浦和は「得点を取れると証明できるシーズン」を過ごしている。これで公式戦3試合連続で3ゴールだ。
曺貴裁監督は「自分たちが(リーグ戦)8試合で16得点取れているのがなぜなのかを共有しながら、選手たちに今週ずっと伝えてきたことを、選手たちがよく理解してやってくれた」と称賛した。選手たちに植え付けたのはゴールに向かうプロセスと自信だ。
この日の試合前ミーティングでは、代表期間中に行われたUEFAネーションズリーグの得点シーンをまとめた映像を流した。欧州最先端から学んでほしかったものは、“裏”への意識だった。
「ベルギーだろうが、チェコだろうが、スペインだろうが、最後は必ず強い動きが背後にある。ワールドカップのプレーオフを争う彼らのなかでも大事にしていることだと再認識しました。自分たちがボールを持っているときに何をしなければいけないのか、逆にボールを持っていないときにどういったことがメリットになるのか」
言うは易し行うは難しというが、浦和はすぐさま取り入れた。前半から相手ディフェンスラインの裏を狙ってチャンスを作ると、60分にコーナーキックから先制した。直後の63分にはFW小森飛絢が左ボックス内に抜け出すと、そのまま折り返した。最後は走りこんでいたFW肥田野蓮治が詰めて、2-0にした。
やりたいサッカーを形にできたのだろう。曺監督は「頑張れば届くと刺激しながら…」と手ごたえを口にした。
「自分たちのフットボールはドメスティックに終わることを目指すのではない。選手である以上は、A代表やヨーロッパの進んでいるサッカーにどう近づけるかですし、それも監督の一つの仕事だと思っています」
一方で、直後にクロスボールから失点。すぐさま相手ゴールキックをカウンターで返して、FWオナイウ阿道が裏抜けから冷静なフィニッシュを流し込んで突き放したが、82分には再び1点差に迫られるなど、課題も残った。
指揮官も「強くなるためには、少なくとも3-1、4-1で終わらせるような戦い方を選択できないと、リーグで上位に残っていくのは難しいなと、同時に感じました。2-0になった後の失点の仕方、3-1になった後の失点の仕方は反省しないといけないところはあります」と振り返った。
とはいえ、トーナメントかつダービーだったこの日は、内容以上に結果を求めていたはず。曺監督は「3連敗でスタートしたチームがどう次に向かっていくのかを、選手自身が覚悟して進んできていると思います」と欧州最先端を追いかけながらも、着実に“勝てる浦和”を構築している。
取材・文=浅野凜太郎



