No Room for Racism Marcus Rashford Manchester United Premier League 2020-21Getty/Goal composite

プレミアリーグ、UEFAらによるソーシャルメディア・ボイコットとは?開始時期・概要まとめ|SNSでの誹謗中傷や人種差別へ抗議

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    英国フットボール界がSNSボイコットを表明

    イングランドサッカー界は今週末、ソーシャルメディア・ブラックアウトを実行。FA(イングランドサッカー協会)、EFL(イングリッシュ・フットボールリーグ)、FA WSL(女子スーパーリーグ)に加えて、プレミアリーグのクラブがこの抗議活動に加わった。

    「Facebook(フェイスブック)」、「Twitter(ツイッター)」、「Instagram(インスタグラム)」といったSNSプラットフォームのボイコット運動はイングランドサッカー界が計画した活動だ。サッカーを含むスポーツ選手らを筆頭に、ネット上での人種差別的発言や誹謗中傷といった問題を世間に強調するための試みだ。

    この抗議活動により、マンチェスター・ユナイテッドvsリヴァプール、ニューカッスル・ユナイテッドvsアーセナルといった今週末に行われる試合は、ソーシャルメディア上で告知されないことになる。

    英国フットボール界のソーシャルメディア・ボイコットについて、概要や開始時期、終了時期、どのような組織が関わっているかなど、知るべき要点をまとめた。

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    ボイコットの開始・終了時期

    プレミアリーグのボイコット活動は、2021年4月30日(金)、英国時間で午後3時(日本時間午後11時)より開始された。

    ボイコット活動は4日間続く予定だ。4月30日から始まり、2021年5月3日11時59分(日本時間7時59分)に終了する。

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    ボイコット活動に参加する団体

    • FA
    • プレミアリーグ
    • EFL(イングリッシュ・フットボールリーグ2~4部の組織)
    • 女子スーパーリーグ、FSA(サッカーサポーター連盟)
    • PFA(プロフェッショナル・フットボーラーズ・アソシエーション:FA加盟クラブの労働組合)
    • LMA(リーグ・マネージャー・アソシエーション:FA加盟クラブ・代表マネジメント層の労働組合)
    • PGMOL(プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャル・リミテッド:試合役員の団体)
    • Kick It Out(キック・イット・アウト:サッカー界の反差別啓発組織)
    • 女子チャンピオンシップ(イングランド女子2部)
    • Women in Football(女子サッカーの地位向上・反差別の啓発を目指す団体)
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    なぜプレミアリーグはSNSボイコットをするのか

    今回のソーシャルメディア・ボイコット活動はインターネット上で行われる人種差別や、そのほかの差別的な中傷に対する抗議活動として、英国フットボール界の様々なステークホルダーが組織するものだ。

    プレミアリーグの声明によると、英国フットボール界が団結したのは「ソーシャルメディア企業はこれまで以上にネット上のヘイト表現を一掃する努力をしなければならないことを強調し、差別との戦いについて啓発活動を行う重要性を強調するため」である。

    FacebookやTwitter、Instagramといった企業に対し、より一層の対応強化を求めると同時に、ボイコット主導者たちはイングランド政府に対しても要求。オンライン安全法案の制定にあたって、ソーシャルメディア企業が現在の問題点について一層責任を持つよう強いる条項を盛り込むよう促した。

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    SNSボイコットの狙い

    ボイコットに先駆けて、プレミアリーグのチーフエグゼクティブを務めるリチャード・マスターズ氏は次のように発言している。

    「どんな形であれ人種差別行為は容認できず、ソーシャルメディア上で見られる選手へのおぞましい誹謗中傷についても、これ以上続くことは断じて許されない」

    「プレミアリーグとクラブは今回のボイコットに関してサッカー界と協力し、ソーシャルメディア企業が人種的な憎悪をなくすことができるよう努力する必要があることを訴えることになった」

    「ソーシャルメディア企業に挑む姿勢を止めず、ポリシーや、オンラインでの差別や中傷行為に対応するプロセスに大きな改善がなされることを期待する」

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    他のクラブや組織は抗議活動に参加する?

    欧州フットボール界の運営組織であるUEFA(欧州サッカー連盟)も、このボイコット活動に参加する。大組織の参加によって、今週末からの運動に重みが増すことになった。

    「ピッチとソーシャルメディアの両方で中傷行為が続いていた。これは到底許しがたい事態であり、公的機関や立法機関、そしてソーシャルメディアの巨人たちの助けを得て、止めなければならない」

    「憎しみを生む文化がなんの罰も受けずに育ってしまうことは危険だ。フットボール界にとってだけでなく、全ての社会にとって、とても危険だ」

    ほかにも、EA Sportsのような企業も結束。EA Sportsが展開するゲーム「FIFA」のアカウントも今週末は投稿をしないことになっている。フットボールマネジメントのシミュレーションゲーム「Football Manager」のアカウントも同様にボイコット活動に加わるなど、今回の活動は多くの広がりを見せているのだ。

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    欧州クラブ協会(ECA)も英国フットボール界を支持

    「我々はイングランドのフットボールコミュニティを支持する。今週末のソーシャルメディア・ボイコットとネット上の誹謗中傷行為を撲滅するキャンペーンをサポートする」

    PFAはブランドやスポンサー、そして選手たちにも参加してもらうよう取り組んできた。

    「選手としての声や影響力が集まれば、多くの国の企業に説明責任を求めることにつながるし、世界中の観客に『誹謗中傷行為は許されない』という力強いメッセージを送ることができる」

    「会員の生の声からわかることは、ネット上の憎しみがトラウマになることだ。誹謗中傷行為の影響は家族や感受性の強いファンにも及ぶことがある。私たちが望むのは、人種差別やそのほかの差別の問題に取り組む責任をより強く持つよう、ソーシャルメディア企業とプラットフォームがより高いレベルのアクションを取ることだ」

    「フットボール界が要求しているのは、攻撃的な投稿に対するフィルタリングやブロッキング、素早い削除対応、認証プロセスの向上や再登録の防止だ」

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    『Goal』のボイコット活動

    『Goal』ではボイコット期間中、Facebook、Twitter、Instagramのチャンネルでイングランドサッカーについての投稿を一切行わない。期間は金曜日の午後から月曜日の夜を予定している。

    その代わり、ネット上での人種差別、その他の差別行為、誹謗中傷行為についての啓発活動のためにプラットフォームを活用する。様々な反差別活動の取り組みを伝えていく所存だ。

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