財務規則違反が発覚したマンチェスター・シティだが、異議申し立てした場合の今後を『The Athletic』が分析している。
2009年~2018年の間に少なくとも115件の財務違反疑惑があったとされ、2023年2月にプレミアリーグから告発されたマンチェスター・C。リーグ側は正確な財務情報や選手・コーチへの報酬詳細の未提出、さらにはUEFAのファイナンシャル・フェア・プレー(FFP)規則およびリーグ独自の収益性・持続可能性に関する規則(PSR)への違反を指摘したが、クラブ側は一貫してこれらの疑惑を否定していた。
その後、審理は独立委員会に委ねられると、2024年末に独立審問が終了。それから2年近くが経過した25日、『The Athletic』はプレミアリーグ側が提起した115件の告発の内、114件が違反認定を受けたと報じた。さらに29日、独立委員会も重大な違反に関連するすべての容疑で有罪認定したことを明かしている。
独立委員会の発表では、9シーズンにわたって収益を総額8億3000万ポンド(約1718億円)水増ししていたことが発覚したマンチェスター・C。しかし、クラブ側は「告発に対して無実であり、本件に関する当クラブの立場を裏付ける反論の余地のない包括的な証拠が存在する」として異議申し立てを行うことを示唆していた。
『The Athletic』によると、マンチェスター・Cはまず上訴委員会に対して不服申し立てを行うことになる模様。この上訴委員会はプレミアリーグの司法パネルによって任命された3名で構成される独立した新たな組織であり、また上訴審は元の裁定を再検討するものであって、全面的な再審理を行うわけではないようだ。したがって、元の裁定について上訴委員会が異なる見解を抱いたという理由だけでは、独立委員会の裁定を覆すことはできないという。
また、異議申し立ては裁定から14日以内。さらに、プレミアリーグの規定では上訴委員会の決定が最終的なものであり、原則としてさらなる不服申し立てや再審理の請求はできないとのこと。なお、プレミアリーグの規定はイングランド法に準拠しているため、スイスに本拠を置くスポーツ仲介裁判所(CAS)の管轄外となっている。
一方で、スポーツ法に詳しい弁護士アレックス・グッドチャイルド氏は、「事実認定や結論に関する委員会の決定を覆すのは、一般的に非常に困難だ。委員会には証人の証言を直接評価できるという利点があるからである。一方で、上訴委員会は『最終的な決定に影響を及ぼし得る重大な法的な誤りがあった場合』や『手続き上不公平な方法で行動した場合』には、決定を破棄しなければならない」とし、裁定が覆る可能性は低いとの見解を示している。
なおプレミアリーグの規定では、異議申し立てが行われてから12週間以内に審理を開くこと、審理終了後から30日以内に裁定を下すことが定められている模様。しかし『The Athletic』は、今回の事件は膨大な証拠を伴う長期にわたる案件であるため、さらなる猶予が認められる可能性もあると指摘。そして、マンチェスター・C側が極めて限定的な例外規定など利用可能な不服申し立て手続きをすべて行使した場合、決着までにはさらに数年間を要する可能性があるとも伝えている。今後の動向に注目だ。




