テネリフェFWヘスス・デ・ミゲルの逝去を巡り、スポーツ法の専門家は「過失致死に問われる可能性がある」と指摘している。
2日に行われたセグンダ・ディビシオンのFCアンドラ戦に出場したデ・ミゲル。しかし、ゴール前に飛び出した際に相手GKヘスス・オウォノと激しく衝突した。そのまま意識を失い病院へ緊急搬送されると、その翌日となる3日に帰らぬ人に。30歳という若さでこの世を去った。
そしてスポーツ法の専門家であるアレクシ・シャボ弁護士は、フランス『レキップ』で今回の死亡事故を法的な観点から分析。以下のように分析している。
「まず規律面について言えば、今回の行為の衝撃的な性質を鑑みると、ラ・リーガが規律調査を開始し、オウォノに対して数試合の出場停止処分を科す可能性がある。次に民事面について言えば、遺族はかけがえのない命を失うという被害を受けている。精神的苦痛に対する慰謝料や、失われた収入といった経済的損害に対する賠償が求められる可能性がある」
「一般的に選手は生命保険に加入しており、保険会社が費用の一部をカバーすることもあるだろう。ここで重要になるのが『過失』の問題である。スポーツの世界には『リスクの受容』という理論があり、選手はある程度のリスクを受け入れているものと見なされる。焦点となるのは、特定の過失が賠償の対象となるかどうかである。フランス法で言えば、通常のプレーの範囲を超えた『異常な過失』や『暴力行為』が議論の対象となり、こうした過失は賠償責任を伴うものとされている」
「選手の遺族は、当該GKが所属するアンドラに対して法的措置を講じることができる。選手はクラブの従業員であり、クラブは所属選手に対して法的な責任を負っているからだ。遺族は、この行為に関連する損害賠償を得られる可能性がある。さらにクラブ側も、当該選手がクラブの一員として期待される行動基準を逸脱したと判断すれば、その選手に対して法的措置を講じることが可能である。つまり、クラブ側にも取り得る法的手段が存在するということだ。テネリフェも民事上の損害賠償請求を行う可能性がある」
■過失致死に問われる可能性
そのうえで同氏は、「無謀な行為が『重大』か『それほど重大ではない』かによって、1年から4年の禁錮刑が科される可能性がある」とし、場合によっては過失致死に問われる可能性があると分析した。
「場合によっては、過失致死(あるいはそれに類する罪)に問われる可能性もある。過失の程度が重いか軽いかによって、1年から4年の禁錮刑が科されることも考えられる。メディアの注目度も高いため、スペインの検察当局が当該行為が意図的なものだったのかどうかを解明するために捜査を開始する可能性がある」
「立証は困難かもしれないが、重大な結果を招いたこうした行為を処罰するという司法側の意向が働くこともあり得る。いずれにせよ捜査が行われ、それが何らかの制裁につながる可能性はあるだろう。アマチュア・ラグビーの事例では、タックルによって下半身不随となったケースで刑事有罪判決が下されたことがある(マティアス・ダンタンの事例)。この際、当該選手には(控訴審で)懲役12カ月(執行猶予付き)の判決が言い渡された。今回は死者が出ている事案であり、より重い結果を招く可能性がある」
そしてシャボ弁護士は、「危険なプレーに対して制裁を科せるよう、また重傷につながる恐れのあるこうした行為を禁止できるよう、競技規則の改正を検討する必要があるのではないか」とも提言している。





