20210821_Makoto Hasebe_Frankfurt(C)Getty Images

長谷部誠“不可欠論“再び…現地メディア「彼がいかに必要なのかが痛いほど示された」

フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠のスタメン起用を求める声が高まっているようだ。

先日ケルンと引き分けたフランクフルトは、これでオリヴァー・グラスナー新監督の下では公式戦6分け2敗と未だに勝ちなし。2-5で敗れた開幕節ドルトムント戦の後半以降4バックに切り替えてから、長谷部は第2節アウクスブルク戦の終盤を除いて、ピッチに立っていない。その現状を受け、地元紙『フランクフルター・ルンドシャウ』やサッカー専門誌『キッカー』など、周囲から3バックの復活、そしてベテランの起用を提言する声が高まっている。

そして、『シュポルト1』のフランクフルト番記者も同じ考えのようだ。記事で「ハセベのスタメン起用を見送った最後の監督は(前監督の)アディ・ヒュッターだった。だが、オーストリア人の彼は数少ないマッチデーでその決断を撤回していた」と紹介すると、「守備のスペシャリストの起用はここ数年間、成功へのカギだった。これからグラスナーにとってもハセベは中心的な存在となるのだろうか?」と問いかけ、次のように続けた。

以下に続く

「序盤の数週間で、ブンデスリーガ最年長のプレーヤーがフランクフルトにとっていかに必要なのかが痛いほど示された。1月に38歳になるハセベは最初の公式戦3試合にしか出場しておらず、プレー時間は約125分にとどまっている。4バックへのシステム変更によりベテランは居場所を失っていた」

「トレーニングを見学する常連たちは『一体どうして?』と不思議がっている。ハセベはどんなメニューでも先頭に立ち、グループをまとめ、チームメイトたちのロールモデルを務めるとも言われる。グラスナーは大規模な刷新に取り掛かり、多くの若くて経験の浅いプレーヤーたちを組み込まなければいけない。そのために監督はリーダー格で構成される軸を必要とする」

■「特別なオーラ」

記者はキャプテンのセバスティアン・ローデが負傷離脱中、いまいち調子が上がらないマルティン・ヒンターエッガーは自分のことで精一杯な上、ジブリル・ソウはリーダーの役割を務めるのはまだ早いと指摘。加えてリーダーの不在はプレーの質にも影響を及ぼしているという。

「ケルン戦で雑なパフォーマンスを見せたアイントラハトは、64%と実に酷いパス成功率を記録した。フランクフルトの枠組みがぐらつき、ベストフォームとは言えない選手が多過ぎた。ハセベは彼なりのやり方で周りを活かせる選手だ。彼のクオリティが高いことに関して、疑問の余地がない。パス回しに長けており、並外れたビジョンを持ち合わせる彼は同僚たちをけん引し、ときには説教することもできる」

また「ハセベに頼らなければいけないのは、ヘッセン州民にとってもちろん自慢できることではない。だが、このスカッドはこの優れたフットボーラーが放つ特別なオーラを欠くことはできない」とも指摘。「アイントラハトは結果におけるクライシスを強いられているだけではなく、プレースタイルも疑問符を浮かばせているのだ」との見方を述べている。

なおフランクフルトは、現地時間30日に行われるヨーロッパリーグでの2戦目でベルギーのロイヤル・アントワープ、来月3日のブンデスリーガ次節ではバイエルン・ミュンヘンと、それぞれアウェーの地で対戦する。グラスナー監督は3バックに戻し、長谷部の起用を検討するのだろうか。

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