2018-01-17-Shomurodov

乾、北川…求められる控え組の爆発。1位突破を懸けたウズベク戦で停滞感を打破できるか?

■1位突破と2位突破の違い

トルクメニスタンとオマーンを下して勝ち点6を確保し、アジアカップのグループステージ突破を決めている日本。しかし、本日開催される第3節・ウズベキスタン戦で引き分け以下の場合、グループF2位通過となり、ラウンド16での相手は数々の死闘を演じてきた宿敵・オーストラリアになる。一方、1位突破の場合はグループE2位、カタールかサウジアラビアとなる。

森保一監督は「1位突破がオーストラリアを避けるということではない。目の前の1戦に勝利するために、ベストを尽くすことをこれまで同様やっていきたい」と強調し、あくまでも勝利のみを目指す姿勢を示している。

ただ、2位通過のほうが準々決勝まで移動がなく試合間隔も空くため、チームにとってラクな側面も確かにある。だが、指揮官の秘蔵っ子である青山敏弘(サンフレッチェ広島)は前日会見で、「チームの流れを絶対に壊したくない。2位で上に行くと難しくなってくるし、何としても次の試合に勝ちたい。そのためにも全員の力が必要になる」と1位通過だけを見据えて戦っていくことを明言した。

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■GK、DFは総入れ替えの見込み

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▲ウズベキスタン戦予想フォーメーション

とはいえ、過去2戦でフル稼働したメンバーの多くを休ませなければ、決勝までの残り5試合は戦い抜けない。そういう意味でも森保監督はウズベキスタン戦で大幅なメンバー入れ替えに踏み切る見込みだ。

すでに警告をもらっているGK権田修一(サガン鳥栖)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)は次戦を考えると休ませざるを得ない。それ以外にも連戦で疲弊している選手がいる。おそらく今回は、13日のオマーン戦から8、9人が代わる可能性が高い。

その顔ぶれを予想すると、まずGKはシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)が濃厚だ。腰を痛めて別メニューを強いられている東口順昭(ガンバ大阪)の復帰がしばらく先になると見られるだけに、権田にアクシデントが発生した場合を想定すると、どうしてもシュミットの存在が必要になる。足元の技術も確かな197cmの大型GKが存在感を示せるかは、今後の重要なテーマだ。

最終ラインは右から室屋成(FC東京)、三浦弦太(G大阪)、槙野智章(浦和レッズ)、佐々木翔(広島)が有力。槙野のところにキャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)が入ることも考えられるが、吉田自身もイングランドから赴いていきなり短期間で2戦を消化したことで疲労は溜まっているはず。であれば、ここは同じロシア・ワールドカップ組の槙野にけん引役を託したほうがいい。ロシアW杯GS第3節・ポーランド戦で苦い敗戦を経験した槙野は言う。

「日本でのアジアカップの注目度があまり高くないと聞いている。ロシアのときは1戦目、2戦目でつかんだファンを3戦目で気持ちのいい感じでなくなるようにしてしまったので、今回は3戦目でもう一回、関心度を高めるために内容と結果を出さないといけない」

ボランチ陣は森保体制スタート時のキャプテンだった青山と、風邪による出遅れからオマーン戦でようやく復帰した遠藤航(シント=トロイデン)が組む方向だ。追加招集された塩谷司(アル・アイン)もあり得るが、コンビ未経験の2人を1位通過の懸かる一大決戦で起用するのもリスクが高い。いずれにしても、青山はリーダーとしての重責を負うことになる。

■控え攻撃陣はまさに正念場

攻撃陣は、2列目右に伊東純也(柏レイソル)、左に乾貴士(ベティス)、トップ下に北川航也(清水)、1トップに武藤嘉紀(ニューカッスル)というフレッシュな組み合わせになるだろう。

北川はすでにトルクメニスタン、オマーンの2戦に連続出場していて、アジアカップ特有の雰囲気や環境にも慣れたはず。右でん部負傷で別調整の続く大迫勇也(ブレーメン)の代役として1トップで先発起用されたオマーン戦では不完全燃焼に終わり、長友佑都(ガラタサライ)ら先輩たちからさまざまなアドバイスを受けた。

長友のように「若手が力を出し切れないのは僕らベテランの責任」と言う者がいる一方、「若い選手には這い上がってほしい」と注文をつける大迫のような選手もいて、本人も自分のやるべきことを熟考したに違いない。

「FWなのでボールが来ないと仕事はできないと思う。ボールを要求するのはもちろんだし、自分が試合を決める気持ちを持つことも大事だと思うので、そこは明日の試合でも出していければいい。でもまずはチームが勝つために何が必要かを考えてやりたい」と、自身のエゴと献身性のバランスを模索しているが、それがハッキリすればもっと効果的な働きを見せられるはずだ。

いずれにしてもこの3戦目が勝負の一戦になるのは確か。それは伊東や武藤らオマーン戦に途中出場した面々も同様だ。「ここで使えないと思われたら切られる立場」と武藤は再三語気を強めていた。今度こそ目に見える結果を出してほしい。

そして、多くの人々が最もゴールへの大きな期待を寄せるのが乾だろう。

ご存知の通り、ロシアでチーム最多の2点を叩き出した印象は今も鮮明に残っているはずだ。あれから半年が経過し、新天地に赴いた乾は今季リーグ戦で8試合しかピッチに立っていない。直近の公式戦も昨年12月13日のUEFAヨーロッパリーグ・F91デュデランジュ戦と、約1カ月試合から遠ざかっている。そこは懸念材料ではあるが、今大会での乾はつねに声を出し、チームの盛り上げ役としてフル稼働している。その姿勢は必ず日本をプラスの方向に導くはずだ。

■選手層の厚いウズベキスタン

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▲ロシアリーグでプレーするショムロドフ。今大会すでに3得点を挙げている

ここまで出番の少なかったメンバーがイキイキと躍動し、選手層の厚いウズベキスタンを一蹴できれば、確実にここまでの停滞感を打破できる。

第3節で対戦するウズベキスタンはFIFAランク95位(日本は50位)で、今大会第1節をオマーンに2-1、第2節ではトルクメニスタンを0-4で破り、グループF首位。23歳のFWのショムロドフ(FKロストフ/ロシア1部)が2試合で3得点を決めている。また、ジュビロ磐田のDFムサエフ、レノファ山口のDFトゥルスノフという2名のJリーガーも所属する。この日本戦には、2018年のAFC・U-23選手権中国大会MVPのハムロベコフ(FCナサフ/ウズベキスタン1部)ら若手控え組が出てくると見られる。かつてバレンシアやインテルで成功を収めたアルゼンチン人の名将、エクトル・クーペル監督も「勝つことが大事。いいプレーをして勝ち点3を取りたい」とモチベーションが高いだけに簡単な試合にはならないだろう。

ハイレベルな宿敵を、サブメンバー中心の日本が倒せるか否か。ここからの決勝トーナメントで流れをガラリと変えそうな人材が出てくるのか。そのあたりに注目しながら、グループ順位決定戦となる一戦を見てみたい。

文=元川悦子

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