2018-04-05-kengo-nakamura(C)Goal

【動画】中村憲剛がマンチェスター・ダービーを徹底解説!見どころは策士モウリーニョの逆襲?【中村憲剛のMSN】

こんにちは中村憲剛です。

Jリーグはまだ序盤戦ですが、ヨーロッパのサッカーシーンは、いよいよ終盤戦に突入しました。各国リーグにおける上位陣の争いは過熱する一方でしょう。なかでも見逃せないのが同じ都市を二分する強豪クラブ同士のガチンコ対決。いわゆる、“ダービー・マッチ”ですね。そこで今回は第1弾として、シティとユナイテッドによる『マンチェスター・ダービー』にフォーカスしたいと思います。

2018-04-05-kengo-nakamura(C)Goal

■苦しむユナイテッドのカギはモウリーニョ

目下、シティがプレミアリーグで1位、そしてユナイテッドが2位。一応「首位決戦」ではありますが、両チームの勝ち点差は実に16ポイントもあります。タイトル争い云々と言うのは難しい試合ですね。むしろ、ユナイテッドが、いや、それ以上にジョゼ・モウリーニョ(監督)がなりふり構わず勝ちに行く戦いができるかどうか。そこに最大の見どころがあるんじゃないかと。

今季のユナイテッドは中盤から後ろ――とりわけセンターライン(セントラルMFとセンターバック)に死角があったような気がします。軸が定まっていないような印象ですね。本来ならば、(ポール)ポグバがその役回りを担うべき存在なのかもしれませんが、思いのほか、使いどころの難しい選手かなと。個の能力やポテンシャルの高さに疑う余地はないのですが、どこがベストポジションなのか。典型的なトップ下でもなければ、生粋のセントラルMFでもない。4-2-3-1のどこに据えても、何かしっくりこない感じですね。

Pogba Mourinho Tottenham Manchester United Premier League 01312018Getty Images

ポグバを正しく使えば、ユナイテッドも大きく変わるでしょうが、まだ「これ」というソリューションを見いだしていない印象が強いんです。パズルが完成していないぶん、伸びシロがあるとも言えますが……。ポグバの使い方は別にしても、今回のダービーに向けて何か策を練ってくるんじゃないかと。前回の対戦(ユナイテッド1-2シティ)は真っ向勝負を挑み、スコア以上の完敗でしたからね。モウリーニョ率いるユナイテッドは同じ轍を踏まないだろうと。

思えば、スペインの『クラシコ』でペップ(グアルディオラ監督)の率いるバルサにあの手この手で対抗した頃のモウリーニョは、良い意味でギラギラしていましたね。ただ、最近は当時の尖った感じがやや薄れつつあるような気がします。角が取れて丸くなったというか……。そこでいかに己を炊きつけ、選手たちを奮い立たせることができるか。シティにひと泡吹かせるカギはそこにあるかと。

Jose Mourinho Real Madrid BarcelonaGetty Images

■ペップ・シティの恐ろしさとは?

正直、いまのシティはおいそれと倒せるような相手じゃないですよ。個(の力)を伸ばしつつ、チームとしても洗練されている。だから本当に隙がない。しかも凄いのは手元にある選手たちの特徴を少しも殺さず、十全に生かしていることですね。コンセプト(大枠のシステム)は同じでも、これまでペップの率いてきたバルサ、バイエルン、シティはいずれも特徴の違ったチームに仕上がっている。

Pep GuardiolaGetty Images

いや、個々の特徴はもとより、各々の潜在能力まで引き出していますからね。あのレベルの選手たちが、こうも変わるものか――というくらい。クセが強く、一筋縄ではいかないはずの選手たちを「その気」にさせてしまう。こんな面白いサッカーができるのかと。それを実際に提示して見せることができるんでしょうね、ペップは。いかに指導者の存在が大きいか。今季のシティを見ていて、あらためて、そう思いましたね。

これまでのプレミアリーグと言えば、良くも悪くもイケイケのハイテンション。その意味で今季のシティはかなり異質な存在でしょうね。観る者が思わず「感嘆のため息」を漏らすという……。そんなアイディア、そんな崩し方があったのかと。それこそ、目から鱗――みたいな。現地で観戦しているファン・サポーターの人たちは「こういうサッカーがあるのか」と新鮮味を感じているかもしれませんね。  

2018-04-05-kawasaki-kengo

■勝敗の分かれ目は…

逆にモウリーニョのチームは手元にいる選手が違っていても既視感がある。先に明確なロールモデルが存在し、そこに人(選手)を寄せていく。すでに成功例(実績)はあるから、それぞれのピースがうまくハマれば強い。そもそも自分のシステムにハマるピースを意識的に補強していく。その作業を(監督就任)2年目に完了し、タイトルを取ってきたわけですが、今季は前述したポグバの件も含め、そこの判断が難しいですね。

いや、だからこそ、モウリーニョにも忸怩(じくじ)たる思いがあると思うんですよ。このままペップに殴られっぱなしでは、本人のプライドが許さないでしょう。勝つためなら手段を選ばず――といった権謀術数をはりめぐらすモウリーニョの意地に期待したいですね。今回のダービーが名勝負になるかどうかの分かれ目はそこかなと。

Pep Guardiola, Jose MourinhoGetty

分かっちゃいるけど止められないのがペップのシティなら、分からないから止められないのがモウリーニョのユナイテッド――そんな図式になれば面白いですね。前回のようにペップ(シティ)と同じ土俵に立ったらダメでしょう。一体何をやってくるのか。その不気味さ、実行力あってのモウリーニョですからね。策士の逆襲が楽しみです。

構成=北條聡

▶プレミアリーグ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

【DAZN関連記事】
DAZN(ダゾーン)を使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
DAZN(ダゾーン)に登録・視聴する方法とは?加入・契約の仕方をまとめてみた
DAZNの番組表は?サッカーの放送予定やスケジュールを紹介
DAZNでJリーグの放送を視聴する5つのメリットとは?
野球、F1、バスケも楽しみたい!DAZN×他スポーツ視聴の“トリセツ”はこちら ※提携サイト:Sporting Newsへ

広告