ROMAN BÜRKI BORUSSIA DORTMUNDGetty Images

精神面を改善して一流に。ドルトムントGKビュルキが語るプレッシャーとの関わり方/インタビュー

ロマン・ビュルキがボルシア・ドルトムントに籍を置いて4年半以上が経過した。以前まではミスが多く、ドルトムントの守護神としては「心もとない」という批判もあったが、現在はそういった声も聞こえてこない。不安定なプレーを見せなくなった背景には、メンタル面の改善があったようだ。

そして、ブンデスリーガを代表するGKの一人となったビュルキは『Goal』のインタビューに応じた。プロになるきっかけを与えてくれたFCトゥーン(スイス1部)への練習参加、父親の助力、自己懐疑について語る。

さらに、17歳の時からずっとメンタルトレーナーに協力してもらっている理由、試合前に必ず書き物をする習慣、現在のBVBに欠けているものについても話した。

以下に続く

■プレッシャーに悩んだ若かりし頃

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――ロマン、あなたはミュンジンゲンというスイスの小さな町の出身ですね。どのような少年時代を過ごしましたか?

僕たち子供は一つのグループになって、学校へ行くにもフットボールをやりに行くにも一緒に行動していた。その頃、僕の父はミュンジンゲンのトップチームでプレーしていて、いつも僕を一緒に連れて行ってくれた。そのうち僕と仲間のみんなもクラブでプレーさせてもらえるようになったときは、もちろんすごくうれしかったよ。

――少年時代のあなたはFCトゥーンの体験練習に参加し、これが大きな経験になりました。

当時、トゥーンはスイスのトップクラブだった。僕は15歳か16歳で、体験練習のときはあんまりいい気分じゃなかった。僕はトレーニングで自分の力を出せなかったし、全然いい動きができなかった。とにかく、うまくいかなかったんだ。1週間後にクラブから断りの返事が来た。でも、その2日後にBSCヤングボーイズ(スイス1部)の体験練習に招待されたんだ。

――それでどうしましたか?

最初はうれしかったけど、突然不安になった。今度もまたうまくいかないんじゃないかって。父をがっかりさせたくなかったし、自分でも失望したくなかったんだ。僕は何をやるにも、自分に大きなプレッシャーをかけてしまう。あのときは父が助けてくれて、僕を車に乗せて有無を言わさずに連れ出してくれた。僕がもしプロのフットボーラーになっていなかったら、何になれたんだろうと思うよ。父にはものすごく感謝している。あれは僕の人生にとって決定的な一歩だったね。

――あなたはそんなふうにプレッシャーを感じたり、あるいは自分に自信が持てないような性格だったんですね。

今は昔よりうまくコントロールできているし、自分に満足できるようにもなっている。だけど、僕はトレーニングでも常に全力を出したいと思っていて、あるメニューがあんまりうまくいかなかったと感じると、すぐに怒りが湧いてくるんだ。そんなことでくよくよ考え込んだり、自分で自分にプレッシャーをかけたりするのは良くないことなんだけどね。もちろんフットボールは僕たちの仕事だけど、そもそもはゲームなんだ。

――同僚の選手たちとプレッシャーの話をすることもありますか?それとも、プロ同士ではそういう話題はタブーですか?

試合前には無理だね。みんな自分のことで忙しいから。だけど時々、1対1でいるときには話し合うことがあるよ。そんな心配をしてもらう必要のない選手も大勢いる。彼らは楽々と試合に出ていって自分の仕事をこなしている。けれど、メディアの批判に対処するのにもっと困難を感じている選手たちもいるかもしれない。そういうプレッシャーを心から追い出すのは簡単なことじゃない。試合中に、観客がいらいらしているのは自分のせいじゃないかと感じてしまうんだよ。僕がメンタルトレーナーに協力してもらっていることは秘密でも何でもないし、みんなに勧めたいと思うね。それに、誰か僕と話したい選手がいれば、僕はいつでも相談に乗るよ。

――メンタルトレーナーにはいつから協力してもらっているんですか?

僕が17歳で、ヤングボーイズで3番手のGKだった頃からだ。当時クラブがメンタルトレーナーを探してきて、協力してもらえるようになったんだ。義務じゃなくて希望者だけだったけどね。僕はセッションを受けてみて、とてもたくさんのことを学んだ。ピッチの上でも外でも、ネガティブな経験といかに付き合うかが重要なんだ。そういう問題について話し合える、信頼できる相手がいることをうれしく思うよ。

――あなたは試合前に紙に何か書きつけて、いくつか目標をメモしたりするそうですね。

具体的な目標を書くわけじゃない。だけど、試合中に気をつけたいと思っている事柄をいくつかメモするんだ。あるいは、ちょっとウォーミングアップのために、さらにいくつか書き足したりすることもある。「明快な動き」とか「落ち着きを失うな」とかね。

■ハーランドは「プロとしての強い自覚がある」

Erling Haaland - Borussia DortmundGetty Images

――あなたはもう4年半BVBにいますが、ドルトムントを故郷と呼べるようになっていますか?

もちろんだ。僕は仕事のない日にあちこち旅行するようなタイプじゃない。家にいる方がよくて、家にいるのが好きなんだ。

――今のドルトムントの話題の中心はアーリング・ハーランドですね。彼がドルトムントに来た最初の印象はどうでしたか?

若いのにマスコミにもてはやされて、19歳で世界的な有名人になったりすると、付き合いにくい人間になることもある。だけど彼は冷静なタイプで、何が重要なのかよくわかっている。アーリングはプロとしての強い自覚を持っているんだ。僕はいつもトレーニングセンターに真っ先に姿を現す方なんだけど、彼はもっと早くから来てるんだよ。休みの日にもトレーニングセンターに来ている。何が重要で、何が自分のためになるのか、彼はよくわかっているんだ。

――最近のドルトムントは失点が多く、守備面で問題を抱えているように思えます。何を改善し、どういう点で努力すればいいのか、すでにわかっているのでしょうか?

何が原因かについてはいろいろ手がかりがあるし、議論もされている。けれど結局は、何が何でも守備を固めてゴールを守るという意志が問題なんだろう。それはディフェンダーだけじゃなくチーム全体についても言えることだ。攻撃面では僕たちの試合はほとんど完璧に機能しているし、非常に多くの得点を挙げている。今僕たちが目を向けなければならないのは、守備ももっと改善できるという点だ。

――こういう時期には、あなたがチームメイトに働きかけることが重要ですか?

まず守備の選手たちと意見を交換することだ。舵を取って、焚きつけ、常にポジティブでいなければならない。ネガティブな話は試合の後ですればいい。

インタビュー・文=アレクサンダー・シュリューター/Alexander Schlüter

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