レアル・マドリーvsバイエルン・ミュンヘンで話題となった判定について、『The Athletic』が検証している。
8日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグで、バイエルンをホームに迎えたレアル・マドリー。68分に先制を許す苦しい展開となったが、途中出場のホセルが88分、後半アディショナルタイムと劇的な2ゴールを奪い、2-1と勝利。2戦合計スコア4-3で決勝進出を決めた。
しかし、この試合の終了間際の判定が物議を醸すことに。2-1となった後の後半アディショナルタイム13分、バイエルンは前線にいたデ・リフト&マズラウィに向けてボールを送ると、副審はオフサイドフラッグを上げた。主審も笛を吹きレアル・マドリー側がプレーを止めたように見えたが、その直後にデ・リフトがネットを揺らしていた。バイエルンの同点弾は認められず、これに選手やトゥヘル監督も激怒。試合後、デ・リフトは「恥ずべきこと。ラインズマンは謝っていた」と怒りを爆発させている。
この物議を醸したシーンについて、『The Athletic』が検証。ゴールが認められなかった理由は「答えは簡単、副審がオフサイドを信じてフラッグを上げたから」としつつ、以下のように分析した。
「だが2016年にVARが導入されて以降、オフサイドは事後的にチェックされるようになった。プレーがゴールに繋がる可能性が高い場合、たとえリアルタイムでオフサイドが明らかな場合でも、副審がオフサイドの合図を控えることが一般的になっている。その後、プレーが終了した後にフラッグを上げてサインを出す。そしてVARがオフサイドをチェックする。VARは各ゴール後にオフサイドもチェックするため、アシスタントがオフサイドを見逃したとしても、事後的にゴールが取り消される場合もある。さらにCLでは、各選手の30箇所の関節をチェックする半自動オフサイドも導入されていた」
「だが今回の場合、すでに笛が吹かれていたため、デ・リフトがネットを揺らす前にプレーは無効に。VARによる検証もされなかった」
なお『The Athletic』はUEFAにコメントを求めるたようだが、現時点で返答はない模様。一方でUEFAが2023年1月に行った審判講習会では、「VARが導入されている場合、副審はオフサイドが疑われる場合には旗を上げないように勧告されている」と説明されていたようだ。