているが、そのプレッシャーに押し潰されるような素振りは一切見えない。

    日本代表での活躍ぶりは、上田がさらなる高みへ到達する準備をすでに終えていることの証明かもしれない。点を取るという、あまりにシンプルな評価基準が存在するポジションで彼は結果を残してきた。それは嘘偽りのない、胸を張るべき努力と研鑽に由来する。上田が何かに怯む必要など決してない。どうか、このまま突き抜けていってほしい。

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