先発出場したMF鈴木唯人(フライブルク/ブンデスリーガ)は自身のプレーに満足していなかった。
鈴木は[3-4-2-1]の左シャドーで出場し、「いつもどおり」と豊富な運動量で攻守に貢献。「とりあえず相手の立ち位置を見ながら動こうとは決めていた」と、得点の糸口を探っていた。
日本は11分にMF松木玖生がカットインから左足シュートで先制点を記録するも、39分に失点した。その後は攻めあぐねる時間帯が増え、カウンターからピンチを招いた。鈴木は得意のターンで局面を打開しつつ、サイドチェンジなどでビルドアップを助けたが、思うようにチャンスに結びつけられなかった。
「きょうは2シャドーで、チームでやっているトップ下ではなかったので、もう少し(パスを)引き出したかった」
鈴木はそのまま77分に交代。チームはアディショナルタイムの2発で3-1の勝利を収めたが、試合後の鈴木に笑顔はなかった。「もちろん勝ち切れたことはポジティブだと思う。でも難しい時間帯も多くあった」としつつ、自己評価については「ぼちぼち」と語るにとどめた。
今夏のFIFAワールドカップ(W杯)2026直前には鎖骨を骨折する不運に見舞われた。代表メンバーには選出されたものの、コンディションは上がり切らず、グループステージのチュニジア代表戦での12分間の出場にとどまった。
それでも今季は所属クラブのフライブルクでブンデスリーガ開幕戦にハットトリックを記録するなど、波に乗っている。クラブでの活躍もあって、この日の鈴木にかかる期待も大きかったが、「代表は代表で、チームはチーム。やり方も違うし、選手も違う。フライブルクとまったく同じプレーをしたからといって、ここでもいいプレーができるわけじゃない」と言い切った。
鈴木は改善の必要性を認めつつも、「何も気にしていないですし、チームでやっているシステムと違うので、まだまだ良くなる」とした。その上で「回数を重ねて行けば間違いなく良くなる。徐々にいい感覚はつかめている」と味方との連係を深めたい。
「結果は後からついてくるので」
多くは語らなかったが、“自分はやれる”という静かな自信がそこにはあった。
取材・文=浅野凜太郎



