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先発復帰の久保建英、執念のスライディングクロスで決勝点を導く!バレンシア撃破のレアル・ソシエダがEL出場圏に返り咲き

16日のラ・リーガ第36節、レアル・ソシエダは本拠地レアレ・アレーナでのバレンシア戦を1-0で制した。MF久保建英は3試合ぶりの先発復帰を果たし、今季5アシスト目を記録している。

前節バルセロナ戦(0-2で敗北)から中2日でバレンシアとの一戦に臨んだソシエダ。イマノル監督はローテーションを敢行し、ここ2試合でベンチスタートとした久保をスタメンに含めている。使用システムはいつもの4-3-3で、中盤に右からミケル・メリーノ、トゥリエンテス、ザハリャン、前線に久保、アンドレ・シウバ、バレネチェアが並べられた。

ソシエダはキックオフから3分後、いきなり先制点を記録。先発復帰の久保の存在感も光るゴールだった。

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左サイドのバレネチェアがペナルティーエリア内右にクロスを送ると、そこにフリーで、全速力で走り込んできた久保が、滑り込みながら左足アウトサイドを使ってボールを折り返す。GKママルダシュビリの頭上を越えた山なりのボールを、アンドレ・シウバが頭で枠内に押し込んだ。

ゴールラインを割りそうだったバレネチェアのクロスに何としてでも追いつくという執念を見せ、ゴールをお膳立てした久保は、これで今季公式戦の成績を7ゴール5アシストとしている。なお現地スペインの実況には「久保はイマノルに『自分への信頼を失ったかもしれないが、俺はここにいるんだ』とアピールしましたね」と言わしめるほどの存在感だった。

ソシエダはその後もバレンシアに攻勢を仕掛け、久保も右サイドから積極的にチャンスメイクを試みる。13分には立て続けにクロスを送ってバレンシアに危機を感じさせ、さらに23分には対面するディエゴ・ロペスを一瞬のスピードでいとも簡単に置き去りにし、さらにフォルキエの突破も狙ったものの、2人目の突破は惜しくもかなわなかった。

ソシエダは追加点を獲得できないまま試合を折り返し、迎えた後半にはバレンシアの反撃も受けるように。そうした中で久保は、58分に再び得点を予感させるプレーを見せる。右サイド深い位置からのフリーキックで、日本人MFがファーに送ったボールにバレネチェアが頭で合わせたが、これは惜しくもサイドネットを揺らすのみに終わった。

イマノル監督は60分に交代カードを切り、バレネチェアとザハリャンを下げてベッカーとブライス・メンデスを投入する(ベッカーはバレネチェアの代わりに左ウィングに)。その3分後には中盤からドリブル突破を仕掛けた久保が、ディエゴ・ロペスに体をつかまれ、無理に倒されたことで激昂。一触即発の雰囲気となっている。

イマノル監督は74分、今度はオドリオソラ、アンドレ・シウバとの交代でトラオレ、オヤルサバルをピッチに立たせる。久保はというと、ガヤに後方からかかとを踏まれるなど、その鋭いドリブルへの対応に苦慮するバレンシア守備陣から手荒く止められ続けていた(そのほかフォルキエに臀部を蹴られたり、カノスから頬に打撃を加えられる場面も……)。後半になって失速気味だったソシエダだが、バレンシアのゴールは最後まで許すことなく、虎の子の1点を守り切る形で勝ち点3を獲得している。

2試合ぶりに勝利を取り戻したソシエダは、同日にラス・パルマスと引き分けたベティスを勝ち点1差で上回り、ヨーロッパリーグ出場圏6位の座を取り戻した。次節ではベティスと運命の直接対決に臨むことになる。

なおフル出場を果たした久保は、ファン投票によるこの試合のMOMに選出された。MOMとなるのは、今季9回目だ。

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