フランス代表やマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍したパトリス・エブラが、現役からの引退を発表した。
酒井宏樹とチームメイトだったマルセイユ時代にファンにハイキックを見舞って試合開始前退場という前代未聞の事件を起こし、その後同クラブから契約解除されたエブラ。昨年にはウェスト・ハムに短期間在籍するも、昨夏に退団し、以降1年以上にわたって無所属の状態が続いていた。
そして29日、エブラはイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』で「僕の選手としてのキャリアはこれで正式に終わりだ」と現役からの引退を正式発表し、今後はコーチとしてのキャリアをスタートさせると明かしている。
「2013年にUEFAのB級コーチングライセンスのトレーニングを始めた。僕はこれを終わらせようと思っていて、今後はA級ライセンスを取得するつもりだ。これからの1年半、すべてのことが上手くいけばチームを率いる準備が整う。サー・アレックス・ファーガソンは2人の教え子がハイレベルなコーチになると予想していた。それはライアン・ギグスとパトリス・エブラだ」
パリ・サンジェルマンの下部組織からイタリアに渡ってプロとしてのキャリアをスタートさせたエブラ。その後、ニースやモナコを渡り歩き、2006年1月にマンチェスター・Uに加入。7シーズン半にわたってプレーし、チャンピオンズリーグ制覇やプレミアリーグ5度制覇など栄光に包まれた時代を送ると、2014年にユヴェントスに移籍。イタリアでもセリエA3連覇を達成した。フランス代表としても2度のワールドカップに出場するなど、81キャップを記録している。
2017年のヨーロッパリーグでのファンへの蛮行以外にも、マンチェスター・U時代には人種差別発言を巡るルイス・スアレスとの対立、さらに2010年ワールドカップでのボイコット事件など、プレー以外の面でメディアを賑わせることも多かったエブラ。それでも、これまでに21個もの主要トロフィーを獲得している。世界屈指の名フルバックとして名を馳せた38歳は、現役生活20年で正式にスパイクを脱ぐこととなった。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です