ancelotti davdeGetty Images

バイエルンに劇的勝利のレアル・マドリー、歴史的采配の仕掛け人はアンチェロッティ息子だった「ホセルを投入しよう」

バイエルン・ミュンヘンとの2ndレグで試合終了間際にスコアをひっくり返し、チャンピオンズリーグ決勝進出を果たしたレアル・マドリー。終盤に投入されたFWホセル・マトが立て続けに2ゴールを決めたことで成し遂げた逆転劇だったが、その仕掛け人はカルロ・アンチェロッティ監督の息子ダビデ・アチェロッティ助監督だった。

68分にDFアルフォンソ・デイヴィスのゴールを許して0-1(2試合合計2-3)とされたマドリーは、その後に猛攻を仕掛けながらもバイエルンの堅守を穿つことができず。するとアンチェロッティ監督は81分にホセルを投入したが、この交代策が見事に的中した。88分、FWヴィニシウス・ジュニオールのミドルがGKマヌエル・ノイアーのキャッチミスを誘発し、そのこぼれたボールをホセルが押し込み同点に追いつき、さらに91分にCKの流れから再びホセルがネットを揺らして、わずか4分間での逆転を達成している。

このホセル投入という歴史的な采配の仕掛け人こそダビデ助監督だった。スペイン『モビスタール・プルス』のテレビカメラがその様子を捉えていた。

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アンチェロッティ監督はまったく同点ゴールが決まらない状況に豪を煮やした様子で、ピッチに背を向けてテクニカルエリアの方へと向かっていったが、そのときにダビデ助監督が父親に近づき、イタリア語でこう語りかけたのだった。

「ホセル、ダイ(ホセルで行こう)」

アンチェロッティ監督は息子の言葉を受けて、すぐさまアップ中のホセルを呼び寄せてピッチに投入。そうして(何回目か分からないが)奇跡とも称される逆転劇につながったのだった。

なお現在34歳のダビデ助監督は選手としては花開かなかったものの、その後アンチェロッティ監督のコーチングスタッフとして才覚を発揮。まずPSG、レアル・マドリーでアンチェロッティ監督のフィジカルトレーナーを務め、その後UEFAのAライセンスを取得すると、バイエルン・ミュンヘン、ナポリ、エヴァートン、レアル・マドリー(第二次政権)で助監督を務めている。戦術分析や、今回のホセル投入のように機敏な選手交代の進言などに定評があり、アンチェロッティ監督の右腕として活躍している。

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