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cerezo osakaGetty Images

「自分たちはどこかでぬるい」8戦未勝利のC大阪、大阪ダービーで浮上できるか

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セレッソ大阪が苦しんでいる。リーグ戦は8試合未勝利。鹿島戦後、選手たちの口からは「気持ちが見えない」「戦術どうこうじゃない」といった厳しい言葉が相次いだ。

ここで浮き彫りになったのは、戦術以前の基本的な部分への危機感だ。そんなチームが次節に迎えるのは、宿敵ガンバ大阪との大阪ダービー。勝利必須の再起をかけた一戦に、選手たちはどんな覚悟で臨むのか。

■「戦術どうこうじゃない」。足りない基本の部分

C大阪が暗いトンネルから抜け出せないでいる。今季よりパブロ・マチン監督の下で戦う桜の戦士たちが、リーグ戦8試合未勝利と苦しんでいる。

この日は昨季王者の鹿島のホームに乗り込んだ。選手たちは前日から入念な対策を練って試合に臨んだというが、結果は悲惨なものだった。

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「僕たちが悪いと思います。フォーメーションとかやり方がどうじゃなくて、シンプルに僕たちがもっと戦わなくてはいけない。その気持ちが見えない。だから球際で負けるし、大事な局面で決められてしまう。きょうはすごくそう感じたし、これを続けていたら本当にJ2へ落ちる」

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スリーバックの一角でフル出場したDF井上黎生人は険しい表情で危機感をあらわにした。

C大阪は前半の立ち上がりこそボールを握って押し込む時間を作ったが、14分と22分に鹿島MFエウベルに得点されてからは、相手に主導権を渡した。

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25分にFWパブロ・サバックのヘディング弾で何とか1点を返すも、以降は目立ったチャンスを作れなかった。

背番号10のMF田中駿汰は「崩し方の考えがバラバラだったと思う。ちょっとのところだと思いますが、そのズレが失点や攻撃では得点できない状況につながっている」と振り返った。

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36分には素早いスローインのリスタートから不意を突かれる形でクロスを許すと、そのままミドルシュートを決められた。さらに70分にはロングボールの処理でミスが起きて、そのままダメ押し弾を奪われた。

何が足りなかったのか。試合後の選手たちは口をそろえて“基本”の部分を問題視していた。

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「自分さえ良ければいいとかじゃない。11人でやるスポーツなので、誰かが(前に)出たら誰かがカバーして、誰かがミスをしてもそれをカバーするのがチーム。だけど今はそれができていない。だから僕たちが全部悪い」と井上が口調を強めれば、田中も「戦術どうこうじゃない。きょうの試合は簡単に失点していますし、そうなってくると監督のやりたいサッカーも難しい。自分たちがやるべき基本をやらないといけない」と眉をひそめた。

戦う、走るといった基本的な部分がおろそかになってしまったチーム状況は決して良くない。そんななか、次節はガンバ大阪との大阪ダービーを迎える。

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■「プライドをかけた」ダービーへ

ダービーは苦境のC大阪にとって分水嶺となる試合だろう。勝利すれば一気に浮上できるきっかけにもできるだろうが、不甲斐ない試合をすれば状況は悪化しかねない。まさに劇薬である。

一戦必勝のダービーを控えるなか、C大阪には懸念点もある。元日本代表MF香川真司らケガ人の状態だ。

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ここまで12試合に出場している香川だが、鹿島戦で足首のあたりを痛めて負傷交代。自力で歩行できていたが、試合後にマチン監督は「細かい部分はまだ分かりません」としつつ、「ある程度のケガなのかなという印象はあります」と背番号8の状態に言及していた。また、MF横山夢樹も足首に痛みを抱えているという。

ただ、そんな不安を払拭するかのように気を吐く男もいた。この試合で香川に代わって途中出場したMF岡澤昂星だ。

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C大阪の下部組織出身の岡澤は「真司さんの代わりで出たからといって、同じような役割をしようとは思っていませんでした」と自分の色を出した。ハードワークを惜しまず、得意とする2列目からの飛び出しで攻撃を活性化させようと奮闘した。

鹿島戦では求めていた結果こそつかめなかったが、いまの自分たちに足りない基準を再認識できたとうなずいた。

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「気迫や勝利への飢え方が根本的に違った。自分たちはどこかでぬるいところがあると思う。結果が出ていない状況で、年齢関係なく自分もどんどん発信していかないといけないし、鹿島さんはそれができていた。マネしていかないといけない強いチームの象徴だと思う」

岡澤にとって思い出深いダービーは、2017年のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦のG大阪戦だという。この試合でC大阪は後半アディショナルタイムの勝ち越しゴールで宿命のライバルを下し、その後の決勝戦でも勝利して悲願のクラブ史上初タイトルを獲得した。

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当時の熱戦をテレビで観戦していた青年は「ダービーは最後の最後まで何が起こるか分からない」と胸を打たれた。そして今度は、自身がトップチームの一員としてダービーに向かう。

岡澤は「小学生からこのエンブレムを背負ってやってきている」と、次節への覚悟を口にした。

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「ダービーは自ずとプライドをかけた試合になると分かっていますし、内容とかは言っていられない。ああいった試合を次の世代の子たちに見せられるような、戦いにしたいです」

鹿島戦後にはサポーターから「ダービー=絶対勝利。」の横断幕が掲げられた。次節の重要性は選手全員が理解している。

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緩んでしまったC大阪の“基本”はダービーという劇薬によって、再び固く結ばれるのか。

「サッカー人生をかけて準備しないと結果はついてこない」(田中)

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未来につながる大一番が迫る。

取材・文=浅野凜太郎

2001年生まれ千葉県千葉市出身。大学でジャーナリズムを学び、在学中にライターデビュー。ジェフユナイテッド千葉を中心に関東圏を中心に取材・撮影を行う。現在はフリーランスとしてサッカー媒体や音楽媒体などに寄稿している。学生時代は元日本代表選手に似ていたことから、右サイドバックでプレーしていた。