23-24シーズンのプレミアリーグは14日、延期分の第34節・マンチェスター・シティとトッテナムが行われ、アーリング・ハーランドの2得点でマンチェスターCが勝利を収めた。この結果、最終節を前にシティが勝ち点88で首位に立ち、勝ち点2差でアーセナルが追う展開となった。優勝を決する残り1試合は、アーセナルがエヴァートンと、マンチェスターCはウェストハムと対戦する。ここではABEMAプレミアリーグを解説する槙野智章氏にシーズンを通じて感じたことを聞いた。【取材協力:ABEMA】
■調子の良いチームと良くないチームとの差
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「マンチェスター・シティ、アーセナル、リヴァプールの3チームが最終盤まで優勝争いを沸かせていますが、調子が良いチーム、良くないチームの差が大きく出たシーズンだったと思います」。遠藤航が所属するリヴァプールは直近4試合で1勝2分1敗と失速し3位が確定したが、3連覇中のマンチェスターCがここに来て首位奪還。昨季、240日以上首位を走りながらも最終的に苦杯を舐めたアーセナルとともに、優勝争いは20日の最終節に持ち越されることになった。
個人的に気になったチームは「日本人選手が所属するリヴァプールとアーセナル」と話すが現地に足を運んで感じたのはプレミアリーグの奥深さだという。「ルートン・タウンに行って現地で試合を見ました。スタジアムはすごく小さくて(収容人数11,262人)、自分は知らなかったけれど面白い選手がたくさんいました。(チームの大小問わず)力のある選手が対峙するこのリーグは本当に奥深いなと思いました」。
ルートンには、1月末に橋岡大樹が加入し今季4人目の日本人選手として注目を集めた。昨季プレーオフを勝ち抜き初のプレミアリーグ昇格を成し遂げたが、残り1節で降格圏の18位。わずかな可能性を残すも残留はかなり厳しい。19位・バーンリー、20位・シェフィールド・ユナイテッドも1年でチャンピオンシップに戻ることになり、調子の良いチームと良くないチームとの差が残留争いでも見られている。
■日本人選手、それぞれが存在価値を示す
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日本人プレミア戦士である、三笘薫、遠藤、冨安健洋についても聞いた。
「三笘選手はシーズンが始まる前に、自分の課題をしっかり言葉にしていました。縦への突破だけじゃなく、シュートのバリエーションを増やしたいと。開幕戦からその課題を克服しながら 挑戦する姿がすごく見られました。けがで離脱しましたが、相手に研究されながらも、どうやって突破できるかを考えたプレーが目立っていた印象です」。昨季ブライトンで大きな爪痕を残した三笘だが、今季は負傷で苦しんだ。チームも第37節時点で10位と昨季の6位から成績を落としている。
初のプレミア挑戦となった遠藤。「遠藤選手は、クロップ監督から求められるプレーに最初戸惑いも見られましたが、 数試合でプレミアのスピードや強度に慣れてきて、ポジションも奪いました。意識の変化の中でプレーの幅も広がったと思います。すごく成長を感じましたし、チームの中での自身の存在価値を高めたと思います」と、プレミアの強豪チームで力強さを見せた日本代表キャプテンに期待を寄せた。
アーセナルで3シーズン目となった冨安については「様々なポジションをやる中で、後ろだけじゃなく攻撃参加する姿も見られました。プレーの幅や戦術眼は日本代表にとっても素晴らしい還元になると思います」と語る。そして、「プレミアの中でも面白い存在になってきています。世界最高峰のリーグで対面する選手をいろんなバリエーションで止めています。止めるだけじゃなくて、ビルドアップ能力も成長している。攻守においてすべての存在価値を高めた、そんな1年だったと思います」と賛辞を送った。
プレミアリーグも残り1節。マンチェスターCが史上初の4連覇達成なるか。あるいはアーセナルが最後の最後で頂点に立つか。アーセナルは勝利したうえで、マンチェスターCが引き分け以下の場合に優勝が決まる。注目の第38節は日本時間20日0時(日曜深夜)にキックオフ。ABEMAプレミアムではアーセナルvsエヴァートンの一戦を放送、槙野智章氏と鄭大世氏のW解説でお届けする。
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