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3連続招集、南野拓実への期待。森島、香川、清武と続くセレッソアタッカー陣の系譜

■「エース」の手ごたえはないものの

日本サッカー協会は7日、11月16日のキリンチャレンジカップベネズエラ戦、20日のキルギス戦に臨む日本代表メンバーを発表した。森保一監督体制発足以降、3戦4発と気を吐いている新エース・南野拓実(ザルツブルク)も当然のごとく名を連ねた。

「俺がエースだという手ごたえ? まったく。まだ全然。まだまだこれからです」

本人は10月16日に埼玉スタジアムでウルグアイを4-3で破った後、こう繰り返していた。とはいえ、日本代表11月シリーズで代表復帰の可能性があった香川真司(ドルトムント)と乾貴士(ベティス)の招集が見送られた今、日本の得点源として攻撃陣をけん引すべき立場になったのは間違いない。年明け1月に迫ったアジアカップUAE大会に向け、11月の2連戦ではよりゴールという結果が要求される。

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南野は、森保ジャパン初陣となった9月11日のコスタリカ戦で背番号8をつけて躍動した。

その8番は彼が中学、高校年代、そしてプロとなったセレッソ大阪の先輩である森島寛晃氏(現C大阪強化部長)が2002年日韓ワールドカップで背負った番号だ。同様、清武弘嗣も2014年ブラジルW杯で8番をつけて戦った。今夏のロシア大会で大活躍した香川真司と乾貴士は主要大会で8番をつけた経験はないものの、二人は世界に羽ばたいた偉大なアタッカーである。この顔ぶれを見ると、C大阪は90年代後半以降の日本代表攻撃陣を担うキーマンを次々と送り出してきたとも言える。

■98年以降、代表を支えてきたアタッカー

2018-11-08-cerezo-morishima-japan-2002(C)Getty Images

▲2002年日韓大会、チュニジア戦での森島氏

あらためて振り返ると、森島氏は1998年フランス大会、2002年日韓大会の両W杯に出場し、国際Aマッチ64試合12得点という実績を残した。神出鬼没な動きでゴール前へ飛び出し、得点を奪うプレースタイルはつねに対戦相手を脅威に陥れた。

象徴的なシーンと言えるのが2002年日韓大会、C大阪のホームでもある大阪・長居スタジアムで決めたグループステージ第3戦・チュニジア戦の先制弾だ。前線に抜け出した鈴木隆行に中田英寿が出したタテパスを相手DFがクリアミス。そのこぼれ球に反応したのが、168㎝の小柄な背番号8だった。彼の右足から繰り出されたゴールが日本代表史上初の16強入りにつながった。

南野は当時7歳。3歳からW杯のビデオを擦り切れるほど見て、名場面を脳裏に焼き付けてきたという彼のことだ。この歴史的ゴールも忘れていないだろう。

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森島氏の次に、代表で定位置を確保したのが香川真司だ。2008年5月のコートジボワール戦で初キャップを飾った当時19歳の香川は「平成生まれ初の代表選手」として大きな注目を浴びた。2010年南アフリカ大会は落選したが、ドルトムントで大ブレイクしてからは日本のエースナンバー10を足掛け8年間背負い続けた。

クラブでの輝きに比べると、代表では今一つインパクトを残せないといったネガティブな評価も受けてきたものの、国際Aマッチ95試合31得点という数字はそうそう残せるものではない。南野が「真司くんのプレーをそのまま真似できるわけじゃない」と自分に言い聞かせるように語るのも、代表で何度か一緒にプレーした香川のすごさを実感しているからに違いない。

■「拓実はセレッソの宝」と清武

2018-11-08-cerezo-kiyotake(C)J.LEAGUE

香川に比べると、清武はよりゲームメーカー的な色合いの濃い選手だ。ポジションは同じトップ下だが、国際Aマッチ43試合5得点という数字が示しているように、得点力は香川に比べるとやや劣ると言わざるを得ない。

「真司にあってキヨにないものはゴール」という名言を残したのはほかでもない森島氏。しかしながら、清武のボールコントロール技術、針の穴を通すようなパスセンス、攻撃にメリハリをつけながらゲーム全体のリズムを作る力は香川を超えているのではないだろうか。

「拓実はセレッソの宝でもあるし、下部組織時代から中心だった選手。やっとA代表にも入りましたけど、もっともっとやんなきゃいけないと思っているんじゃないですか」。清武は南野にこんなエールを送っている。

そしてもう1人、乾貴士。

類まれなドリブル技術とスピードを兼ね備えていて、フィニッシュの精度も頭抜けている。ロシア大会での2得点。セネガル戦で長友佑都(ガラタサライ)のマイナスクロスから冷静に決めた1点目、そしてベルギー戦で香川がキープしたボールを受けてペナルティエリア外ギリギリのところから沈めた2点目と、いずれも高度な技術と冷静沈着さが凝縮されていた。

乾は言わずもながサイドアタッカーで、代表での南野のポジションとは異なる。所属のザルツブルクではサイドでプレーした経験もあるため、ドリブルで相手をキリキリ舞いさせ、自分の間合いでシュートを打てるようになれば、もっと得点数は伸びていくに違いない。今の森保ジャパンでは中島翔哉(ポルティモネンセ)がそれに近い役割をこなしている。南野がサイドで敵を切り裂くようなシーンは少ないかもしれないが、多彩なバリエーションを身につけて「無敵の点取屋」へと変貌を遂げていってほしい。

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森島、香川、清武、乾…。そう考えるとセレッソの先人4人のストロングポイントを南野は併せ持っているのではないだろうか。

桜の系譜を受け継ぐ未来型アタッカー。11月シリーズでのゴール、そしてアジアカップでの大ブレイクを楽しみに待ちたい。

■日本代表ベネズエラ代表・キルギス代表戦メンバーはこちら

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