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【動画】横浜F・マリノス側に警告はあった?鹿島アントラーズ戦での「微妙な判定」、カードを出したくない審判の心情とは

番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、JFA審判1級インストラクターで昇陽高校サッカー部総監督の奥谷彰男氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。

■PKの判定は妥当

今回議論されているのは鹿島vs横浜FMの52分の場面。鹿島のチャンスシーンで土居聖真のパスに反応した松村優太がボックス内に走り込むと、ティーラトンに倒されてPKを獲得する。PKは妥当だったとして、ティーラトンに対してイエローもしくはレッドカードが出されなかったことについて疑問の声も上がったようだ。

まず、番組内でもPK自体は妥当だったと奥谷氏、原副理事長、平畠さんの3者がいずれも頷く。カードについては、手で倒すなどしてDOGSO(=決定的な得点機会の阻止)だった場合にはレッド、ボールにチャレンジした結果として足などにかかって倒してしまった場合はイエロー、DOGSOに満たないSPA(=大きなチャンスの阻止)だった場合もイエローもしくはノーカードとなるが、まずはDOGSOに該当するかどうかが議論された。

原副理事長はこの点について、「ゴールに向かっているというよりは、角度が少し外側にいっているということもあるので、DOGSOではないかなと思います。手を(倒れる要因として)どう見るかではないでしょうか」とコメント。プレーがゴール方向に向かっていなかったことを指摘し、DOGSOではないと主張している。

さらに、奥谷氏もその意見に賛同した。

「松村選手の最後の右足のタッチで外側へ逃げていますから、シュートコースがかなり厳しくなったと、私も思います。ですからDOGSOではなくSPAの方に当たると思います」

■ボールにはチャレンジしているか?

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シチュエーションとしてはSPAに該当するとされた今回の事象。では、ファウルそのものは、ボールに「チャレンジした」ものか、「チャレンジしていない」ものか、どちらだったのだろうか。

このことについて平畠さんは「ちょっと難しいですね」とこぼしつつも「意図がどうかとは別に、ボールにチャレンジしているようには見えないという気がします。どちらかというと相手の身体にアタックしているような感じに見えました」と率直な意見を述べる。

一方で原副理事長は断定せず、「どちらとも取れる」と発言。映像で見た際の差異として「(ピッチより)多分、予想より速いんです。ティーラトンもスピードがないわけではないでしょう。だから、つつけると思ったら、ガーンと行かれたから引っ掛かってしまったのでしょうか」と指摘した。

見解を求められた奥谷氏は、原副理事長の意見に賛同している。

「微妙な判断だと思います。明らかに手で押しにいったわけでもなく、引っ張り倒したわけでもないということは分かると思います。ただ、ボールにしっかりチャレンジできたかというと、そこも微妙ではあるので、意見が分かれるところだと思います。だからどちらでも納得できるのではないかと思います。私も、どちらかというと原さん寄りに、プレーをしにいって、速さについていけなかったということでノーカードにするかなと思います」

続けて「主審の心理的なことを言うと、レッドカードというのは基本的に出したくない」とも。出さなければならない場合もあるが、今回のようにどちらともとれて悩む判定の場合、「少し低いというか、軽めに判断するというのも1つの考え方ではあるかなと思います」と説明した。

反対に、「腕で引っ張り倒す。あるいは、明らかに後ろからプッシングを、足がアタックしているのではなく手だけでいっている場合」は、明らかにボールにチャレンジしていないものとみなすとも説明。しかし、今回の事象については主審の判断を支持するということで決着している。

今回の『ジャッジリプレイ』では、このほかにもベガルタ仙台vsアビスパ福岡の得点シーンで見られた4つの事象、「ジャッジメント ワンポイント講座」では川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌を題材にオフサイドディレイについて解説されている。

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