2018-08-06-yuya-osako(C)Getty Images

名門ブレーメンに加入した大迫勇也、大きな期待と新たな目標とは?【サムライたちの現在地】

●立ち位置

右ウイングのレギュラー候補​

●個人目標

以下に続く

主軸としてEL出場権の確保に貢献​

●ポジション争いのライバル

マルティン・ハルニク、ミロト・ラシチャ

昨シーズンは目標の二桁ゴールに届かず…

2018-02-27 Osako Koln

7ゴール・6アシストを決めた2016-17シーズンを経て、さらなる飛躍が期待された昨シーズンの大迫勇也はよもやの停滞を余儀なくされた。開幕6試合での総得点がわずか1と攻撃が噛み合わなかったチームの中で、自身のパフォーマンスもなかなか上げられず、第7節のRBライプツィヒ戦になってようやく初ゴール。新加入のFWジョン・コルドバが負傷離脱し、前線の絶対的な柱となった第8節以降もリズムに乗れず、シーズン前半の成績は13試合出場で1ゴール、アシストなしと厳しい結果に終わった。

開幕前に立てた目標の二桁ゴールを挙げるには、後半戦だけで9ゴールを挙げなければならない。しかし、17年末に苦しめられた肺炎が治り、最下位に沈むチームとともに巻き返しが期待された後半戦も爆発できなかった。その一つの要因は、シュテファン・ルーテンベック新監督からフィニッシャーとしての信頼を得られなかったこと。CFのファーストチョイスは冬に加入したジモン・テロッデで、大迫は2シャドーの一角もしくはウイングでのプレーを強いられた。得点を増やすポイントとして「ゴール前に多く入り込むこと」と語っていた大迫にとっては、理想的な状況とは言い難かった。

それでも第23節から8戦連続でスタメンに名を連ねると、3ゴール・1アシストとアタッカーとして悪くない数字を残す。特に素晴らしかったのが、第27節のレヴァークーゼン戦だ。テロッデが欠場したこの一戦で2トップの一角に入った大迫は9分に左足で先制点をもたらすと、その後も数多くのチャンスに関与し、チャンピオンズリーグ出場権を争う格上を2-0で撃破する立役者となった。地元紙『エクスプレス』に「この試合の主役」と激賞されたほどだ。ただ、勢いは続かず、最後はレギュラー落ちする形でシーズンを終えた。

安くない移籍金と指揮官からの大きな期待

2018-08-05-yuya-osako

2部に降格したケルンに残るのか、環境を変えるのか。その去就が注目される中、新天地はすぐに決まった。クラブ関係者によれば、ケルンに残留する選択肢も考慮していたようだが、熱心に誘ってくれたブレーメンへの移籍を決意。推定移籍金600万ユーロで、ドイツ北部の名門に加わることが決まった。

入団会見で「攻撃に絡むところが僕の強みでもあるし、リズムを作るところも自分の強みであると思います」と語った大迫に対し、ブレーメンを率いるフロリアン・コーフェルト監督は「勇也はスペースのないところでも常に解決策を見つけられる。テクニックに優れ、どう動くべきかわかっている。さらに彼はフレキシブルで、攻撃的なポジションならどこでもプレーできる。中盤での動き方も知っているFWなんだ。守備的な動きもできて、我々が欲しい要素を全て持っている選手」と期待を寄せている。指揮官のこの言葉、そしてブレーメンにとっては安くない移籍金を考えれば、大迫には主軸としての貢献が求められるだろう。

チームの基本システムは4-3-3で、1トップには大黒柱の主将マックス・クルーゼが君臨。このキャプテンからポジションを奪うのは容易ではなく、主戦場は右ウイングになりそうだ。実際、プレシーズンマッチやDFBポカール1回戦でもこの位置で起用されている。ライバルとなるのは、同期入団のマルティン・ハルニクと加入2年目のミロト・ラシチャの2人。共にスピードがあり、前者は昨シーズン9ゴールの得点力、後者は柔軟なテクニックを兼備する。大迫に大きな刺激を与える存在になるのは間違いない。

「ヘディング・モンスター」との異名を獲得

2018-08-06-yuya-osako(C)Getty Images

強力な好敵手がいるとはいえ、大迫がスタメン争いをリードしているのは確か。8月11日のビジャレアル戦(プレシーズンマッチ)に続き、今季初の公式戦(DFBポカール1回戦のヴォルムス戦)でもヘディングでネットを揺らし、リーグ戦でも序盤から輝きを放ちそうな気配を漂わせている。

ケルン時代同様、CFでプレーする機会は限られるかもしれないが、1トップのクルーゼは典型的なフィニッシャーではなくアシストも決められる万能FWだ。サイドに張りつくのではなく、頻繁に中央のエリアに侵攻しようとする大迫の動きに合わせて、決定的なパスを供給してくれるはずだ。このまま右ウイングが主戦場になったとしても、日本代表FWのゴール増加に十分に期待できるだろう。

1860ミュンヘン、ケルンに続き、ドイツ3クラブ目となるブレーメンで新たなスタートを切った大迫は、ブンデスリーガ開幕直前に明確な目標を口にした。それは「このチームで欧州の舞台を戦う」こと。昨シーズン11位のブレーメンがヨーロッパリーグ出場権を得られる6位以内に入るのは容易ではないが、決して不可能な目標ではない。ブレーメンのフランク・バウマンSDから「ヘディング・モンスター」と例えられた大迫の活躍に期待だ。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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