一方でエリオットも、近年は残念な状況が続いてしまっている。
昨夏にリヴァプールから完全移籍前提に見えたレンタルでアストン・ヴィラに加入した時、全関係者にとって有益な取引に思われた。しかし、結果はその逆だ。とりわけエリオット本人にとってはそうだろう。前SD(スポーツダイレクター)モンチが獲得したこの選手をウナイ・エメリ監督は評価していない。
エメリ監督は彼の努力やプロ意識を非難することはなかったが、クラブとして3500万ポンドの価値があるとは考えなかった。ヴィラでプレミアリーグ10試合に出場すると買い取り義務が発動するという特殊な条項を考慮し、わずか4試合でしか起用しなかったのだ。
これはまったくの茶番であり、ヴィラ側の対応も呆れるものである。エメリ監督も「彼が気の毒だ」と認めている。だがその“気の毒”のせいで、エリオットはU-21 EUROを制して迎えた1シーズンを完全に棒に振ってしまった。
だからこそ、今夏の決断はエリオットにとってより重要だった。フラムで当時のプレミアリーグ史上最年少出場記録を更新してから7年、23歳となった彼はもう「若手有望株」ではない。「1人前の選手」として安定した出場機会を掴む必要があった。しかし、またも決断を間違えてしまったと言わざるを得ない状況だ。
移籍期限最終日にバレンシアへ加入して以来、エリオットはラ・リーガの6試合に出場したが、先発は一度もない。さらに状況が悪化したのは、10月21日のビジャレアル戦。途中出場してからわずか19分後に退場処分を受けた。それも立て続けの異議による警告での退場だ。バレンシアは1-2で敗戦。前月に就任したばかりのハビエル・アギーレが激怒するのも無理はない。
「審判に何と言ったのか分からない。彼はスペイン語をほとんど話せないのだからね。だから発言を理由に退場になったことには腹が立つ。不条理でばかげた退場処分だ。本人にもそう伝えたよ」
この退場によって、エリオットは先週末のエルチェ戦で出場停止となった。そして、19位に沈んでいるチームは9月中旬以来の勝利を挙げた。こうした状況を考えれば、重要なマドリー戦で出番があると考えるのは難しい。
なおエリオットに関しては、移籍時からフィジカルコンディションに問題を抱えていたことも報じられている。新たな挑戦に準備が出来ていなかったのかもしれない。未だゴールもアシストもないことがそれを裏付けてしまっている。すでに冬の移籍市場でレンタル打ち切りの可能性も伝えられている状況だ。特に彼を獲得したロン・ガーリーSDが、前監督と同じ日に解任されたこともその噂に拍車をかけている。