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フランクフルト主将が語る好調のワケ。多国籍軍団でもロッカールームは大盛り上がり?/独占インタビュー

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アルゼンチン人DFダヴィド・アブラハムが2015年から籍を置くアイントラハト・フランクフルトは、昨シーズンのDFBポカール決勝でバイエルンを破って優勝を手にするという快挙を成し遂げた。そして今シーズンもまたブンデスリーガで好調をキープするだけでなく、ヨーロッパリーグでも無傷の6連勝を収めるなど大成功を手にしている。

ニコ・コバチ監督がバイエルンへと去り、今シーズンからアディ・ヒュッター監督が後任に。簡単なシーズンではなかったはずだが、なぜフランクフルトが成功の波に乗れたのだろうか。

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そして今季はセバスティアン・ハラー、ルカ・ヨヴィッチ、アンテ・レビッチというフランクフルトの若きFWトリオが覚醒したかのように大暴れ。チームのキャプテンを務めるアブラハムが『Goal』の独占インタビューで、これらの疑問に答えてくれた。

■成功の理由は全員のメンタリティー

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――まず一番にお聞きしたいのは、フランクフルトの成功の理由です。監督が代わって簡単ではなかったですよね?

僕たちは新しい監督と新しいコンセプトのもとでシーズンを開始した。選手と監督はすぐに打ち解け合えたし、監督の考え方を理解して切り替えもうまくいった。知っての通り、今までずっと僕たちはチームとして素晴らしいまとまりを見せることができている。僕たちは全員で同じ方向を目指して進み、大きなことをやり遂げようとしているところなんだ。ヨーロッパリーグではすべての試合で勝ちを収めている。ブンデスリーガでも、前半戦最後のバイエルン戦では負けたけど、うまくやっている。何より大事なのはチームとして仕事をすることだ。監督が繰り返し僕たちに求めているのもそこなんだよ。

――フランクフルトは多文化が共存するチームで、いろいろな国の言葉が飛び交っていると聞きます。試合中、またそのほかの時間にしても、どんなふうに意思の疎通が行われているんでしょうか?

ちょっと愉快なことになってるよ(笑)。  ロッカールームでは5つも6つもの国の言葉が飛び交っていて、僕らはどの言葉もほんの少し理解できるんだ。僕らはみんな、いつでも隣にいる仲間に何が話題になっているのか説明して、話について来れるようにするんだよ。ジェスチャーを使ったり、下手な英語とか下手なドイツ語を使ってね。みんな素晴らしいやつばかりなんだ。それが僕らの特徴だね。僕らは皆同じ目標を見据えていて、一人ひとりが素晴らしいメンタリティーの持ち主なんだ。ピッチの上の僕らを見てもわかるだろ?

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――キャプテンとしてそういうチームを率いることを誇りに思いますか?

シーズン前に監督から話があって腕章を渡された時には、本当にすごく誇らしい気持ちになったよ。キャプテンになるというのは何か特別なことで、今まで経験した中でも最高に素晴らしいことの一つだね。今のチームを率いることができるからというだけじゃなく、伝統を背負ったアイントラハト・フランクフルトというクラブの代表を務めることを許されたんだから。確かに責任は大きいけれど、僕らは互いに助け合うことを知っているよくまとまったチームだし、僕だけがリーダーってわけじゃないんだ。

――ほかには誰が責任を引き受けてくれるのでしょう?

たとえばマルコ・ルスや長谷部誠、ティモシー・チャンドラー、ジェルソン・フェルナンデスなんかだよ。彼らは皆とてもポジティブなタイプだし、常に自分のためになることより、チームのためになることだけを考えてるんだ。僕たちがこんなにうまくいっているのはそのせいでもあるんだよ。

■最強アタッカー陣は「練習でも大変」

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――レビッチ、ヨヴィッチ、ハラーというフランクフルトのFW3人組が今大いに話題になっていますね。このトリオが特に優れているのはどういう点でしょうか?

