Yoshimi-Yamashita(C)Getty Images

日本人審判が歴史的快挙!女子W杯で開幕戦担当の山下良美主審、VAR判定を会場にアナウンス…主要大会で男女問わずサッカー界史上初の事象に

日本人審判が女子ワールドカップで快挙を成し遂げている。

今月20日に開幕戦を迎えた女子W杯。オーストラリアとニュージーランドの共同開催で行われる同大会の開幕戦は、ニュージーランド対ノルウェー戦に。同試合は、山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審の日本人審判員トリオが審判を担当。日本人がW杯の開幕戦を担当するのは、2014年のブラジル大会(西村雄一主審、相樂亨副審、名木利幸副審)以来。女子では初めてとなっていた。

そして、この試合で画期的な場面が発生。1-0で迎えた試合終了間際の88分、ニュージーランドへのPKの判定がVARで検証されることに。検証の末、山下主審はPKを指示。さらに、このVAR判定をマイクを通し「オンフィールドレビューの結果、判定はペナルティ(キック)!」と英語でスタジアムに説明していた。

以下に続く

FIFAは7月初め、女子W杯で審判がVARをスタジアムとテレビ視聴者にライブで説明することを発表。このプロセスはモロッコで開催された男子FIFAクラブワールドカップ、アルゼンチンで開催されたU-20ワールドカップで既に試験的に実施。男女のシニアワールドカップ、そして主要大会で行われるのは今回が史上初の事象となっている。

審判はピッチ脇のスクリーンを確認して判定を下したあと、この最終的な判定そのもの、判定された理由、どの選手が反則を犯したか、時には反則についての補足説明など、すべてまたはいくつかの要素を英語でアナウンスする。

FIFAの女子サッカー審判部長であるカリ・ザイツ氏は「80~90パーセントは説明できると確信している。私たちの目標は、スタンドの観客がフィールドで何が起こっているのかをよりよく理解できるようにすること」と大会前に語っていた。

また、同試合を会場で見ていた『The Athletic』のメグ・リネハン氏は、山下主審がVAR判定を発表した時のスタジアム内の反応を説明。

「スタジアム内では、かなり明確で素早いプロセスだった」と山下主審の迅速な判定を評価している。

「PKの可能性があるとの表示が出た後、審判がビデオレビューを求めるモーションをかけ、ビデオレビューを見て発表した」

「スタジアム内が騒がしかったので、少し聞き取りにくかったが、ペナルティが与えられたことは明らかだった。開幕戦であり、ニュージーランドがリードし、ワールドカップ初勝利がかかっていたため、アナウンスに対するリアクションはさらに劇的だった」

ニュージーランドはこのPKを失敗するも、48分に挙げた先制点を守り切り1-0で勝利。4万2137人が集まった開幕戦で、女子、男子を問わずワールドカップでの初白星を飾っている。

広告