マンチェスター・シティの財務規則違反を巡り、UAE(アラブ首長国連邦)がイギリスへの数十億ポンド規模の投資を引き揚げると警告しているようだ。
2009年~2018年の間に少なくとも115件の財務違反疑惑があったとされ、2023年2月にプレミアリーグから告発されたマンチェスター・C。リーグ側は正確な財務情報や選手・コーチへの報酬詳細の未提出、さらにはUEFAのファイナンシャル・フェア・プレー(FFP)規則およびリーグ独自の収益性・持続可能性に関する規則(PSR)への違反を指摘したが、クラブ側は一貫してこれらの疑惑を否定していた。
その後、審理は独立委員会に委ねられると、2024年末に独立審問が終了。それから2年近くが経過した25日、『The Athletic』はプレミアリーグ側が提起した115件の告発の内、114件が違反認定を受けたと報じた。さらに29日、独立委員会も9シーズンにわたって収益を総額8億3000万ポンド(約1718億円)水増ししていたことを指摘しつつ、重大な違反に関連するすべての容疑で有罪認定したことを明かしている。
2日にはFA(イングランドサッカー協会)も声明を発表した他、マンチェスター・C側が不服申立てを行ったことも明らかになっている今回の事件だが、外交問題にまで発展している模様。イギリス『テレグラフ』によると、有罪認定への報復措置として、UAEがイギリスのアンディ・バーナム首相に対して数十億ポンド規模の投資を引き揚げると警告したようだ。
同メディアは、UAEが過去5年間で防衛、ライフサイエンス、テクノロジーを含むイギリスの主要分野に300億ポンド(約6兆27000億円)以上を投じてきたと指摘。さらにイギリスは現在、オックスフォードとケンブリッジの間に「イギリス版シリコンバレー」としてハイテク都市計画を進めており、UAE側に数十億ポンド規模の投資を要請したという。しかし今回の財務規則違反の有罪認定を受け、UAE側は投資を引き揚げをちらつかせて「脅している」と伝えられている。
マンチェスター・Cのオーナーは、UAE副大統領を務めるシェイク・マンスール氏であり、また同クラブのアル・ムバラク会長は、約3000億ポンドの資産を運用するUAEの政府系投資ファンド「Mubadala」のCEOも務めている。そしてムバラク会長は、今回の有罪認定が発表される2週間前に、首相官邸でビジネス・イノベーション・科学・貿易大臣であるジョナサン・レイノルズ氏と会談を行っていたようだ。この会談の詳細は非公表とされているが、今回、UAE側はイギリス政府に対して投資を撤回する可能性があると警告したことが発覚したとのこと。今後の動向に注目だ。