あの3人は完璧なマシーンだね(笑)。  練習の時でも彼らと対戦するのはすさまじく大変だから、試合で相手チームの選手たちがどんな目に遭わされるか想像がつくんだ。3人ともとても素晴らしい、とてもタフな選手たちで、すごくチームに貢献してくれている。彼らが力を合わせてみんなの力になろうと集中することで、僕らはチームとして違いを生み出すことができるんだ。後ろでプレーしている僕たちは、常に彼らが自分の仕事をできるようにしようと考えている。彼らは信じられないくらい素晴らしいよ。3人ともがね。彼らが気分よくプレーしている時には、その勢いを止められる者なんてほとんどいないだろうね。

――ハラーはいつも非常に落ち着いていますね。普段の彼はどんなタイプなんですか?

彼はとても冷静だし、本物のプロで、常に自分の仕事をきちんとやっている。これだけの仕事をしているというのに、控えめで得意になったりはしないんだ。チームメイトとしてとても気持ちのいいやつだし、すごくチームの力になってくれている。

――このところ、ダニー・ダ・コスタのこともよく話題に上っていますね。彼は注目すべき選手というだけでなく、人間的にもなかなか面白いところがありますね。そうじゃないですか?

まあ、そういうところはあるね(笑)。  いや、真面目な話、彼はほんとにいいやつだよ。それに、ポジション上、僕の隣に彼がいてくれてよかったと思っている。彼は素晴らしい右サイドバックだからね。僕にはわかっているんだ。どんな時でも彼が助けになってくれると信じていいんだって。試合以外の時にも僕たちはものすごく気が合っている。彼は本当に愉快なやつで、冗談を言うのが大好きなんだ。

――ダニー・ダ・コスタは少しスペイン語が話せるんですか? 彼とあなたはどんなふうにコミュニケーションを取っているんでしょう?

いやいや、僕がほんとにちょっぴりドイツ語を話せるんだ(ダニー・ダ・コスタはドイツ出身)。彼とコミュニケーションを取るのは簡単じゃないけど、だけど、いつも最後には何とかわかり合えてるよ。

■ヒュッター監督と前任者コバチの違い

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――アディ・ヒュッター監督は、フランクフルトとの契約書にサインした時点で、ドイツではそれほど名前を知られていませんでしたね。あなたは以前から彼のことを知っていましたか?

うん、僕と彼は、僕がスイスのバーゼルにいた頃に知り合ったんだ。彼は当時、監督資格取得のための実習という目的で、1週間から10日ほど僕たちのチームを覗きに来ていた。それに、僕はずっとヨーロッパ全体のフットボール、中でもスイスリーグの動向をチェックしていたから、この前のシーズンに彼がヤングボーイズでやり遂げたことも知っていた。彼は30年ぶりにヤングボーイズにタイトルをもたらしたんだからね。そんなわけで、彼が僕たちのところへ来る前から、彼についてはいくらか知っていたよ。ヒュッターのことはジェルソン・フェルナンデスとも話したことがある。フェルナンデスはスイス代表チームのメンバーだから、「ヤングボーイズとヒュッターがうまくやってるな」って何度も話題になったんだ。

――ヒュッターはどんなタイプの監督ですか?  前任者のコバチと似ている点や違う点はどういうところでしょう?

監督は一人ひとり違うし、人間は皆違うんだから、比較してもしょうがないんだけどね。アディは選手にとってとても身近な監督だよ。チームの全員と何度も話し合うことを大切にしていて、けれど、選手一人ひとりとの話し合いもちゃんとやるんだ。戦術面で言えば、アディとニコの間にはいくつかの点でほんのちょっと違うところがあるね。2人ともそれぞれに自分の考え方や物の見方を持っているけれど、そのどれをとっても僕はもっともだと思っている。だって、どれも同じように効果を挙げているんだから。アディは僕らを手厚くサポートしてくれるし、どんな状況でも僕らが自分たちの力を信じるようにって、そのことに強くこだわっている。その点について言えば、確かに彼はニコよりもいくらか熱心に僕たち選手に寄り添うタイプの監督だね。

――フランクフルトの今年の大きな目標は何ですか? ヨーロッパリーグ優勝、あるいはチャンピオンズリーグ出場権の獲得(4位以内)でしょうか?

