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jef united(C)Rintaro Asano

「あの瞬間が一番幸せ」GK鈴木椋大が左手一本PKセーブでジェフ千葉を救う「選手たちの表情はまだ死んでいなかった」

チームを窮地から救った守護神のもとへ、黄色のイレブンが真っ先に駆け寄った。

「サッカー選手をやっていて、あの瞬間が一番幸せな瞬間」(鈴木椋)

千葉在籍8年目の鈴木がホッとしたように微笑む。今季初出場となったこの試合は、チームにとって是が非でも勝利したい一戦だった。

17季ぶりのJ1復帰を成し遂げた千葉はここまで開幕3連敗。前節からスタメンを全員入れ替え、悪い流れを断ち切ろうと天皇杯に臨むも、苦戦を強いられて延長戦に突入した。両チームともに疲へいして、こう着状態が続くなか、先手を取ったのは沼津。千葉は117分に痛恨の先制点を許してしまった。

「4連敗か…?」とフクダ電子アリーナのサポーターは眉をひそめたに違いない。だが、鈴木は「もう時間がないなと思いましたけど、フィールドに立っている選手たちの表情は、まだ死んでいなかったので、そこを信じようという想いだった」と後ろから声を出し続けていた。

タイムリミットが刻一刻と迫るなか、意地の同点弾は試合終了間際の120+1分に生まれた。左サイドでのスローインを起点に、ボールが相手ボックス内まで届けられると、最後は攻撃参加していたDF河野貴志が右足を振り抜き、ネットを揺らした。

「PK戦まで行ったのは、120分間走ってくれたフィールドプレーヤーのおかげ。一つやられて、負けそうな雰囲気のなかでも全員が踏ん張って、やり返す気持ちを見せられたのは良かったと思う」

  • suzuki ryota(C)Rintaro Asano

    あとは守護神として、PKを止めるだけ。千葉は2人目のキッカーを務めたFW松村拓実が外してしまうも、「アイツは説教です(笑)。アイツも頑張っていますし、アイツのせいにはさせたくなかった。マツ(松村)には、また練習してもらえばいいかな」と鈴木がひと肌脱いだ。

    沼津の4人目も外し、緊迫のサドンデス状態が続くなか、鈴木は「流れ的に悪くなかった」と感覚を研ぎ澄ませていく。そして迎えた相手の9人目。止めれば勝利が決まるシチュエーションで、「グラウンドが荒れて、踏み込みが悪くなっていたので、丁寧に来るだろうなと思った。そこの読み合いで、バッチリとハマった」と横っ飛びからの、左手一本でシュートを弾いた。

    昨季リーグ戦5試合の出場にとどまった守護神が、“ここぞ”の場面で救世主となった。鈴木は「上(観客席)でこの試合を見ていた選手たちが、どう捉えてくれるかが、チームが上に行くための指標になるかなというゲームだった」と意義を語る。今後に向けて、弾みをつける大きな勝利だったが、決して満足できる試合内容ではなかったことも事実。千葉はこの一戦を、リーグ戦にどうつなげるか。

    取材・文・写真=浅野凜太郎

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