2018-06-29 Belgium Roberto MartinezGetty Images

ベルギーメディアや関係者は日本をどう見る?通過点ムードの要因となる2つの弱点【現地レポート】

ベルギーは、グループリーグ最終戦でイングランドと対戦した。そもそも、この試合がベルギーとイングランドにとって、勝って1位になったほうがいいのかどうか、判断の難しい試合ではあったのだ。果たしてベルギーが1−0で勝利したことで、日本との対戦が決まった。

グループリーグを全勝し、1位通過で日本との対戦が決まった時の受け止められ方は、元ベルギー代表FWマルク・デグリースが『ヘット・ラートステ・ニュース』に語ったコメントが一般的だろう。

「グループウィナーとして我々は日本と対戦する。日本はコロンビアより弱い相手で、レッドデビルズは今度の一回戦では優位と見られている。その後、準々決勝でブラジルと当たることが予想される。しかし、このシチュエーションに対して、もはやできることは何もない。ブラジルを避けるためにグループで2位になるとか、そういったことは過去の話だ」

以下に続く

「グループリーグで最大の勝ち点を取って首位に立ったことで、我々はこのトーナメントにおける自分たちの状況が厳しくなった。イングランド戦の結果、そうなったのだが、しかしこの勝利によってレッドデビルズの大きく自信を付けた。これから試合から試合へと見ていかないといけない。優勝候補のブラジルと対戦するより良いチャレンジはないだろう?」

概して言えば、ベルギー側の人々は、『次の日本戦は勝てるだろうが、厳しい山に回ってしまった、日本戦の次に当たるだろうブラジル戦が最初の大きなチャレンジになる』と見ているわけだ。

■選手、監督に油断はなし

2018-06-29 Belgium Roberto MartinezGetty Images

もちろん、当の監督や選手たちは日本を過小評価するような過ちは犯してはいけないと口を揃える。

「ブラジルが準々決勝に来るかどうかはわからない。予想どおりのシナリオなんて計画できないんだ。良いチームがすでにワールドカップから去っている。その他にも敗退の瀬戸際にあるところもある。我々は2日の日本戦を見つめないといけない。それが全てだ」

マルティネス監督は堅実に物事を進めようとしている。

6月30日にプレス会見に出席したFWドリース・メルテンスも、油断はしていないようだ。メルテンスはジャーナリストから、ベルギーは体格的に優位だがそれをどう活かすべきか、と質問された。大柄な選手が多いベルギー代表にあって自身が小柄なメルテンスは「それは僕に聞いちゃいけない(笑)」と思わず笑いながら答えていた。そこから真面目になり、「彼らを過小評価するべきではないし、我々はすでに彼らと対戦している。ただ、それから多くの選手がいなくなっているし、我々もそうだ。練習試合とは何かしら違ったものになると思っている。多くの選手たちが、頻繁に一緒にプレーしているわけじゃないし、そこには多くの変化もある。ブルージュでの練習試合は(我々のプレーは)悪かったという印象を持っているし、ワールドカップは常に違ったものになるものだ」とコメントしている。

■サッカー協会は見事な手腕を発揮?

Belgium World Cup 2018

中にはトーナメントの組み分けに大きな満足感を感じてる人物もいる。ベルギーサッカー協会のテクニカル・ディレクター、クリス・ファンパイフェルデだ。彼は2つの点で満足しているとベルギーのメディア『フットバルクラント』に語っている。

「私は2つの事柄についてとても満足している。1つ:(イングランド戦含めて3連勝して)我々は我々の強さを確認することができた。2つ:我々がメキシコと日本とテストマッチを組んだ時に我々は多くの批判を受けた。今、その2チームは、一つは対戦することになり、もう一つとも対戦することになるかもしれない」

強化部としては、テストマッチの対戦国選定を含めた代表チームの強化が意味のあるものだったという手応えはあるだろう。

「勝ち点9のうち9を獲得したことは、すでに我々の何かを示している。このシグナルは、このグループがとても素晴らしさからきている。我々は自分たちに大志があることを世界に示した」

■日本の弱点はどこにある?

2018-06-29 Japan

さて、最後にベルギーのメディアはどう見ているのか。『フットバルクラント』が日本代表について書いた記事を抜粋しよう。

 まずは強さ。『ノー。サムライブルーに強い印象を受けなかった。しかし、過小評価する大きな間違いをしてはいけない。彼らは小さく、シャープで、速く、テクニカルで、すばやくボールを回す。コンビネーションを尊んでいる。ペナルティエリアの外からのシュート? 彼らはそれを知らない』。

 ビッグネームについては、香川、本田、岡崎の名前を挙げていた。注目すべき点として、長友、乾が取り上げられ、警戒すべきだと見ているようだ。

 そして弱点について。大きく3つ上げられていた。

『高さと強さに欠けていることが問題とされている。我々の空中戦の強さ、その利点を活かすべきだろう。コーナーやフリーキックがベストな方法だ』。

 『守備はより印象が薄い。特にGK川島は彼の経験があるにしても、キャリアでベストの時期ではない。ポーランド戦では素晴らしい仕事をしたが、コロンビア戦とセネガル戦ではミスをした』。

 『最終局面で効率性を欠いている。リアルゴールゲッターが日本にはいない。岡崎は、116キャップ50得点だが、最初の2試合はベンチスタート。他にはケルン(ブレーメンへ移籍)の大迫がいる。確かに彼はコロンビア戦で決勝点を決めた。しかし、セネガル戦では3回のチャンスをフイにした。ボックスにキラーがいない』。

 GKに問題があり、真のゴールゲッターがいない。それが日本の弱点だと見ている。

文=堀秀年

Goal_worldcup_article_banner

▶サッカー観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

広告