その質問に答えるのは難しいね(笑)。  もちろん、ヨーロッパリーグではできるだけ先まで勝ち残りたいと思っている。当たり前のことさ。そしてブンデスリーガでは最後の瞬間まで、最終節まで、ヨーロッパリーグあるいはチャンピオンズリーグへの出場資格を得るチャンスを持ち続けていたいと思っている。これが目標だね。けれど、僕たちに必要なのは今の調子を維持していくことだ。1試合1試合よく考えて、忍耐強く構えていく必要がある。シーズンが終わるまでにはまだたくさんの試合が残っているからね。

■「DFBポカール優勝は最高の瞬間だった」

David Abraham Eintracht Frankfurt DFB Pokal 2018

――あなたのことを話しましょうか。今フランクフルトで4シーズンを送っていますが、フランクフルトというクラブ、そしてフランクフルトという町はあなたにとってどんな意味を持っていますか?

僕は本当にここがすごく気に入ってるんだ。今までも何度も言ってきたことだし、これから先もそうだろうと思っている。フランクフルトは第2の故郷だよ。ここで僕は自分のキャリアの中で最高の時間を過ごしてきたんだ。DFBポカールでは信じられないくらい素晴らしい経験をしたよ。まずドルトムントと決勝戦を戦い(2016-17シーズン)、次はバイエルンと決勝を争ったんだから。その上、バイエルン戦では僕たちが優勝を勝ち取ったんだからね。あれは僕のキャリアの中で最高の瞬間だったよ。これからも何度も思い返すことになるだろうね。ここには素晴らしい人たちがそろっている。フットボールに関わる人たちも、マーケティングに関わる人たちも、クラブで一緒に仕事をしている人たち皆がそうなんだ。誰だってすぐにわかると思うけど、僕たちは大きな家族のようなものなんだよ。

――それに、フランクフルトのファンも…

最高だね! ヨーロッパリーグの試合では、フランクフルトファンの信じられないような熱気がいつもにも増して感じられるんだ。

――フランクフルト以外のクラブのファンの間では、ヨーロッパリーグはそれほど重要視されていないように思われますが、どうですか?

それはまさにそうだね。普通ヨーロッパリーグの試合を見にいくと、もちろんスタジアムが空っぽなわけじゃないけれど、50%から70%しか埋まっていないことがしょっちゅうだ。特別な雰囲気ってものもないし。ただし、僕らを除いての話だ。フランクフルトのメンバーとしてヨーロッパリーグで戦えば、フットボーラーとして経験できるいろいろなことの中でも、最高に信じられないような素晴らしい経験ができるんだ。アポロン・リマソール(キプロス共和国のクラブ)とアウェーで戦った時、相手の選手が僕のところへ来て言っていたよ。「こんなこと、とても信じられないね」ってね。だから僕は、すべての試合を一つ残らずサポートしてくれるフランクフルトのファンにとても感謝しているよ。

――最後の質問です。フランクフルトであなたのキャリアを終えるということもありえますか?

とにかく、2021年にフランクフルトとの契約が終わるまではしっかり仕事をしたいと思っている。それでキャリアを終わりにするかどうかはわからない。それはその時の気持ちや、どのくらい故障なしでいられるかということ次第だね。ひょっとしたら、その後もう2~3年はアルゼンチンでプレーするかもしれない。けれど、もうヨーロッパに留まらないのは間違いない。だから、僕がヨーロッパで籍を置くクラブとしては、フランクフルトが最後になるだろうね。

インタビュー・文=ケリー・ハウ/Kerry Hau

構成=Goal編集部

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