EURO（ユーロ）2020決勝トーナメント1回戦が28日に行われ、フランス代表とスイス代表が対戦した。
フランスはリュカ・エルナンデスがコンディション不良で起用が難しく、3バックを選択。プレスネル・キンペンベ、ラファエル・ヴァランに加え、クレマン・ラングレが今大会初先発を飾った。左サイドのウイングバックにはアドリアン・ラビオが入っている。
フランスはボールを持つものの、いつものような攻撃はできず、どこかちぐはぐ感が見られる。すると15分、スイスがワンチャンスを活かす。左サイドからスティーヴン・ツーバーのクロスにハリス・セフェロヴィッチが頭で合わせ、ウーゴ・ロリスの守るゴールを陥れる。ラングレがセフェロヴィッチに競り負けたことがゴールにつながっている。
先制されたフランスは結局4バックに変更。キンペンベが左サイドバックに回り、ラビオは中央でプレーするように。しかし、前半はスイスが1点リードで終了する。
後半からフランスはラングレを下げ、キングスレイ・コマンを投入。再度フランスは布陣を変更する。しかし、大きなチャンスを得たのはスイス。53分、ツーバーが左サイドを突破すると、バンジャマン・パヴァールのスライディングで倒される。一度はオンプレーでしばらく続いたものの、その後VARによりPKの判定に。
この絶好機をリカルド・ロドリゲスが失敗。ロリスが見事なセーブを見せ、追加点を許さない。すると57分、キリアン・ムバッペのパスをカリム・ベンゼマが見事なトラップで受けると、最後はループシュートで流し込み、フランスが同点に追いつく。さらに分、アントワーヌ・グリーズマンがムバッペとのワンツーでゴール左を突破。最後は浮き球をベンゼマが頭で押し込み、あっという間に逆転に成功する。
75分にはフランスがダメ押し。ポグバのカーブをかけた美し良いミドルシュートがゴール右に突き刺さり、スコアは3-1に。しかしスイスも諦めない。81分、右サイドからケビン・ムバヴの正確なクロスをセフェロヴィッチが頭で叩き込み、3-2と追いすがる。
85分には途中出場のマリオ・ガヴラノヴィッチがシュートのこぼれ球を押し込んだが、オフサイドによって取り消しに。しかし、最後にドラマが待っていた。90分、グラニト・ジャカのスルーパスにガヴラノヴィッチが反応。一人をかわして右足でゴール左に流し込む。劇的な展開で3-3とスイスが同点に持ち込んだ。
アディショナルタイムにはコマンがボレーシュートでゴールを脅かすが、バーに嫌われる。3-3のまま延長戦へと突入することに。
95分にはコマンの突破からパヴァールがフィニッシュ。しかしヤン・ゾマーが片手一本ではじき出した。延長後半はフランスが高い位置でボールを奪うシーンが増え、チャンスを作るもフィニッシュが決まらない。ムバッペが続きざまにチャンスが訪れるもシュートは枠に飛ばず、決定機を逃してしまう。結局、3-3のままPK戦に勝負は委ねられる。
先攻のスイスは5人目までが全員成功。後攻のフランスは5人目のムバッペが失敗。スイスが優勝候補フランスをPK戦の末に破り、スイスがEURO史上初のベスト8へと進んだ。
■試合結果
フランス 3-3（PK4-5） スイス
■得点者
フランス：ベンゼマ（57分、59分）、ポグバ（75分）
スイス：セフェロヴィッチ（15分、81分）、ガヴラノヴィッチ（90分）
