交通事故で精神的ショック…インテル、ジョゼップ・マルティネスに心理カウンセラーを用意か

28日朝にインテルの練習施設付近で車を運転中に道路を横断しようとした車椅子の高齢男性をはね、死亡事故を起こしてしまったジョゼップ・マルティネス。マルティネスは後にパオロ・サイベネ氏と特定された被害者を救急隊が到着するまで全力を尽くして助けようとし、現場に救急ヘリコプターも派遣されたが、81歳の男性は病院で死亡が確認された。

事態の深刻さをすぐに認識したインテルはマルティネスを迅速にサポート。マルティネスが帰宅時に精神的なトラウマに対処するためのサポートとして、心理カウンセラーを待機させた。イタリア『ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、チームメイトやスタッフは常に連絡を取り合い、インテルも悲劇的な事故から立ち直らせるため、マルティネスに1週間の休養を与えたという。

この事件は28日午前10時の少し前に発生し、インテルはフィオレンティーナ戦を前に予定したクリスティアン・キヴ監督の試合前会見をキャンセル。さらに、トレーニング中の選手やスタッフは士気が下がり、被害者とマルティネスのことを思いやっていたと報じられている。 

クラブ関係者はサイベネ氏の遺族にも哀悼の意と支援を伝えるために連絡を取る予定。一方、マルティネスはクラブ関係者の立ち会いのもと、病院で定期的な薬物およびアルコール検査を受検。コモ州当局は依然としてこの事故を調査中であり、事故再現の専門家による完全な報告書は今週後半に提出される見通しのようだ。

ジュゼッペ・マロッタ会長は「残念ながら、深刻かつデリケートな出来事が発生した。亡くなった方のご遺族に心からお悔やみ申し上げます。また、我々がよく知る選手にも寄り添いたい。残念ながら、こうした状況や不幸は日常生活の一部だが、この悲劇的な状況から我々が何かを学べればと思う」と述べる。

今季、順調な滑り出しだったマルティネス。バルセロナのラ・マシアを経て、RBライプツィヒでのプレーを挟み、ジェノアに移籍し、2024年夏にインテル入りした。今季はサッスオーロ戦とカリアリ戦に連続で先発し、ヤン・ゾマーのバックアッパーとして頼れる存在であることを証明しようとしているところだった。

マルティネスは精神的ショックから立ち直るべく、来週まで練習に復帰しない見込みだが、チームメイト、キヴ監督、そしてクラブ関係者が密に連絡を取り合い、サポートを申し出ている。そのなかで、マルティネスはネット上の誹謗中傷を避けるため、SNSからも距離を置き、インスタグラムのアカウントを凍結。インテルはキャリアで最も厳しい時期ともいえる1週週間を乗り切ることに専念しているマルティネスを守るために全力を尽くしている。