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yoshida minato(C)Getty Images

「ここでは言わない」鹿島FW吉田湊海のJ1開幕戦、悔しさ口にした18歳に柴崎岳は…

開口一番。悔しさがあふれ出た。

FW吉田湊海は昨季J1王者の鹿島で、クラブ史上2位(元日本代表DF内田篤人氏が記録した17歳343日に次ぐ)の年少記録での開幕スタメンを勝ち取り、チームは4-3で逆転勝利。18歳にとってこれ以上ない試合に思えたが、「悔しい」と何度も繰り返した。

「キャンプが始まってから自分のやりたいプレーを多くできていたなかで、自分の長所であるゴールに結びつけることができませんでした。そこはまだ、自分の課題点だと思っています」

吉田はJFC FUTURO、FC多摩を経て、鹿島の下部組織に入団。昨年4月の横浜FC戦でクラブ史上最年少となる16歳288日でJ1デビューを果たした逸材だ。今年6月にはU-19日本代表のメンバーとして、北中米で開催されたFIFAワールドカップ(W杯)でA代表のトレーニングパートナーを務めた。

この日はツートップの一角として、FWレオ・セアラとコンビを組むと、前線からのチェイシング役として奮闘した。前半の途中にはFW鈴木優磨とポジションをチェンジして左サイドハーフに入るなど、ユーティリティ性もみせた。

しかし「けっこう走らされたという感覚があります。疲れてしまった」とやる気が裏目に出たか。鬼木達監督が「(チーム全体として)前半の攻撃に関しては思った以上に、おそらく開幕戦ということで気負っていたところはあったと思います。湊海にしても、(MFマテウス)ブエノにしても、本来はああいうテンポではない」と評したように、攻撃面では本領を発揮できないまま、1-2で迎えたハーフタイムに交代となった。

「きょうのゲームでは何もやれなかったというのが、自分のなかにある。もっと、もっと練習あるのみだと思います」(吉田)

吉田がベンチに下がった後に鹿島は追加点を許したが、王者の底力を6万3960人の大観衆に見せつけた。

81分に、レオ・セアラのゴールで1点差にすると、アディショナルタイムにはFWチャヴリッチがペナルティキックを沈めて、3-3の同点にした。このまま試合が終わる気配はなく、鹿島ゴール裏のボルテージは上昇し続ける。そして102分に右サイドから抜け出したチャヴリッチが決勝点。鹿島が開幕戦で大逆転劇を演じてみせた。

秋春制に移行し、ここからより世界を意識していくことになるJリーグ。この日の開幕戦はJリーグ史において、重要なターニングポイントになるはずだ。

では、18歳の吉田にとってはどんな意味を持つ試合だったのか。育成年代から現在にかけて、幾多のビッグマッチを経験してきた元日本代表のMF柴崎岳は、16歳差の後輩に期待を寄せた。

「この試合の意味は、彼自身がこれから作っていくもの。この試合を経験して良かったかどうかは、これからの彼次第。僕は、彼がいい試合を経験したとも、悪い試合を経験したとも、ここでは言わない。彼がきょうの試合を経て、どのように成長をしていくのかによる。だけど、こういったものを力に変えてくれる選手だとは思っています」

数年後、吉田はこの試合をどのように振り返ってくれるだろうか。Jリーグも、18歳のキャリアも、まだまだ始まったばかり。

取材・文=浅野凜太郎

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