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【動画】選手の感覚とレフェリングのギャップ?浦和レッズの得点取り消し前、横浜FC側にラフプレーはなかったのか

番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さん、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。

■浦和の得点は認められず

今回ピックアップされているのは、浦和vs横浜FCの40分のシーンだ。スローインの流れからボールを持った明本考浩が、横浜FCの安永玲央と中塩大貴に挟まれる形で交錯して転倒する。

そのまま浦和のカウンターへとつながると、伊藤敦樹が右サイドを走る小泉佳穂に展開して自ら駆け上がり、ボックス内で折り返しを受けてネットを揺らす。しかし、小泉がパスを受けた時点でオフサイドがあったとして、VARオンリーレビューの末に得点は認められなかった。

番組の中ではまず、オフサイドディレイについて議論。VARが導入されている試合においては、ファクトに基づいて判断できるオフサイドであれば、誤った笛によってチャンスが失われることを避けるため、一連のプレーが切れてから判定が下される。

これについて、原副理事長は「1メートルか2メートルで(ディレイを適用して)見ると言っていますから、こんなにギリギリだったら流すのは当然でしょう」とコメント。深野さんも「オフサイドディレイですべきシーンだったと思います」と主審の判断を支持した。

■結果的に足の裏で触れてはいないが…

一方、この場面では明本に対するファウルがアドバンテージで流され、プレーが止まった後も警告などは提示されなかったが、その点についてはSNS上でも疑問が噴出。平畠さんが「イエローに値しないファウルだったという判定」だったのか、とユーザーから寄せられた意見を紹介すると、原副理事長は以下のような見解を示した。

「一発レッドかというと、完全に足の裏が入っているわけではないから、レッドではないと思いますが、ラフプレーにちょっと近いですよね。(アドバンテージを適用したことで)ルール上は1つ下がり、イエローだとなしになるみたいなシーンと、これは違いますよね」

説明を求められた深野さんは、アドバンテージを適用した際は「チャンスをつぶしたというものに関しては、イエローカードは消えます」とコメント。一方で、「アドバンテージをかけた後でイエローカードが出せるシーンは、ラフプレーと言われるものです。その行為が無謀だったというものに対しては出せます」と、原副理事長の見解を概ね肯定する。

となると、今回の場面はどちらが正しかったのだろうか。平畠さんが「足の入り方は、ちょっと危ない感じには見えます。どこまでが反スポーツで、とか細かいことは分からないですが、危なく見えるかなという気はします」と率直な感想を述べたが、深野さんはまずは主審の判断を尊重している。

「結果的に戻ってイエローカードを出さなかったので、ラフだとは判断されていなかったんだなと、まず思います。まず後ろの選手が押したというところでファウルだと主審は感じ、プレーオンにしたのではないかと思いました。ただ、それは結果的に非常に大きなチャンスでもあったのでイエローカードの対象でしたけれども、ナイスアドバンテージでそのままプレーが流れました、ということです」

しかし、原副理事長はあくまでラフプレーだったと感じているようだ。

「中塩も目を背けて足の裏でいってしまっているから、(結果的に足の裏では触れていなかったとしても)一歩間違ったら本当に危ないというのが、多分現場の感覚だったと思います。その感覚をみんな持っているから、(抗議する様子のあった)レッズの選手たちとかベンチとかも『これはラフプレーだよね!』という思いが強いんだと思います」

とはいえ、あくまでルール上の運用であれば、明本と横浜FCの選手が実際に足の裏で接触していないことも大きなポイントであり、主審次第の判定だったと深野さんは強調している。

「ラフかラフではないかの判断基準としては、原さんがおっしゃっていたように足の裏を、体を投げ出す形でいきました。でも接触したかどうかというと、結果的にはしていないんです。倒れかかった体と足の裏ではないところが接触をしたと思うので、いわゆるグレーゾーンもあると考えると、イエローカードに近いノーカードという判断もあるのかなと思いました。もし主審が『いや、これはイエローカードです』というふうに言えば、それも納得するかなと思いました」

議論が対立しながらも、どちらもあり得るということで決着した今回のジャッジ。現場の感覚とルールブック上の運用で、ギャップが生じる難しい場面となっていたようだ。

今回の『ジャッジリプレイ』では、同じく浦和vs横浜FCの33分にオンフィールドレビューが用いられた場面、J2第3節のジュビロ磐田vs水戸ホーリーホックの18分に水戸が得点した場面についても議論されている。

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