Aymeric Laporte Memphis Depay Manchester City Lyon GFXGetty/Goal

ラポルテはマンチェスター・Cでもはや絶対的な存在ではない。ライバル台頭で駒のひとつに

2018年1月にマンチェスター・シティに加入して以来、アイメリク・ラポルテはケガさえなければほとんど間違いなくスタメンに選ばれてきた。

彼がチームに与えている影響は絶大だ。昨シーズンの9月に膝を負傷し、6カ月間の戦列離脱を余儀なくされたときには、ヴィルヒル・ファン・ダイクを欠いて活気を失った現在のリヴァプールと同じように“ラポルテ・ロス”が囁かれた。

実際、ラポルテのいないマンチェスター・Cは、ペップ・グアルディオラ監督が就任して以来では最多の失点を喫し、プレミアリーグのタイトル争いから滑り落ちていった。

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ニコラス・オタメンディはチームをまとめきれず、ジョン・ストーンズは信頼を欠き、退団していたヴァンサン・コンパニの穴を埋められず。アカデミーからエリック・ガルシアが育ち、フェルナンジーニョがコンバートもされたが、かつてのような鉄壁の守備ではなくなっていた。

■ディアス加入で「状況が変わった」

Aymeric Laporte Ruben Dias Manchester City GFXGetty/Goal

直近の移籍市場が開くやいなやグアルディオラ監督は最終ラインの選手の獲得に動き、ベンフィカからルベン・ディアスを、ボーンマスからナタン・アケを、2人合わせて1億200万ポンド(約140億円)で加えた。

2人の加入で選手層が厚くなり、マンチェスター・Cの守備陣は、チャンピオンズリーグでの4試合連続無失点を含む、15試合で8度のクリーンシートを達成した。

ポジション争いが熾烈になったことで、ラポルテはマンチェスター・Cの直近4試合で一度も先発メンバーに選ばれていない。そして、それらの試合でシティは一度もネットを揺らされていないのだ。

強固な守備に一役買っているのがディアスの存在だろう。23歳ながらリーダーシップと組織をまとめるスキルを持ち、ついにコンパニの後継者となるのではないかと期待されている。さらに、ディアスの出現とともにストーンズが調子を取り戻し、11月から6カ月ぶりに連続して試合に出られるようになった。

ペップはこれまでの状況について「過去2シーズンは、守備陣に関して大いに苦労していた。選手層が薄かったからね」と認めつつ、現在の状況には満足しているようだ。

「今は状況が変わった。選手たちは、より自分に合ったポジション、特にこのポジションならミスをしないというポジションでプレーするチャンスが増えている。状況はシンプルになった」

■絶対的な存在ではなくなった

Aymeric Laporte Memphis Depay Manchester City Lyon GFXGetty/Goal

一方で、絶対的な存在であったラポルテは隅に追いやられ始めている。これまでも確かに大きなミスはあった。

昨シーズンのチャンピオンズリーグでは、準々決勝リヨン戦で勝負を決めた2点目がラポルテのミスによるものだと多くの人々が思っている。過去にもこういった大きなミスはあったが、それでもこの2年半でラポルテは最もコンスタントに起用されてきた。

しかし、今季からはチーム内での競争が激しくなり、ラポルテでさえ先発の座は保証されなくなっている。

ラポルテが最後に試合に出たのはトッテナム戦で、ボール支配率は67%を記録したが、数少ないチャンスで2度ゴールを奪われ敗れている。先制点の場面では、ラポルテがハリー・ケインのちょっとした動作にひっぱられ、その結果としてソン・フンミンに背後に走りこまれてゴールを許したのである。

これはミスとさえ呼ぶべきかわからない些細なシーンだが、グアルディオラは選手に完璧を求め、圧倒的な強さで過去2シーズンを制覇したときのレベルを超えるよう要求している。

「いい選手が19人か20人くらいいるから、発揮できる実力のレベルを上げ、できるだけハイレベルでプレーしないとレギュラーでいられないことを、みなわかっている。いいプレーをする選手には試合に出るチャンスを与えたいと思う。だからミスをするなと言うんだ」

指揮官は「アイメリクはチームにとって本当に重要な選手であることには変わりない」ともフォローしたが、「今は別の選手を使う」と続けている。

■“ローテーション”の意味

Pep Guardiola Aymeric Laporte Manchester City GFXGetty/Goal

グアルディオラは、すべてのポジションに複数のレベルの高い選手がいることを求めている。そうすれば、メンバーを入れ替えてもチームは高い次元のプレーを継続できるからだ。それこそがスムーズなローテーションへとつながる。

また、ペップは「ローテーションという言葉について誤解がある」とし、改めて自身が考える“ローテーション”の意味を再定義している。

「ローテーションとは、『自分はスターだから、次の重要な試合に出るために今日の試合は出ないということ』だと思われているが、選手たちがそんな風に考えているとすれば、それはとんでもない間違いだ。ローテーションとは、全員がいつでも出られるということだ。全員が必要なときに必要な準備ができていて、試合で最高のパフォーマンスができるということだ」

さらに指揮官は、具体例を挙げて説明する。

「ポルト戦ではベルナルド・シウバが素晴らしかった。今シーズンの彼のベストゲームだった。その前のバーンリー戦で彼はプレーしていなかった。それは私がベルナルドを信じていなかったからだろうか? とんでもない。私が彼をどう思っているかは、みな知っている。私はただ、選手全員に関わりを持たせ、チームの一員であってほしいと思っているだけだ。全員に準備万端でいて欲しいんだ」

失意の昨シーズンを終え、すべての選手が挑戦を続けている。今まで特別な存在であったラポルテももはや例外ではなくなった。再び自身の居場所を絶対のものとするため、才能を示していかなければならない。

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