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地獄の夏連戦。J1初制覇を目指すC大阪に求められるのは“暑さ”を乗り切る“熱き”戦い

ロシア・ワールドカップによる中断期間が終わり、18日からいよいよ再開される明治安田生命J1リーグ。現在消化試合が1試合少ないながらも4位につけるセレッソ大阪が、J1制覇を狙える位置にあるのか。昨季二冠を果たした“大阪の雄”が勝負の後半戦に臨む。

J1第15節終了時点の順位表を改めておさらいすると、サンフレッチェ広島が勝ち点37で首位に立っており、FC東京が同9差の2位で追走。その下に勝ち点27で3位・川崎フロンターレ、同26の4位・セレッソ大阪と5位・コンサドーレ札幌がつけている。ただし、C大阪は消化数が1試合少ないため、他のライバルたちよりは、やや有利な状況にいる。

■克服したい守備の不安定さ

しかしながら、7月18日の清水エスパルス戦、22日の浦和レッズ戦の後、25日に未消化分の鹿島アントラーズ戦が入ってくる。J1が1週間空く8月第2週目にもスルガ銀行チャンピオンシップ2018・OSAKAのインデペンディエンテ戦が控え、8月22日にも天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦のヴァンフォーレ甲府戦が組みこまれている。つまり、中2~3日の超過密日程が8月25日のサンフレッチェ広島との上位決戦まで続くことになるのだ。この『地獄の12連戦』をいかにして乗り切るのか。それが彼らの今後の動向を大きく左右すると言っても過言ではない。

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3位でフィニッシュした昨季と目下4位に位置する今季の14試合終了時点のデータを比較すると、2017年は勝ち点28・得点25・失点11だったのに対し、今季は勝ち点26・得点20・失点14と全体的に及ばない数字だ。さらに、14試合のうち無失点で乗り切ったゲームが3つしかないのを見ても、守備の不安定さは気になるところだろう。

とりわけ、今季前半戦は守備の要であるマテイ・ヨニッチのコンディションが今一つだったことが守備の脆さを露呈する要因となった。元日の天皇杯決勝から新シーズン始動まで時間は限られ、十分にオフを取れなかったこともその一因と見ることができる。しかし、今回のW杯中断によるブレイクで十分な休息を取ることができた。

木本恭生のケガも台所事情的にはマイナスな要素が大きかったが、ここにきて山下達也が復調の兆しを見せており、11日の天皇杯3回戦のツェーゲン金沢戦では、硬い守りを見せてクリーンシートでの勝利に貢献している。もちろん木本もしっかり動ける状態に回復しており、センターバックの選手層が厚くなったのは明るい材料だ。

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中盤も今季序盤はソウザがケガで長期離脱を余儀なくされ、シーズン開幕後に加入したオスマルも出遅れた感が強かったため、苦しい状況が続いていたが、金沢戦では2人揃って先発。まずまずのプレーであったが、完全なフィットに向けてリスタートを図っている。

そして、そこにW杯帰りのキャプテン、山口蛍が加われば、さらに守備力は向上することが期待できる。中盤におけるボール奪取が良い形でできれば、最終ラインの負担も自ずと減る。あとはリスタートの守りをしっかりと徹底する。そうしたことを徹底すれば、序盤戦で快進撃を見せた広島を彷彿とさせる戦いが期待できる。

広島のストロングポイントはなんと言っても強固な守備組織だ。ここまで許した失点はわずかに8。これはリーグ最少であり、首位を快走できる要因が数字にはっきりと出ている。リーグ5番目に失点が少ないC大阪にとっても広島の堅守は大いに参考になる。尹晶煥監督が後半戦でどのようなマネージメントをするのか、特にボランチから最終ラインの守備組織についてはオプションが増えたことで多彩な陣容が見られるだろう。

■柿谷の負傷離脱をどう埋めるか

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一方の攻撃面は、昨季は大黒柱の杉本健勇がゴールを量産したものの、今季は鳴りを潜めて3点にとどまっている。杉本と入れ替わることの多いヤン・ドンヒョンもまだ1点と前線での貢献度が高い割には数字を残せていないのが気になる。

一方で現段階でチームトップスコアラーに立つのは、4ゴールの柿谷曜一朗と高木俊幸。しかし、柿谷は先週の金沢戦で右内転筋を痛めて負傷交代を余儀なくされており、復帰には約3週間を要する見込み。再開6連戦には間に合わないことは確実だ。

柿谷が離脱した穴は、清武弘嗣、水沼宏太、福満隆貴といったアタッカー陣が補完していくしかないだろう。昨年1月のC大阪復帰後、5回にわたる負傷離脱を強いられてきた清武はその筆頭になるべき存在だ。W杯を逃した彼にとって、卓越した攻撃センスを示す場はもはやこのJリーグしかない。今季2ゴールは清武の能力を考えればあまりにも少ない。そういった意味でも金沢戦での2点目は彼にとって自信となったに違いない。この調子でゴールを量産し、“点の取れるゲームメーカー”として新境地を開拓することができれば、チームの大きな武器となるだろう。

そして、序盤に異彩を放った高木にもさらなる爆発を求めたい。彼が結果を出せば、新加入組の田中亜土夢やオスマル、片山瑛一らも確実に刺激を受けるはず。再び始まる超過密日程を考えると、昨季二冠の原動力になった主力メンバーだけには頼れない。

今回の7~8月にかけての超ハードスケジュールをどう戦い抜くかが、リーグタイトルの行方を大きく左右する。昨季、ルヴァンカップと天皇杯を取ったC大阪にとってJ1制覇はクラブ全体の悲願以外の何物でもないだけに、夏場の連戦を上手く乗り切りたい。

ヴィッセル神戸がアンドレス・イニエスタ、鳥栖がフェルナンド・トーレスという超大物助っ人を補強し、各チームともに巻き返しを図ってくる。その一方でC大阪は、今夏の補強では、オーストラリアの若手ピアス・ウェリングを獲得したのみ。フロントも尹監督も補強というより今のチームの熟成を優先して進めていることの表れだ。昨季の二冠で得た勝者のメンタリティと気概で“暑さ”を乗り切る“熱い”戦いを演じ、一気にリーグ制覇への礎を築いていきたいところだ。

文=元川悦子

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