HD Naby Keita, RB LeipzigGetty

夏の市場で困難に立ち向かうリヴァプール…リーグ記録の移籍金で示す復活への意思

リヴァプールにとって新たなピース、MFナビ・ケイタ獲得計画は困難に直面している。所属するRBライプツィヒがこのオールラウンダーの放出に難色を示しているためだ。一方で、アンフィールド方面から強い興味を持たれている22歳のケイタは、自身の思い描くキャリアを歩むべくこの夏にドイツを去る可能性を閉ざしてはいない。

■多額の資金を準備も…

3月1日、『Goal』はケイタがユルゲン・クロップ監督にとって最初のターゲットになっていることを報じたが、現在はこのギニア代表の獲得は暗礁に乗り上げているといえそうだ。クロップはピッチの中心に据えられるタイプとしてケイタを世界屈指の選手と評価している。リヴァプールはそのケイタの獲得を確実にするためこれまで多くの労力を費やし、移籍金も5000万ポンドを用意したとみられている。

以下に続く
HD Naby KeitaGetty

しかし、十分な財力を持ちスポーツ的にも素晴らしい成功を収めているライプツィヒは、今後もクラブの野望を押し進めていく強い意思を持っており、ダイナモであるケイタを中心にチームを構築しようとしている。

セントラル・ミッドフィールダーとしても、そしてプレーメーカーとしてもその役割を巧みにこなすケイタは、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場を決めている“赤い雄牛”を出ていく道を積極的に探しているわけではないだろう。クラブの冒険的なフィロソフィー、そしてエキサイティングなチームにおいての自身の立ち位置にも満足しているはずだ。

しかし、ケイタはプレミアリーグに挑戦するというこの夏の選択肢を間違いなく綿密に検討するだろうし、その決断如何によってはキャリアの次のステップへと進む可能性も依然として残されている。

Naby Keita RB Leipzig Wolfsburg BundesligaGetty

■移籍金の大きさには意外なメリットが

仮に移籍が実現する場合、動く金額の大きさには多くの注目が集まることだろう。リヴァプールがブンデスリーガ記録となる移籍金を支払う可能性だってある。潤沢な資金力を有するライプツィヒにとって金銭はアピールとはならないが、クラブとしての短い歴史を考えれば、他のクラブに対してライプツィヒが容易な交渉相手ではないという評判を広めることは十分なメリットとなりうる。

移籍金については、ヴォルフスブルクからマンチェスター・シティへと移籍したケヴィン・デ・ブライネの7500万ユーロ(2015年当時で5500万ポンド)という金額がひとつの目安となるだろう。現在の為替レートはさらに上昇しており、ケイタ獲得の合意に向けた最低の移籍金ラインはさらに高まるものと見られる。

HD Naby KeitaGetty

■同僚の去就も考慮?

またケイタは、チームメイトでクラブを去りたがっているスウェーデン代表FWエミル・フォルスベリの動向も気になっていることだろう。

ライプツィヒはいずれの選手も売りに出してはいないと主張するが、より流動的な状況に置かれている25歳のフォルスベリがクラブを出て行く可能性はケイタのそれよりも高いといえる。もしクラブが今後のプロジェクトのコアの部分を担う両選手のうちひとりを失えば、それはすなわち両名ともをも失う可能性があることを意味する。

ケイタを巡っては、ライプツィヒとリヴァプールの両クラブが骨の折れる課題として試されることになるだろう。

リヴァプールはすでにU-20ワールドカップで優勝を経験したドミニク・ソランケをチェルシーから獲得することが決まっており、現在は裁判で手数料が決定するのを待っている状態だ。また、先日レッズは現時点のクラブ記録となる移籍金でモハメド・サラーも獲得している。

ソランケとサラーの獲得は、クラブがクロップ体制を進めていく中でチームのクオリティを高め続けていくことを示すものであり、同時に昨夏のような選手の流出は避けるという断固とした姿勢をも感じさせる。ケイタの獲得が一筋縄ではいかないことは明らかだが、その困難に立ち向かっていく姿こそリヴァプールファンが待ち望んでいたものであり、必要とされていたことでもあるのだ。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

広告